韓国が外貨準備高を積めなくなっています。
本日、韓国銀行より発表された「2025年6月末外貨準備高」によると、前月比で約56億増加の4102億ドルと発表されていますが、この増加分はドル安の影響と運用益によるものです。
韓国の外貨準備高推移を見ると、2018年に4000億ドルを超えた後、最高額は2021年の4632億ドル。以降は2022年に4233億ドル、2023年に4209億ドル、2024年に4159億ドルと減少し続けています。
朝鮮Bizの記事からです。
韓国の外貨準備高4102億ドル...ドル安で3ヵ月ぶりに反発
(前略)
3日、韓国銀行が発表した「2025年6月末の外貨準備高」によると、先月末基準の外貨準備高は4102億ドルで、前月末(4046億ドル)より56億1000万ドル増えた。3カ月ぶりの反発で、上げ幅は2023年1月(+68億1000万ドル)以来最大だ。
外貨保有高の増加は米ドル安によるその他通貨外貨資産の米ドル換算額の増加と運用収益の増加の影響だ。
(中略)
詳細を見ると、外貨保有高の大半を占める米国債や政府機関債、社債などの有価証券は3585億ドルで前月(3599億7000万ドル)より14億7000万ドル減少した。反面、預置金は265億4000万ドルで68億6000万ドル増えた。
SDR(特別引出権)は前月(156億8000万ドル)より2億1000万ドル増加した158億9000万ドルだ。IMFポジションは44億7000万ドルで、前月(44億6000万ドル)より1000万ドル増加した。金は47億9000万ドルで直前の月と同じだった。
主要国との順位を比較できる韓国の外貨準備高は5月末基準で4046億ドルで10位を記録した。
(後略)
朝鮮Biz「韓 외환보유액 4102억弗… 약달러에 석 달 만에 반등(韓国の外貨準備高4102億ドル...ドル安で3ヵ月ぶりに反発)」より一部抜粋
こういうのを「反発」と言って良いのか分かりませんが...。
それはともかく、韓国が外貨準備高を積めなくなっているのは確かです。WGBIに期待したり、MSCIの先進国指数入りを渇望するなど、外的要因によって外貨が流入してくる希望的観測を思い描く姿からもそれが伺えます。
ただ、MSCI入りは不発でしたし、観察対象国からも外れてしまいましたから来年もありません。
75兆~90兆ウォン規模の外貨流入が起こると期待されたWGBI編入も、来年4月にお預けになりました。
その影響もあってか、韓国銀行は「キムチ債」への外国為替取扱機関の投資を緩和する方針を発表しました。
「キムチ債」とは、韓国国内で発行される外貨建て債券です。これを外国為替取扱機関全般に開放することで外貨を集めようという案です。特にターゲットは外資系の投資機関や投資家でしょう。