ジム・ロジャーズ氏がイ・ジェミョン候補を「支持した」とか「してない」とかいう話

韓国人はジム・ロジャーズさんが大好きです。本当はウォーレン・バフェットさんが良いんでしょうが、彼はアップルとTSMCと日本商社推しなので韓国企業にはさほど関心を払ってくれませんでした(韓国メディアに「TSMCは買うのにサムスンを買わない」と恨み節の記事が書かれていたことがあります)。

一方のジム・ロジャーズさんは韓国と北朝鮮推しです。以前は中国推しでした。日本サゲはずーっと一貫しています。
正直、どこまで本気なのか疑わしいのですが、過去には「(北朝鮮の経済開放が成れば)全財産を北朝鮮に投資する」と言っていたこともあります。

それはともかく。
そのジム・ロジャーズさんがイ・ジェミョンさんを「支持する」と言った/言ってないで、何やら揉めています。

 



マネートゥデイの記事からです。

英単語の解釈の違い?ジム・ロジャーズ「イ・ジェミョン支持宣言」について真偽をめぐる攻防


世界的な投資家ジム・ロジャースが自分に対する支持を宣言したと、共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補が明らかにしたことについて、政界で真偽をめぐる攻防が熱い。

(中略)

チャン・ドンヒョク国民の力中央選挙対策委員会総合状況室長は2日午前、記者会見を行い「イ候補は国際詐欺大統領候補、ボイスフィッシング大統領候補と見なければならない」として「全国民が国際的恥をかくことになり、国際社会で大韓民国の信頼が墜落した」と主張した。

先立ってイ候補は先月30日、SNSソーシャルメディア)を通じて「米国の事業家であり開城工業団地前理事長だったジム・ロジャースの支持宣言を聞いた」として「彼は平和に投資し、未来に投資し、それで大韓民国に投資しなければならないと話した」と明らかにした。ジム・ロジャースは世界的な投資家ジョージ・ソロスと共にクォンタムファンド(Quantum Fund)を設立した人物で、現在シンガポールに居住している。

ジム・ロジャースの支持宣言文の作成に関与したキム・ジンヒャン元開城工業団地理事長、ソン・ギョンホ平壌科学技術大学教授は2日、直ちに反論に乗り出した。キム前理事長はこの日、報道資料を出し「ジム・ロジャース会長のイ候補支持は事実」とし「ソン教授がジム・ロジャース会長とSNSを通じて支持宣言文を作った」と主張した。

キム元理事長は、「一部のマスコミでジム・ロジャースがイ候補を支持したのではないと報じたのは英単語の解釈の違いによる誤解だ」と主張した。

ジム・ロジャースはイ候補を「support」(支持)すると明らかにしたが、一部マスコミで真偽を把握してジム・ロジャースに使った単語は「endorse」(保証)という説明だ。「support」は公式、非公式に支持、支援するという比較的幅広い意味である反面、「endorse」は公開的かつ公式的な支持意思を意味するということだ。ジム・ロジャースがより公式的責任の意味が込められた「endorse」可否を メディアが尋ねると否認したという主張だ。

(中略)

対話録を見ると、ジム・ロジャースはソン教授が作成した「ジム・ロジャースのメッセージ:韓半島平和と繁栄のためのイ・ジェミョン候補支持宣言」という題名の宣言文草案を共有してもらい、「外国人が言うにしては、あまりにも強い表現ではないか」とし「私は確かに韓国に深い関心があるが、その方(イ・ジェミョン候補)をよく知らない。誰かがその点を指摘するのは良くないだろう」と述べた。

ソン教授はこれを受け入れ「ジム・ロジャースのメッセージ:韓半島平和と機会」に題名を変えた原稿をジム・ロジャースに再度転送した。2番目の宣言文にはイ候補を「支持」するという表現が抜けており、イ候補に対しては「イ・ジェミョン候補の実用的な接近方式に注目している」という水準の言及だけが含まれた。

(後略)



マネートゥデイ「영어 단어 해석 차이?…짐 로저스 '이재명 지지선언' 놓고 진위 공방(英単語の解釈の違い?ジム・ロジャーズ「イ・ジェミョン支持宣言」について真偽をめぐる攻防)」より一部抜粋

うん?支持(support)するとも言ってないってことですよね。
草案を書いた人は「イ・ジェミョン支持」のつもりで書いたのでしょうから「実用的な接近方式に注目」は事実上の「イ・ジェミョン支持」なのかもしれませんが、ジム・ロジャーズさん自身は「イ・ジェミョンをよく知らない」と言っているし、「支持する」という表現が抜けている以上、これで「支持する」は無理がありませんか?
英単語の問題とするのも、ちょっとズレている気がします。

まあ、ジム・ロジャーズさんが何と言おうと、正直どうでもいいと思いますが。


ちなみに、ウォーレン・バフェットさんとジム・ロジャーズさんの決定的な違いは、未来について「断言する/しない」だと思います。
ジム・ロジャーズさんはすぐに「こうなる」と言い切ります。そして彼がそう言ったことで実現したことは...私が知る限りありません。(どういうことを言うのか、こちらで少し垣間見ることが出来ます)
まさに詐欺師の口上です。

ウォーレン・バフェットさんは断言しません。例えばリーマンショックのとき、彼は下がった米国株を買い漁っていたのですが、そのときに「来年どうなるかなんて分からない」と言っています。分からないけど、国が無くならないならいつかは上がるだろう、と。
過去数十年というスパンで見たときに米国株は上がり続けているため、長期投資の観点から合理的な行動と言えます。