米韓関税交渉の合意のための合意というよく分からないステップですが、米国は韓国が要求している通貨スワップには応じないとのことです。
副首相兼企画財政部長官のク・ユンチョルさんは財務長官のベサントさんと会い、外国為替の都合上、韓国に前払いは難しい点を伝え、米政府関係者に「韓国の立場を伝えて欲しいと要請」したそうです。
APEC前後に「交渉妥結目標」と言っていましたけれど、10月も半ばを過ぎてまだ「韓国の立場を分かってもらう」段階というわけです。
聯合ニュースの記事からです。
ク・ユンチョル「3500億ドルの早期前払いが米国の立場...トランプ説得の不確実性有り」
ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官は16日(現地時間)、韓米貿易交渉の終盤争点である3500億ドル(約500兆ウォン)の対米投資「前払い要求」と関連し、韓国政府の憂慮事項を米国側に伝えたが、ドナルド・トランプ大統領を説得できるかは未知数だという立場を明らかにした。
(中略)
ク副総理は「実務長官は(全額前払い投資が難しいという韓国政府の立場を)理解しているが、どれだけ大統領を説得してトランプ大統領がこれを受け入れるかという部分は本当に不確実性がある」と明らかにした。
ク副首相は、スコット・ベサント米財務長官と前日会い、対米投資前払い要求が韓国外国為替市場の安定性を害する恐れがあるという懸念を伝えた。
ク副首相は「外国為替の事情で韓国がそうするのは難しいということをベサント長官に話し、ベサント長官は韓国が一度に前払いで出すのは難しいということを知っている」とし「ベサント長官にハワード・ラトニック商務長官など政府内部に(韓国の立場を)話してほしいと要請し、自分が十分に説明するという肯定的な回答を受けた」と話した。
(中略)
3500億ドルの投資時期を最大10年に分割し、ウォンで投資金を調達する方案を両国が議論中だという一部報道に対しては「初めて聞く話」と明らかにした。
(後略)
聯合ニュース「구윤철 "3천500억불 조기선납이 美입장…트럼프설득 불확실성有"(ク・ユンチョル「3500億ドルの早期前払いが米国の立場...トランプ説得の不確実性有り」)」より一部抜粋
一部、投資金を「ウォンで受け入れる」という真偽不明な報道が出ています。普通に考えてそれはあり得ないと思うのですが...だって、米国がウォンで受け取ったとして、それを投資する際にはドル転しないといけませんからね。
韓国の「3500億ドル前払い」に認識の齟齬があるのではないか、とちょっと思っていたりします。
確かにトランプさんが以前「Japan and Korea will pay billion 'upfront'」と発言した報道がありますが、日本は実際の所「前払い(upfront)」ではありません。2029年1月19日までの間に合計で5500億ドル相当の対米投資を随時実施する、というのが要旨ですので「一括」でも「前払い」でもありません。日本と条件を揃えるなら、韓国も同様になっていると思うのですが...。
それと「10年間分割」というのは悪手かもしれません。
日本が「2029年1月19日」を期限としているのは米国の政権交代を意識した外交的・実務的配慮の結果だからです。
つまり、現政権下でのみ有効な枠組みということです。これは現政権の「政治的成果」に出来ます。(それに、次期政権では関税が戻る可能性があります。そうなれば対米投資のカードを切り続ける意味が無く、手元に戻しておきたいでしょう)
トランプさんの性格を考えれば、こうした「花を持たせる」ことも効果的でしょう。
「韓国の立場」を分かって欲しいなら、「米国の立場」を分かってあげる努力(態度)が カギになるのでは?