韓国検察、ムン・ジェイン元大統領を在宅起訴した話

韓国検察がムン・ジェインさんを在宅起訴しました。娘婿(すでに離婚)が航空会社の専務として勤務した期間に受け取っていた給与を「収賄」と見なした件です。
韓国検察は娘婿の専務理事就任を「特恵採用」と見なし、娘婿への給与をムンさんへの「賄賂」と規定、収賄事件として捜査していました。

 



SBSの記事からです。

検察の「収賄容疑」起訴にムン・ジェイン激怒…「とんでもない」


(前略)

検察がムン・ジェイン元大統領を収賄の疑いで裁判にかけると、当事者のムン元大統領と民主党が一斉に激昂した反応を示しました。

怒りは検察に向けられました。ムン元大統領は「ユン・ソンニョル元大統領の弾劾に対する報復性起訴」と規定し、民主党では「検察解体」の声がさらに大きくなりました。

歴代大統領の中で裁判に付された事例はムン元大統領が6回目です。

(中略)

ムン元大統領はまた「検察権がどれほどあっけなく行使され乱用されているかを明らかにする契機にする」、「捜査権乱用など検察の不法行為に対して刑事告訴するのはもちろん、検察を改革する機会と考える」という発言もしたということです。

(中略)

イースター航空の創業者であるイ・サンジク(62)元議員も贈賄などの疑いで起訴しました。

検察はイ元議員が2018年3月、中小ベンチャー企業振興公団理事長に任命されたこととムン前大統領の旧婿のソ某氏がタイ・イスタージェット専務理事として採用されたことの間に賄賂関連性があると見ました。

ムン前大統領は2018年8月から2020年3月まで旧婿のソ氏をイ元議員が実所有主として知られた「タイ・スタージェット」に就職させた後、給与1億5千万ウォン余りと住居費名目6500万ウォン余りなど2億1700万ウォン余りを受け取るようにした疑惑です。

検察はムン元大統領がソ氏の就職で、これまで娘のダヘ氏夫婦に与えていた生活費支援を中断したのでムン前大統領がこの金額だけ直接的な経済的利益を得たと判断しました。

また、捜査の過程で大統領府民政秘書官室と特別監察班、大統領警護処などがダヘ氏夫婦のタイ移住に深く介入した事実も確認したと明らかにしました。

(中略)

ムン前大統領の弁護団は立場文を出し、検察の発表を一つ一つ反論しました。

弁護団はまず、検察がムン前大統領に対する調査なしに自分たちが組んでおいた加工の事実に基づいて違法な雷起訴をしたと主張しました。

「前職大統領に陳述権、反論権の機会さえ与えないまま急に起訴したことは検察が公訴権を乱用した違法な起訴」ということです。

具体的な内容についても「ムン前大統領は婿の就職を事前に知らなかっただけでなく、誰にも婿の就職を頼んだり指示をしたことはない」、「ムン前大統領は婿の就職過程にいかなる助けを与えたこともなく、経済的利益を取得した事実もない」と反論しました。

「ムン前大統領の婿がタイの会社に就職して勤め、正常に受け取った月給など報酬を賄賂に見せかけ虚偽の事実で起訴した」とも述べました。

(後略 ※民主党議員らが検察批判をするSNS投稿内容を紹介)



SBS「검찰의 '뇌물 혐의' 기소에 문재인 격앙…"터무니없고 황당" [스프](検察の「収賄容疑」起訴にムン・ジェイン激怒…「とんでもない」)」より一部抜粋

太字にした部分ですが、コレって問題なんでしょうか?
理由はともかく、親がサポートしていた娘の生活費を、旦那が充分やっていけるだけの職に就けたから終了するって、ごくごく当たり前の話ですよね。
これは「その分経済的利益を得た」=「収賄」とするのはかなり無理のある主張に感じられます。大前提として娘婿の就職が「特恵」であったことを立証しないと成立しない説に思えるのですが...起訴に踏み切った検察には十分な自信があるということでしょうか?

一方で、ムンさんおよび民主党側の「検察が公訴権を乱用した違法な起訴」「検察解体」もどうかと思います。都合の良い時は検察を散々利用してきたのはそちらも同じでしょうに。
また、検察を解体した後、その代わりを果たす機関はどうするのでしょう?イ・ジェミョンさんは以前、公捜処の権限拡大を主張していましたが...。