米韓関税交渉、文書の草案すら作成出来ない状態の話

当初、韓国はAPECを目途に米韓関税交渉合意の妥結を掲げていました。APECで行われる首脳会談で発表すれば注目度が高いですし、成果としてインパクトに残る、という腹積もりだったのでしょう。が、公式にAPECでの妥結は「無理」との見方を示しました。

大統領室政策室長は先日の訪米の際、記者団に対して「1、2件ほど両国の立場が拮抗している分野がある」と話していました。しかし現実には合意内容の草案すら作れない状態なのだそうです。
恐らく、「1、2件」とボカして表現された対立箇所が合意内容の核心部分だからでしょう。ずっと争点とされてきた「3500億ドルの内訳と投資期間」です。

 



毎日新聞の記事からです。

文書草案すら完成できなかった韓米関税交渉、妥結難航...韓国経済への衝撃は避けられない


(前略)

ウィ・ソンラク国家安保室長は26日、「安保分野では概ね文書作業も行われており、関税分野は完結するかどうかは分からないが努力している」とし、交渉の膠着を認めた。彼は「安保分野では共通文句が了解されたが、関税分野はまだ共通文書まで至っていない」と明らかにした。

産業通商部のキム・ジョングァン長官も24日、国会産業通商資源中小ベンチャー企業委員会の国政監査で「韓米関税交渉が予想より時間がさらにかかることもありうる」と示唆した。キム議員は「イ・ジェミョン大統領がCNNとのインタビューで、関税交渉妥結まで時間がかかる可能性がある」と言及したことが事実かと聞くと、「そうだと思う。現在は正しい」と答えた。

(中略)

両国が「投資と関税引き下げ」という大きな枠組みには共感しながらも文案草案さえ完成できなかったことは妥結難航の断面を示している。チェ・ビョンホ釜山大学経済学科教授は「韓米首脳会議の結果書も見たように、最終的に文書化されるまでは何も確信できない」と憂慮した。

(中略)

たとえ交渉が妥結しても安心するのはまだ早い。米国は貿易拡張法232条を根拠に鉄鋼・アルミニウムに最大50%の関税を維持しており、半導体・バッテリーなど韓国主力産業に対する品目別関税賦課の可能性も依然として開かれている。トランプ大統領半導体に「最大100%関税」を示唆しただけに、追加通商圧迫の可能性も排除できない。



毎日新聞「문서 초안조차 완성 못한 한미 관세협상, 타결 난항…한국 경제 충격 불가피(文書草案すら完成できなかった韓米関税交渉、妥結難航...韓国経済への衝撃は避けられない)」より一部抜粋

今月の16日には副首相兼企画財政部長官のク・ユンチョルさんがベサントさんに会い、3500億ドルの前払いは韓国には難しいということを伝えています。
その際、ベサントさんは韓国に一括前払いは難しいことを「知っている」と答え、ラトニックさんなど米政府関係者に「(そのことを)十分に説明する」と返答したと韓国メディアは報じていました。

しかし、その後も交渉は前進していません。どう解釈すれば良いでしょう?
そもそも「一括前払い」ではない?それとも、米国は交渉を妥結しようと思っていない?