MSCI(モルガンスタンレー・キャピタル・インターナショナル)指数編入に毎年意欲を燃やしている韓国ですが、今年も年次発表まで2ヵ月を切り、関連記事が出始めました。
なんせ、今回は長らくの課題であった「空売り規制」が解除されていますので、今まで一番期待感の強い年なのです。
ファイナンシャルニュースの記事からです。
MSCI先進国指数への編入を期待…外国人の巨額資金流入するか
(前略)
27日、金融投資業界によると、韓国は現在MSCI基準で「新興国」に分類されており、これによる慢性的な低評価(コリア・ディスカウント)問題が続いてきた。だが、金融当局がMSCI先進国指数編入のための主要制度改善作業を事実上終えたと公式発表するなど、韓国の投資環境が大幅に改善されたという評価を受けている。これに対し、先進国指数昇格の可能性に重きが置かれている。金融委員会は先進国入りのため、△空売り市場の全面再開△外国為替市場の運営時間の拡大(24時間化推進)△企業支配構造および市場接近性の強化など、MSCIが指摘した主要問題を集中的に解消した。
市場では編入期待感が「歴代最高潮」に達したという分析が出ている。編入が確定する場合、外国人投資資金流入が本格化するものと見られる。特に、MSCI先進国指数に追従するグローバル・パッシブファンドの買収傾向が集中する見通しだ。投資業界は韓国市場に流入する外国人資金を約50兆~70兆ウォン台と推定している。
(中略)
証券会社関係者は「MSCI指数変化により国内外上場指数ファンド(ETF)リバランスも加速化する展望」とし「特に金融、情報技術(IT)、大型株が主要恩恵業種に挙げられる」と話した。続けて「国民年金など国内年金基金もやはりグローバルベンチマーク指数を基準にポートフォリオを修正するものと見られる」と展望した。
ただ、今回も韓国がMSCI先進国指数の編入に失敗した場合、市場は少なからぬ衝撃を受ける可能性がある。編入への期待感を先に反映して買収に乗り出した外国人資金が急速に離脱する可能性があるためだ。特に、一部の先制買収の勢いが集中していた金融、IT、大型株の銘柄群で差益実現の売り物が大挙出回る可能性もある。
台湾は2010年MSCI先進国指数編入を期待したが、当時外国為替市場制約、投資家保護不十分などを理由に編入が失敗に終わった。その後、台湾の証券市場は期待の先反映後、調整を経験し、短期的に外国人需給の離脱と証券市場の劣勢を経験した。
イスラエルは2010年、成功的に先進国指数に昇格した。しかし、編入直後、むしろMSCI新興国ファンドから資金が流出し、一時的に市場変動性が拡大した。当時、イスラエル証券市場は編入直後の6ヵ月間、約10%下落したことがある。
(後略)
ファイナンシャルニュース「'MSCI 선진국지수' 편입 기대… 외국인 뭉칫돈 들어오나(MSCI先進国指数への編入を期待…外国人の巨額資金流入するか)」より一部抜粋
MSCI編入に成功しても失敗しても、ポジションの整理が起こるので市場のボラティリティは増加し、5~10%の短期調整幅が予想されるよ、という感じで記事は締められています。
まあ、それはそうなんですが...韓国経済の今年の成長率が絶望的なのに、MSCI編入すれば無条件で外国資本が流入してコリア・ディスカウントが解消されると考えているのであれば、随分とお目出たい思考ではないでしょうか?