テラ・ルナ事態を彷彿…3時間で90%大暴落した暗号資産の話

韓国は直接関係ありませんが、2022年に99%の大暴落を起こしたテラ・ルナ事態を彷彿とさせることが起こりました。
現実の資産をトークン化するRWA(Real World Assetes)に特化した「Mantra」チェーンから発行されている暗号資産「Mantra(OM)トークン」が3時間で約90%の大暴落(約6ドル→約0.5ドル、時価総額60億ドル蒸発)を起こしました。
Mantraチームは、チーム保有分を大量に売却する、いわゆる「ラグプル」と呼ばれる資金持ち逃げ行為を否定しています。チームによると、どこかの取引所で行われた「無謀な清算によって引き侵されたもの」であり、チームは「無関係」と主張しています。

 



マネートゥデイの記事からです。

ぐんぐん上がったのに「3時間で93%暴落」パニック…第2のルナ事態?


(前略)

14日午後2時35分基準で仮想資産市況プラットフォームであるコインマーケットキャップで、マントラ(OM)は前日対比87.42%下落した0.789ドルを示す。同日、マントラトークンは午前1時30分6.1292ドルから午前4時55分0.4325ドルまで下がった。約3時間で92.94%暴落し、時価総額も8兆ウォン近くも消えた。

国内でマントラトークンのウォン取引を支援する取引所はコインワンだけだ。同日、コインワンでマントラトークンは1636ウォンまで上がったが、1054ウォンまで下がった。同日午後2時28分基準では前日比20.92%下がった1149ウォンで取引中だ。この日は短期間入金量が300%以上急増し、注意銘柄に指定された。

価格は突然暴落したが市場が納得するような理由はなかった。これに対し投資家の間では多様な推測が出てきた。プロジェクトチームの改編やエアドロップの不満によるパニックセル(恐慌売り)、ハッキングなどの可能性が提起された。一部では、内部者が流通物量の90%を市場に出したとし、ラグプル(投資金を集めた後、突然プロジェクトを中断し、投資金は返さない詐欺)論議を提起した。

JPマリン・マントラ最高経営者(CEO)は13日(現地時間)、ソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)に「価格急落は大規模な強制清算で発生したものだ。我々は逃げず、独自の物量も保有している」とし、詐欺論議に線を引いた。しかし論難が続き、市場では2022年仮想資産テラ・ルナ事態以後、最悪の暴落事態という評価が出てきた。

(中略)

特定のコインの価格が急落する事件はしばしば起こる。2月にはアルゼンチンのミーム・コイン・リブラ(LIBRA)が94%台急落した。リブラは価格急落直前に発行者が関係したと推定される財布から大規模な物量があふれたという事実が知らされ、ラグプル論難に包まれた。

それより先にはテラ・ルナ事態があった。 2022年ドル連動ステーブルコインだったテラUSD(UST)の価格が崩れ、ルナコインの価格も99%以上暴落し、全世界のコイン市場を揺るがした。

(中略)

コビット・リサーチセンター長のキム・ミンスン氏は「仮想資産の急落を招く要素は多い。テラ・ルナのように資産自体の構造的な問題で発生する場合もあり、資産設計と関係なく市場でレバレッジなどが急激に清算され下落が加速したり市場でパニックセルが起きて下落する場合もある。下落の原因は多様だが、下落が発生する時に低価格買収がなければ下落幅が大きくなるのはすべての資産で見られる現象」と話した。



マネートゥデイ「쭉쭉 올랐는데 "3시간 만에 93% 폭락" 패닉…제2 루나사태?(ぐんぐん上がったのに「3時間で93%暴落」パニック…第2のルナ事態?)」より一部抜粋

日本の国内取引所では扱っていませんので日本国内ではニュースバリューは無いと思いますが、韓国では暗号資産は人気の市場で該当トークンも一部の国内取引所で取引可能となっています。目立つ上昇率(CoinGeckoのレポートでは2024年の成長率7000%超え)でしたから、少なからず被害者が居そうです。

非中央集権型のデメリットですね。法定通貨であればここまでの暴落になる前に国や中央銀行が防衛に乗り出しますが、暗号資産にはそれがありません。
そもそも最初から資金を持ち逃げする前提の計画的サ〇まがいのエアドロップ・プロジェクトなども相当あります。

他ソースによると、チームはエアドロップ直前にコミュニティの50%のユーザを「bot」呼ばわりしてBANしたり、プロジェクトの全発行トークンの90%がプロジェクト内部者によって管理されていたりしたそうです。
事の発端は、そのウォレットから取引所に390万のOM(マントラトークン)が送信され、それが「処理された(恐らく売却された)」ことだったようです。こうしたことからプロジェクトに対する不信感がくすぶっていたんでしょう。