米韓関税交渉が土壇場でまとまったそうです。米韓首脳会談直後に韓国メディアは「ノーディール」と報じていましたが、外信が速報で報じました。
散々揉めていた3500億ドルの内訳は「現金2000憶ドルを年間200億ドル上限で分割」+「造船業協力1500億ドル」だそうです。造船業協力が具体的に何をするのかは分かりませんが、現金2000億ドルの方は年間上限が200億ドルに制限されるということは、10年間の投資になるということです。これが吉と出るか凶と出るか。(日本は上限5500億ドルを「随時」ですが、有効期限は2029年1月19日まで。つまり現政権期間中のみ有効)
民主党政権内部からは「素晴らしい」とイ・ジェミョンさんをひたすら持ち上げる声が上がっています。
しかし、一部から「あれ?米韓で説明違くね?」というところも散見されるようです。もはや恒例行事です。
聯合ニュースの記事からです。
関税交渉「半導体・農産物」、韓米が異なる説明?両者の立場を見てみると
(前略)
ハワード・ラトニック米商務長官が前日の合意内容を紹介し「半導体関税は今回の合意の一部ではない」、「韓国が市場100%完全開放に同意した」としたが、これは前日大統領室が発表した内容と背馳するという主張だ。
しかし韓国政府は前日の発表は韓米間合意内容をそのまま反映したものとし、ラトニック長官の言及もやはり「異見露出」と規定しにくいという立場を示した。
まず、半導体関税の場合、キム・ヨンボム大統領室政策室長は前日「競争国である台湾と比べて不利でない水準の関税が適用されることにした」と紹介した。
しかし、ラトニック長官はこの日、Xに掲載した文で「半導体関税は今回の合意の一部ではない」と明らかにし、好奇心を掻き立てた。
これと関連して大統領室関係者は「キム室長は両国の合意内容を土台に発表をした」とし、前日紹介した合意内容が明らかな事実だと繰り返し確認した。
政府の他の関係者も「台湾より不利でない関税を保障されたのが正しい」として「直ちに明文化されなくても今後の半導体関税の具体的協議過程でこのような合意内容が反映されるだろう」と説明した。
続けて「まだ米国と台湾の半導体交渉も終わっていない状況」とし「この時点で『台湾事例』を摘示して韓米間合意文書を作ることは現実的にも難しい」と話した。
(後略)
聯合ニュース「관세협상 '반도체·농산물' 韓美 다른 설명?…양측 입장 살펴보니(関税交渉「半導体・農産物」、韓米が異なる説明?両者の立場を見てみると)」より一部抜粋
韓国側の説明、もっとなんとかならなかったのでしょうか?国内向けに「成果アピール」を頑張るあまり、ボロが出てしまっています。
米国(ラトニックさん)が述べたのは今回の合意内容に「半導体関連は含まれていない」との事実だけです。
一方で韓国は「台湾より不利にならない待遇を得た」としています。その上で、「米国と台湾との交渉がまだ終わっていないから明文化できないだけ」と。
この説明は完全に矛盾してます。米国と台湾はまだ交渉が終わっていません。つまり「まだ決まっていない条件」より韓国が「不利にならない」と言っているわけです。
これについては恐らく、米国との交渉の過程で「台湾との交渉終了後、条件を同程度に調整する」という言質(非公式レベルの意思確認・了解事項)があったのだろうと推測します。
なるほど、それなら矛盾とは言えないのかもしれません。
とはいえ韓国は馬鹿正直にこんな発信をすべきではありませんでした。少なくとも「台湾」に言及すべきじゃなかったと思います。
なぜなら、ここから窺い知れるのは米国が「半導体分野の関税枠組みでは台湾を基準に位置付けている」ということだからです。
先に韓国との間で半導体分野の条件を決め、それをベース案に台湾と交渉することも出来たはずなのに、それをしなかったのですから。
言い換えれば、韓国は半導体分野での関税交渉において「イニシアチブを持っていない」と白状したようなものです。
韓国は国内向けに「成果アピール」を頑張るあまり、余計なことを言ってしまいました。米国のように「半導体関連は含まれていない」とするか、「まだ明文化できるレベルになく、いくつか調整事項が残っているが、悪い条件ではない」程度の発信に留めておく方が良かったでしょう。