韓国で過激化する幼児教育を「児童〇待」と訴える告発が国家人権委員会に受け付けられたそうです。
幼児教育の中でも早期英語学習をターゲットとしてます。恐らくそれだけ熱心な人が多い分野だからでしょう。
ソウル経済の記事からです。
「うわ、韓国本当にダメですね」...外信も驚愕した「7歳国試」結局
(前略)
16日、国民1000人で構成された「児童虐〇7歳告示国民告発団」はソウル鍾路区人権委前で「児童虐〇7歳国試廃止」記者会見を行い、教育当局の強力な制裁と乳幼児私教育に対する全面的な実態調査を促した。告発団は「英語塾入学のための試験という名目で満6才の子供たちが英語文章を覚え面接を準備する」として「人権委は7才国試が児童虐〇以上の深刻な犯罪行為だと規定し教育当局が強力に制裁するよう措置せよ」と要求した。
私教育を始める子供たちの年齢層はますます低くなっている。「入試1番地」と呼ばれるソウル江南区大峙洞の一部の英語塾では7歳半の教材として米国の小学校3~4年生の教科書を使ったりもする。教育部によると、2019年、全国の英語幼稚園は615ヵ所だったが、2023年には842ヵ所に増加し、同期間、一般幼稚園は8837ヵ所から8441ヵ所に減った。
(中略)
英国日刊紙フィナンシャルタイムズ(FT)は「韓国の学問的競争が6才未満の半分を入試塾に追い込んでいる」として「4才考試」·「7才考試」という言葉まで登場した韓国の乳幼児私教育市場の実態を取り上げた経緯がある。FTはまず、韓国の6歳未満の乳幼児のうち半分に近い47.6%が私教育に参加しているという韓国教育当局の統計を引用した。さらに、「韓国の過度な私教育費の支出が深刻な韓国の少子化問題にも影響を及ぼしている」と指摘した。
またFTは、韓国の「塾(hagwon」は「英語、数学、科学、作文などの科目で授業を提供する機関であり、これは韓国で非常に大きな産業として位置づけられた」とし「韓国の親たちは自分の子供が最高の大学と数少ない大企業での高所得働き口のための強力な競争でリードできるようにするために、このような塾に依存している」と分析した。
教育専門家たちは過熱する乳幼児・初等学校私教育市場を憂慮して正確な実態を把握し、これを土台に対策準備に乗り出さなければならないと口をそろえる。特に幼い年齢から始まる学業負担が子供たちの脳発達に悪影響を及ぼしかねないと憂慮を示した。早期バイリンガル環境は子供に学習負担だけを加重し、社会的・情緒的能力が十分に形成される前に過度な刺激を与えかねない。幼児期には外国語習得より同年代との相互作用で社会的技術と情緒的能力を育てることが優先だ。過度な学習と言語環境は情緒的負担で円形脱毛、苛立ち・不安増加、学習拒否など逆効果を起こしかねない。
ソウル経済「"와 한국 진짜 망했네요"…외신도 경악한 '7세 고시' 결국(「うわ、韓国本当にダメですね」...外信も驚愕した「7歳国試」結局)」より一部抜粋
最近、日本でも認知され始めている「ダブルリミテッド」問題というものがあります。母語の習得が未熟な状態で第2言語習得を意図的に進めると、どちらの習得も遅くなる、あるいは熟達しないなどの問題が生じる可能性がある、という仮説です。
母語が成熟していないと読解力が付かず、読解力が無いと問題解決能力や知力も低いと言います。また、感情をうまく言語化出来ないことでストレス耐性も低くなる傾向があり、対人関係の問題、メンタルヘルスの問題も抱えやすくなります。
子どもがグズって泣くのは自身の感情を巧く言語化できないためです。子どもならともかく、大人でソレは通用しませんからね。
公用語が複数ある国でなら、複数の言語に触れる機会を通じて自然とバイリンガルになることは無理の無いことだと思いますけれど、日本や韓国のように通常はモノリンガルの生活を送りつつ、塾でのみ第2言語を強制(しかも乳幼児のため、いわゆる「子供言葉」)されるわけですから、恐らくそのままだと熟達はしないでしょう。「子どもっぽい英語」のままで良いのならアリかもしれませんが。
塾以外で英語を使う機会を設けるために、例えば自宅で積極的に英語圏からのホームステイを受け入れるなど、疑似的な「多言語環境」を整えてあげられるなら別かもしれません。
いずれにせよ、親が自分の「エゴ」のためにやることではないですね。虐〇かどうかはそこが判断の分かれるところかと。