DSR規制強化に先駆け、信用融資を年収以内に制限する家計負債管理強化方案が発表された話

韓国金融当局が、「家計負債管理強化方案」として信用貸付の限度額を年収以内に制限する案を出しました。

韓国で今問題となっているのは住宅ローンの方なのに、なぜだろう?と思っていたら、なんと韓国では信用融資を住宅ローンの「穴埋め」や「一部」として使うことがよくあるのだそうです。
住宅ローンを組む前に信用貸出を受けておけば、審査のタイムラグを突けるので住宅ローン申請のDSR規制に信用貸出の残高が反映されないのだとか。

これにより、例えばDSR規制で本来2000万しか借りられない人が、別途信用貸出で1000万借りることが出来れば、計3000万の資金を住宅購入に充てることが出来るようになる...多分、そういう仕組みです。資金力が不足している、でもどうしても家が欲しい切実な人たちの生活の知恵、と言えば聞こえは良いですが、要は身の丈に合わない負債を抱え込んでいると言えます。

金融当局は7月にDSR規制3段階目が施行されるのに先駆け、信用貸出の金額制限を「年収以内」とすることで住宅ローン目的での利用を止めようというわけです。

 



ソウル経済の記事からです。

信用貸付も半分に...年収以内に制限


(前略)

金融委員会は27日「家計負債管理強化方案」を通じて信用貸出限度を借主別年所得以内に制限すると明らかにした。適用は28日からだ。金融委関係者は「週末の間にインターネットで申請しても窓口受付が来週になれば強化された基準に従わなければならない」と説明した。

信用貸出は用途制限がなく、別途の担保なしに早く実行される特性上、不動産資金需要者には最後のパズルのように使われてきた。伝貰貸出や住宅担保貸出でも資金が不足した場合に信用貸出で穴埋めする方式だ。総負債元利金償還比率(DSR)規制の隙間に入り込んだわけだ。住宅ローンの申請前に信用融資を先に受けておけば、信用融資がDSR算定に反映されなかったり、一部だけが反映され、相対的に多くの金額の融資が可能な構造だ。ある市中銀行関係者は「住宅購入過程で信用貸出を活用して残金を調整する場合が大部分」と伝えた。

(中略)

これに伴い、既に信用貸出を含め資金計画を組んだ実需要者は戦略修正が避けられなくなった。特に中低価格住宅を購入しようとする無住宅実需要者の場合、資産余力が十分でないだけに信用貸出依存度が相対的に高い方だ。伝貰貸出と住宅担保貸出で足りない資金を補完するのに信用貸出を活用してきた人たちには貸出余力が減るわけだ。金融界関係者は「自己資本余力が不足した無住宅実需要者は信用貸出を最後の資金手段として活用してきた」として「彼らの資金調達に現実的負担になりうる」と話した。政府が一括的な年所得基準を適用し、高所得者を除く相当数の借主はいわゆる「多額の融資」が事実上難しくなったという分析だ。



ソウル経済「신용대출도 반토막…연소득 이내로 제한 [6·27 부동산대책](信用貸付も半分に...年収以内に制限)」より一部抜粋