日本では取り上げているメディアを見た覚えがないのですが、韓国メディアでは最近また「日韓FTA」が取り上げられています。「日韓経済同盟」や「日韓版シェンゲン協定」に近いノリを感じます。
CPTPP加入を再推進するという話も出ていて、FTAはそれに絡んで出てきたという印象です。
で、今回も何ら具体的話が出ていない中で勝手にFTAを取り上げて「FTA締結されると対日貿易赤字が拡大する。対策が必要」と言い出しています。
一応、去年の5月の日中韓サミット共同宣言内で「FTAの実現に向け、交渉を加速していくための議論を続ける。」という文言が入っていますけど、その後1年経っても具体的に何も話が進んでいません。交渉再開の目途も立っていないのに一体何をどう対策しろというのでしょう?
KBSの記事からです。
「韓日FTA締結時、対日貿易赤字拡大の可能性が高い...対策が必要」
(前略)
産業研究院は今日(13日)発刊した「産業経済イシュー韓日FTA推進時に予想される影響と示唆点」報告書で、韓日FTAが推進される場合、商品開放は包括的・漸進的環太平洋経済連携協定(CPTPP)水準に従うものの、敏感な分野は除くか、別途交渉する方式になる可能性が高いとの見通しを示しました。
CPTPP加盟国の関税即時撤廃の割合は80~100%水準です。
韓日FTAがCPTPP水準で締結される場合、自動車、石油化学、電子製品などの輸入増加が予想されると報告書は分析しました。
日本向け輸出の場合、一部の化学やプラスチック製品を除けば、関税率の引き下げで期待される輸出増大の効果が制限的で、韓国の貿易収支の赤字規模が拡大する可能性が高いと報告書はみています。
(中略)
報告書は「韓日FTA締結に伴う貿易赤字の拡大が及ぼす否定的な影響に対する備えが必要だ」としながらも、ただ「韓日FTAの経済的影響は単なる貿易収支の増減に対する選好を越え、消費者、企業など経済主体の消費・生産活動、厚生に及ぼす影響などを総合的に見る必要がある」と提言しました。
産業研究院のチェ・ジョンファン副研究委員は「韓日FTAは韓日の製造業分業構造と再編されるグローバルサプライチェーンの中で両国のサプライチェーンの安定化に寄与し、新通商議題の協力を促進する制度的装置になり得る」とし「両国間で発生しうる経済的葛藤に対する予防および緩衝装置の役割も期待される」と述べました。
韓日政府は2003年のFTA締結に向けた1回目の交渉から翌年まで6回交渉を進めていましたが、中断しています。その後、交渉再開を模索しましたが、2012年を最後に協議が途絶えました。
(中略)
しかし最近、米中間の覇権競争などで保護貿易主義が強化され、一部で韓日間の経済協力とFTA締結の必要性が再び提起されています。
去年、韓国の対日本輸出は296億ドル、輸入は475億9千万ドルで、それぞれ世界の輸出と輸入で4.3%と7.5%を占めています。
(後略)
KBS「“한일 FTA 체결시 대일 무역적자 확대 가능성 커…대비책 필요”(「韓日FTA締結時、対日貿易赤字拡大の可能性が高い...対策が必要」)」より一部抜粋
「交渉再開を模索しましたが、2012年を最後に協議が途絶えました」に加えて、引用記事からは省略しましたが、日中韓FTAも2019年に交渉が中断されている点にも触れています。
日中韓FTAについて外務省は「日中韓FTAでは、いかにRCEP協定よりも高いレベルのルールを含めるかが争点となっている。」と公式見解を出しています。
日中韓FTAが進まないのはこれが全てだと思います。中韓は日本に対してRCEPより付加価値のある交渉が出来ないってことでしょう。それが出来るならFTAなんてまだるっこしいことせずにCPTPP加盟を申請しているでしょうからね。