韓国で5月に分譲開始したマンション15ヵ所中、完売は4ヵ所のみという話

ご存知の方もいるでしょうが、韓国においてマンションが売れ残るということは通常ありません。
マンション(アパート)は「最も価値ある不動産資産」という認識が根強く、価格が上がり続けると考えられており、人気の投資商品だからです。
ところが、最近は売れ残るケースが増えています。
5月には15カ所の分譲がスタートしたそうなのですが、そのうち完売したのは4ヵ所のみ。もちろん、物件は首都圏だけではなく地方も含まれています。しかし、京畿道の物件でも1396世帯募集に対して96人のみの応募という惨敗だったそうです。

5月は一般的に分譲マンション市場としては繁忙期シーズンではありません。それでも15ヵ所中4ヵ所しか完売していないというのは、韓国における「マンション(不動産)神話」を考えるとやはり「異常事態」です。

 



中央日報の記事からです。

月分譲15カ所のうち4ヵ所だけが完売...興業惨敗に喘ぐ未分譲


(前略)

29日、韓国不動産院の請約ホームによると、今月分譲に乗り出した15の民営住宅のうち、「完売」に成功したのは4ヵ所に過ぎない。28日に請約を締め切った京畿平沢ブレインシティ10ブロック&ネイチャー未来道は1396世帯募集に96人だけが申請した。競争率0.07倍だ。これに先立って、釜山江西区で分譲したエコデルタシティのチュンフンSクラスのエデュリバーは、674世帯の募集の半分(329世帯)も満たせなかった。大宇建設が大邱東区で分譲したベンチャーバレー「プルジオ」は、540世帯の募集に18人だけが申し込み(0.03倍)した。ある建設業界関係者は「いくら地方でも1軍建設会社ブランドアパートとしては衝撃的な結果」と評した。

売れ残りの直撃を受け、企業再生の手続きを踏む中堅建設会社も相次いでいる。「霊武芸ダウム」ブランドを使う霊武土建(施工能力111位)は20日、法廷管理を申請した。同社は今年、京畿道楊州と江原道江陵で売れ残りが多く発生し資金難に陥ったという。

今年6月にも全国に2万4459世帯の分譲物量が殺到する予定だ(リアルトゥデイ)。首都圏1万2773世帯、地方9691世帯だ。竣工後、売れ残りが2000世帯を超える釜山だけで4000世帯を超える分譲物量が出る。

(後略)



中央日報「5월 분양 15곳 중 4곳만 '완판'...흥행 참패에 쌓여가는 미분양(5月分譲15カ所のうち4ヵ所だけが完売...興業惨敗に喘ぐ未分譲)」より一部抜粋

記事では5月を「繁忙期」としていますが、これには少し違和感があります。過去の取引データからも、一般的に5月は取引量がやや減少する「閑散期」と見なすのが普通です。
それを「繁忙期」とする記事は、5月を取引量が増える「春シーズン」に入れることで、記事の主張する「不動産不振」を強調する狙いがあるものと思われます。

まあ、わざわざそんな事をしなくとも、韓国で分譲マンションが売れ残ること自体が「異常事態」ですけどね。