6月3日の韓国大統領選に向けて、共に民主党イ・ジェミョン氏、国民の力党キム・ムンス氏、改革新党イ・ジュンソク氏、3名の大統領選候補者3名が一斉に「10大公約」を発表しました。
ちなみに、韓国の大統領選挙公約は「守られない」ことで有名です。(日本でも某都知事が掲げる公約はほとんど実現してないらしいですけどね)
東亜日報の記事からです。
10代公約発表...イ「新産業100兆投資」、キム「法人税と相続税引き下げ」
(前略)
民主党のイ候補は、10大公約で経済成長を最優先に挙げた。このために人工知能(AI)など新産業を集中育成して新しい成長基盤を構築し、K-コンテンツ支援を強化して「グローバルソフトパワービッグ5」の文化強国を作るという構想を出した。AI予算の比重を先進国水準に増やし、新産業分野の民間投資100兆ウォン時代を切り開くということだ。
次に内乱の克服と「K-民主主義」の地位回復を目標に司法改革を推進する考えを明らかにした。具体的な方案として最高裁判事の定員拡大、オンライン裁判導入、検察の捜査権と起訴権分離、検事に対する懲戒罷免制度導入などを言及した。陸・海・空軍参謀総長に対する人事聴聞会を導入するなどの軍改革方案と大統領戒厳宣言に対する国会の解除権行使保障なども公約に含まれた。
(中略)
また「当選すれば、任期内に世宗市に国会議事堂と大統領執務室を建設し、行政首都移転を完成させる」と明らかにした。
前政権で民主党が推進したが、大統領の拒否権行使で廃棄されたいわゆる「黄色い封筒法」(労組法2·3条改正)を再び推進し、包括賃金制を禁止するなどの労働公約も出した。
(中略)
国民の力のキム候補は「起業しやすい国、働き口創出」を1号公約として提示した。自分が京畿道知事時代、京畿道平澤市に大規模なサムスン電子半導体工場を誘致した経験を生かし、企業投資と雇用を増やすということだ。そのために法人税と相続税の最高税率の引き下げ、産業用電気料金の引き下げ、週52時間制の改善などを約束した。
また、AIやエネルギー3大強国への跳躍を目標に、AI青年人材20万人を養成し、グローバル企業が参加する100兆ウォン規模の官民合同ファンドを造成し、AI企業を支援する計画だ。青年公約としては、結婚すれば3年、第1子を産めば3年、第2子を産めば3年など、最長9年間、住居費を支援する住宅を毎年10万戸ずつ供給する政策を打ち出した。
(中略)
改革新党のイ候補は大統領権限を縮小し、政府組織改編で効率的な「小さな政府」を作ると約束した。教育科学部、外交統一部などに類似の業務省庁を統合し、女性家族部などを廃止して、政府省庁を現在の19省庁から13省庁に減らすということだ。また、大統領傘下の国家安保室を廃止し、安保副首相を新設し、安保・戦略・社会の3大副首相体制で政府を運営すると明らかにした。
経済分野では海外に発った企業の国内復帰を誘導するため、国内産業団地に戻ってきた企業に対し、最大10年間、外国人労働者の最低賃金の適用を除くなどの支援策を打ち出した。戻ってきた企業が海外で同様の競争力を維持できるように支援するという趣旨だ。また、法人税国税分の30%を地方税に転換するなど、地方分権を強化する案を打ち出した。最低賃金を各地方自治体が決定できるよう決定権限も委任する計画だ。
世代間の公平性を巡る議論を巻き起こした国民年金は、新勘定を別途分離して運営する方向で再び改革し、青年世代が差別を受けることがないようにすると公約した。
(後略)
東亜日報「10대 공약 발표…李 “신산업 100조 투자” 金 “법인-상속세 인하”(10代公約発表...イ「新産業100兆投資」、キム「法人税と相続税引き下げ」)」より一部抜粋
文官が武官の首根っこを押さえたがるのは大陸の歴史的に見て、そう珍しくありません。頭が身体を動かすべき、という頭でっかちの考え方です。
共に民主党も国民の力も、景気よく「バラ撒き」宣言していますが、財源は果たしてどうするつもりでしょうか?
個人的には改革新党の公約に興味があります。他国のことなので、あまり言うべきではないのでしょうが、韓国に「大統領制」は合っていないのではないか...?と思うことが非常に多いので。将来的に内閣制を検討するためにも、大統領権限の縮小というのは良い案ではないかと。
また、いたずらに「バラ撒き」を宣言していないところにも好感が持てます。地に足ついた話をしていそう。