今月前半、韓国家計負債増加額3兆ウォンという話

韓国の家計融資が、5月上旬のわずか15日間で約3兆ウォンも急増しました。月ベースに換算すると6兆ウォンに届く可能性があります。

金融当局も状況の注視を強めていますが...特に対策などは発表されていません。ただ、今夏からDSR規制の3段目が導入されることと、来月から増加傾向は「安定的」になる、との見通しを出しています。

 



中央日報の記事からです。

家計融資、15日間で3兆ウォン急増...当局「6月には安定」とはいえ、金利・供給は変数


(前略)

18日、金融界によると、5大銀行(KB国民・新韓・ハナ・ウリ・NH農協)の15日基準の家計融資残高(745兆9827億ウォン)は、4月末(743兆848億ウォン)に比べて2兆8979億ウォン急増した。現在の傾向なら前月比今月の家計貸出増加傾向は6兆ウォンに達する可能性がある。これは先月の家計向け融資の増加幅(4兆5337億ウォン)を上回るのはもちろん、昨年8月(9兆6259億ウォン)以来最も多い金額だ。

金融当局の厳しい規制に、今年1月(-4762億ウォン)までは、5大銀行の家計融資は前月比で減少した。だが、年明けに金融界が貸出規制を多少緩和したのに続き、金利まで下がる兆しが見えると2月からは増加傾向に再び反転した。

(中略)

今月に入って信用融資の増加幅も大きくなった。15日基準の5大銀行の信用融資残高(103兆5870億ウォン)は、先月末(102兆4931億ウォン)比1兆939億ウォン多かった。これは4月の全体信用融資の増加幅(8868億ウォン)をすでに上回った数値だ。

(中略)

金融当局関係者は「5月は連休と記念日が多くて本来信用貸出需要が多いが、最近株式市場上昇に信用貸出を受けて株式投資に乗り出す人も多くなり一時的に貸出が増える」とし「最近、住宅取引量も減ったために貸出増加傾向がさらに増えることはないものと見られる」と話した。

特に7月から3段階ストレス総負債元利金償還比率(DSR)が施行されれば、首都圏の住宅担保貸出限度がさらに減り家計貸出増加傾向も抑制されるというのが金融当局の判断だ。ストレスDSR3段階を施行する場合、年俸6000万ウォン会社員の首都圏住宅担保貸出(変動金利年4%・元利金均等償還基準)は約1200万ウォン(3億6400万ウォン→3億5200万ウォン)減少する。

(中略)

金利の下落傾向は下半期にさらに顕著になる可能性がある。新韓投資証券のウン・ギョンワン・アナリストは「景気下方危険の中で物価は需要と供給側要因ともに安定し、年内に2~3回金利引き下げが可能だ」と指摘した。現在、平均年4%台に形成されている銀行圏住宅担保貸出金利が3%台に下がれば家計貸出増加傾向が爆発する恐れがある。実際、昨年7~8月の住宅担保貸出金利が3%台中盤まで下落するや、昨年8月前月対比金融圏全体家計貸出は9兆7000億ウォン急増した。

(中略)

ここに大統領選挙と来年の地方選挙を経て、不動産景気活性化に対する期待が大きくなれば家計貸出増加傾向を刺激する可能性がある。漢城大学校経済学科のキム・サンボン教授は「選挙の時は開発公約が出てくるので不動産価格上昇期待が大きくなる可能性が高いが、ここに年末に行くほど金利も下がりかねない」とし「金融当局が貸出金利だけを押さえておくのではなく、金利ではない他の方式の家計貸出管理方案を考慮しなければならない」と指摘した。



中央日報「가계대출 보름새 3조 급증…당국 “6월엔 안정”이라지만, 금리·공급은 변수(家計融資、15日間で3兆ウォン急増...当局「6月には安定」とはいえ、金利・供給は変数)」より一部抜粋

金融当局の見方は随分と楽観的なようです。昨年、DSR規制2段階目が実施される前に駆け込み需要が発生したのを忘れたのでしょうか?