ウォンが 1ドル 1465ウォンの安値水準に張り付いています。輸出国家である韓国にとってウォン安は有利ですが過ぎれば毒です。
ウォン安の要因の一つとして、個人投資家による米証券市場への投資急増が挙げられています。韓国から見ればこれは資金流出なので、ウォン安ドル高の動きになります。
「西学アリ(海外市場へ投資する韓国の個人投資家)」に言及される機会が度々あり、韓国銀行総裁のイ・チャンヨンさんも最近、「海外株式投資が流行のように大きくなることが心配される」と話したとかなんとか。
その一方で、来年 1月 1日から国内証券取引税を 0.15→ 0.20%に引き上げられることになっています。
日本をはじめとして、主要国において「取引税」はありません。譲渡益が発生したときに課税されるのが一般的です。
日本だと一律「20%」で、損失が発生したときは課税対象になりません。(確定申告を行えば 3年繰り越して控除を受けられる)
しかし韓国の場合、税が課せられるのは「取引」行動に対してなので、利益が出ようが損失が出ようが課税されることになります。なんか納得いきませんよね?しかもそれが引き上げられるというのです。
The Factの記事からです。
「ウォン安ドル高を西アリのせいにしていたのに...」証券取引税の引き上げに海外資金流出の加速化を懸念
(前略)
2日、金融投資(IB)業界によれば、企画財政部は1日、証券取引税率引き上げのための「証券取引税法施行令」と資本準備金減額配当課税範囲を調整する「所得税法施行令」改正案を立法予告した。証券取引税法施行令改正案は現行税率を 0.05%ポイント(p)引き上げる内容で、来年 1月 1日以降の譲渡分から適用される。
これによって、コスピ(農漁村特別税含む)とコスダックの取引税率はそれぞれ 0.15%から 0.20%に引き上げられる。
(中略)
このような措置に投資家の間では不満が広がっている。あるオンラインコミュニティの投資家 A氏は「借金してでも投資しろと言っていたのはいつで、コスピが上がり始めたら今度は税金をもっと取るつもりなのか」と批判した。また別の投資家は「損失が出ても税金を払わなければならないならば、むしろ米国株式に投資する」と話した。
(中略)
主要先進国と比較しても韓国の課税方式は異例だという指摘が出ている。OECD主要国の大多数は証券取引税を施行しない代わりに譲渡所得税中心に課税体系を運用する。米国は保有期間 1年を基準に短期保有者には最高 37%まで総合課税し、長期保有者には 0~ 20%の分離課税率を適用する。日本とドイツも取引段階で税金を課さず、約 20%台の譲渡税を一括適用している。
一方、韓国は株式売買金額そのものに税金を課す構造を維持している。損失が発生しても税金が賦課される現構造に対して「グローバルスタンダードに逆行する」という批判も出ている。
特に政府が最近ウォン・ドル為替レート急騰の原因の一つとして海外株式に投資する「西学アリ」増加に言及した状況で、今回の取引税引き上げがむしろ海外投資の偏りをさらに煽りかねないという憂慮も提起されている。ある証券会社研究員は「政府がソハクアリ増加を為替レート不安要因として名指ししておきながら、国内取引税を上げることは自ら国内投資誘引を落とす措置」として「短期的には海外純買収拡大、長期的には国内資本市場体質弱化につながりかねない」と話した。
(中略)
先月、個人の海外株式の買い越し規模は 9兆 5000億ウォンで歴代最大値を記録した。ハナ金融研究所によると、個人投資家の海外株式取引金額は 2019年 410億ドル(約 60兆ウォン)から昨年 5308億ドル(約 778兆ウォン)に急増し、外貨預金も今年 6月 11兆 4000億ウォンまで増加した。
(後略)
The Fact「"고환율 서학개미 탓하더니"…증권거래세 인상에 해외 자금 유출 가속화 우려(「ウォン安ドル高を西アリのせいにしていたのに...」証券取引税の引き上げに海外資金流出の加速化を懸念)」より一部抜粋
訳からは省略したのですが、専門家の 1人の話として「税率が上がれば短期売買が委縮し市場の流動性が落ちる恐れがある」というのがありました。
それでふと思ったのですが、もしかしたら「短期売買抑制」を狙った措置かもしれません。
韓国の個人投資家の特徴として「グロース株大好き」が挙げられます。特に「ハイテク成長株大好き」です。
また、短期売買比率が非常に高い傾向があるそうです。しょっちゅう暴騰・暴落を繰り返すのもテーマ株(話題株)に飛びついて短期売買を繰り返すからでしょう。
こうした、ある種「衝動的」とも言える売買を抑制する効果を狙っている可能性があるかもしれません。