韓国補正予算、国防予算を905億ウォン削っていた話

韓国の補正予算が決定し、景気よくバラまかれる消費クーポンや徳政令の財源のために赤字国債が発行されることになりましたが、その裏で実は安保関連の予算は905億ウォン程削られていたそうです。

その一方で、ユン・ソンニョル政権時代に廃止された大統領府の特別活動費は復活となり、優先順位がオカシイじゃないか、との指摘が野党から出ています。

 



毎日新聞の記事からです。

国民の力「イ政権、全国民に現金散布のため国防予算905億削減」


(前略)

6日、パク・ソンフン院内報道官は論評を出し「国民の力は安保を犠牲にする無責任な補正予算編成とこれを隠蔽した共に民主党の形態を強力に糾弾し断固として対抗する」と主張した。

パク院内報道官は「GOP監視体系性能改良、特殊作戦用拳銃、機動阻止弾、移動型長距離レーダー、官舎および幹部宿舎新築予算まで、国民の生命と安全を守る戦力運営費と防衛力改善費が補正予算の犠牲になった」と指摘した。

続けて「本当に財源が必要だったとすれば民主党が必要ないと言った大統領室の特活費復活から撤回するのが道理だったが、イ・ジェミョン政府は国防戦力強化予算に手を出した」として「さらに荒唐無稽なのは、この事実を民主党とイ・ジェミョン政府が国会国防委に事前説明さえせずに予算決算委交渉終盤まで事実上隠蔽したということ」と話した。

(中略)

パク院内報道官は「イ大統領の『平和が経済』という言葉は、結局国防予算を抜いて現金を散布するということだったのか」とし「北韓は核能力だけでなく固体燃料ICBM、核推進潜水艦など5大戦略兵器を急速に増強しており、ウクライナ戦争派兵を通じて実戦経験まで積んでいる状況」と話した。

続けて「こういう時に必要なのは『強くて有能な軍隊』」とし「ところがイ・ジェミョン政府はそのような軍隊を作る予算を削り、創軍以来初めて6ヵ月の防衛兵服務経験のみの国防部長官候補者を指名した」と批判した。

また「この程度なら大韓民国国民の生命と財産を守る最後の砦である安保を事実上放棄したも同然だ」とし「国家安保は政権のばらまき予算を充当する『ATM機』ではない」と話した。

(後略)



毎日新聞「국힘 "李정부, 전 국민 현금 살포 위해 국방예산 905억 삭감"(国民の力「イ政権、全国民に現金散布のため国防予算905億削減」)」より一部抜粋

強盗に入られると思って警備を厳重にするから強盗はあなたに危害を加える、初めから「丸腰です!」とハンズアップすれば強盗はあなたに危害を加えない……極端な解釈ですけど、防衛予算を削れと言う人の理屈って私にはこのように聞こえてしまうんですよね。
現実は逆でしょう?セキュリティが厳重なら強盗は避けますよね?リスクが高いですから。(よほどの私怨があれば別でしょうが)
安保とは、このように「手を出したら自身も無事では済まない」と相手に思わせることで均衡を保つのが基本ではないのでしょう?

そういえば、過去の朝鮮半島の処世術として「何も無い」ことを上げているものを読んだ覚えがあります。書名などは忘れてしまいましたが...趣旨としては、半島を支配下に治めても何か特産品があるわけで無し技術があるわけで無し、誰も得をしない取るに足らない存在でいることで大国(中国)の軍事的脅威に晒されるリスクを避けていた、とする説です。

この説が正しいのかどうかは私には判断できませんが、イ・ジェミョンさんにしろ、日本の左翼にしろ「取るに足らない存在」「無害」アピールをすることでリスクが避けられると考えている人の思考は、これと似たようなもんじゃないでしょうか?
無抵抗に相手が欲しがっているものを進んで差し出せば安全、取られるものが無くなれば襲われることもない、それで良いじゃないか、と。

でも、本当にそれは「安全」なんでしょうか?世の中には「無抵抗の奴には何をしても構わない、奴らに人権などない」と考える人はいくらでもいます。そういう連中に「無抵抗」で居ることは、相手の行動を「肯定」しているのと同義になり、ますます増長させることになります。