徴用訴訟第三者弁済、(当面は)「維持」される見込みという話

イ・ジェミョンさんが大統領就任後のブリーフィングで徴用訴訟の第三者弁済について触れました。

日本メディア(どことは報じられていませんが、関連記事がTBSから出ているようです)の記者が、「前政権の強制徴用問題解決方案(第三者弁済)をそのまま進行するのか」と質問したことに対する返答です。

各メディアは「ユン・ソンニョル政府の解決策を維持」という解釈で記事を書いていますが、記事内に出て来るイ・ジェミョンさんの発言は「そのように解釈できる」というだけで、決して「維持する」とは明言していません。
イ・ジェミョンさんは「外交政策は一貫性が必要だし、信頼問題を考慮する必要がある」「利害関係を調整しながら妥協することもできる」と言っただけです。

 



京郷新聞の記事からです。

イ・ジェミョン大統領、強制徴用第3者弁済「政策の一貫性が重要」...ユン・ソンニョル政府の解決策を維持する考え


イ・ジェミョン大統領は4日、韓日関係について「謝罪することは謝罪し、協力することは協力する合理的な関係になれば良い」と話した。イ大統領が就任後、対日外交基調を明らかにしたのは初めて。

イ大統領は同日、龍山大統領室のブリーフィングルームで初の人選を発表した後、記者団に対し「できるだけ懸案を取り交わさないでほしい」として、このように明らかにした。イ大統領は「実用的観点で互いに役に立つことはして被害が出ることは避ける」として「利害関係を調整しながら適正な線で妥協することもできる」と付け加えた。韓日間の未来志向的な関係発展を追求しながらも、過去史と独島問題には原則的に対応するという既存の「ツートラック」接近方針を再確認したのだ。

この発言は「前政権の強制徴用問題解決方案をそのまま進行するのか」を尋ねる日本メディア記者の話に答える過程で出てきた。「問題解決方案」は、ユン・ソンニョル政府の第3者返済の解決法を指す。イ大統領は「国家関係には政策の一貫性が重要だ。信頼問題があるため、そのような点をひとまず考慮せざるを得ない」と話した。当面は第3者返済の解決策を原点から再検討したり、求償権の行使などこれを無効化する措置を考慮したりはしないという趣旨と解説される。

(中略)

イ大統領は金大中・小渕宣言に言及し「なるべく国家間の合意は守られた方がいい」と述べた。1998年に行われた該当宣言で、日本は「痛切な反省と謝罪」に言及し、未来指向的な韓日関係発展のために努力するという内容が盛り込まれた。

(後略)



京郷新聞「이재명 대통령, 강제징용 제3자 변제 “정책의 일관성 중요”···윤석열 정부 해법 유지 뜻(イ・ジェミョン大統領、強制徴用第3者弁済「政策の一貫性が重要」...ユン・ソンニョル政府の解決策を維持する考え)」より一部抜粋

この件を好意的に見るのはお勧めしません。
韓国は今、経済的にとっても困っています。技術開発の面でも困っています。特に日本の水素関連技術が喉から手が出るほど欲しいはずです。

ですから「今はまだ下出に出ているだけ」と見ておく必要があります。
冒頭でイ・ジェミョンさんが言っていることを思い出してください。「謝罪することは謝罪し、協力することは協力する合理的な関係になれば良い」です。「謝罪することは謝罪し」とは、「謝罪を要求するカード」はまだ持っていると解釈できます。あちらの感覚では「加害者は永遠に加害者」だそうですから。

また、小渕‐金大中宣言にわざわざ触れているのも同じ文脈で解釈できます。
「未来志向的な日韓関係」の土台には日本の「痛切な反省と謝罪」があるべき、という認識が前提となっているということです。

個人的には日本と韓国の関係は「過去史」の中のみで十分です。「未来志向的」な関係性を築くメリットが私には思い当たりません。