不動産PFの公売が急増しているという話

一時期「大変だ、大変だ」と騒がれていた不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)ですが、最近記事になることが減りました。もちろん、問題が解決したから記事にならなくなったわけではありません。単に、一頻り騒ぎ終わったからでしょう。

不動産市場、建設業界の不景気は相変わらずですので不良に陥る事業場は増えています。今年1月から5月までの公売件数は3881件で、不動産PF問題が表面化する以前の2年前と比較すると、およそ2.8倍規模に急増しています。

 



ソウル経済の記事からです。

急増するPF公売・未分譲...「多住宅者、税率軽減などの支援策を実施すべき」


(前略)

8日、韓国資産管理公社のオンビードシステムによると、今年に入って5月まで開札が行われた信託会社の土地売却公売件数は3881件だった。これは昨年同期(2537件)より53%増加した数値だ。2年前と比べては2.8倍増えた。

(中略)

金融監督院(金監院)によると、事業性の悪化を受け売却を推進している不良PF事業所は今年1月の195ヵ所から5月は356ヵ所へと増加した。業界では今年末には1000ヵ所に迫るものとみられる。

(中略)

PFだけでなく、竣工後の売れ残り住宅も増加傾向にある。国土交通部によると、4月末基準で竣工後の売れ残り住宅は11年8ヵ月ぶりに最大規模の2万6422世帯まで増えた。

(中略)

今年に入って、施工能力評価58位の新東亜建設をはじめ、サンブ土建(71位)、大宇造船海洋建設(83位)、大興建設(96位)、テジョ建設(103位)、サムジョン企業(114位)、イファ工営(134位)、安康建設(138位)、碧山エンジニアリング(180位)などが企業回生手続きに突入した。

建設業界の不況は経済成長率の悪化につながっている。中央銀行の韓国銀行(韓銀)によると、今年の建設投資はマイナス6.1%の逆成長を示す見通しだ。建設投資は昨年マイナス2.7%を記録し、国内総生産GDP)成長率を0.4%ポイント引き下げたと評価されたが、今年は成長率を0.9%ポイント引き下げるものと懸念される。

(中略)

建設業界はこれに対し、経済成長率の向上と地域建設景気の回復のために強力な税制支援策が必要だと指摘する。イ・ジェミョン大統領は大統領選挙公約として「地域経済根幹である建設景気回復」を提示した経緯がある。建設業界はこれに対し、多住宅者の取得税減免と譲渡税5年間の免除などを通じて、地方の売れ残り住宅の解消が必要だという立場だ。

(中略)

光云大学校不動産法務学科のソ・ジンヒョン教授は「長期悪性未分譲住宅が増えているが、この問題を解消してこそ地域建設景気回復が可能だろう」とし「政府財政で地方未分譲住宅を買い入れることはできないだけに市場でこれを消化するよう税制支援方案が必要だ」と指摘した。



ソウル経済「급증하는 PF 공매·미분양…"다주택자 稅경감 등 지원책 펴야"(急増するPF競売・未分譲...「多住宅者、税率軽減などの支援策を実施すべき」)」より一部抜粋

「不動産神話再び」ということなんでしょうけど、既に家計債務が膨れ上がった状態ですから劇薬になりかねません。

そもそも分譲マンションが「完売」するのが当たり前という状況を維持し続けるには、韓国の人口減少速度的に無理があるかと思うのですが...。イ・ジェミョン政権のお手並み拝見といきましょうか。