一部でまたCPTPP加盟話が持ち上がっています。
なんか「加入のカギを握る日本の反応が以前と違ってポジティブだ」とか、よく分からないことを言っています。
別に日本は加入のカギは握っていません。全加盟国が加入のカギを握っています。一カ国でも拒否すれば加盟できないとは、そういうことです。
色々と韓国に対する「メリット」や、加盟した場合の「デメリット」の話は出ているのですが、加盟のために「韓国が満たすべき条件(ハードル)」の話はほとんど出てきません。
分かっているのかいないのか...本気で最大のハードルは「日本の同意」と思っている節があります。それさえなければ、韓国が「入る」と決断すればそれでクリアだと思っているんでしょう。
ニュース1の記事からです。
トランプの関税位脅威により「CPTPP」加入が再燃...韓日実務協議の開始
(前略)
1日、通商当局などによると、韓国のCPTPP加盟再推進に関して日韓両国間で実務的な協議が始まった。これは先月14日に日本を訪れたイ・ジェミョン大統領と高市早苗日本首相の首脳会談の後続措置であり、両国はCPTPP加盟問題を巡る協力の可能性を具体的に検討していると伝えられている。
(中略)
以前とは異なり、加入の鍵を握る日本の反応もポジティブな方だ。CPTPPは加盟国が全会一致で加盟国を承認する仕組みである。2021年、ムン・ジェイン政権下で我が国は初めてCPTPP加盟検討方針を公式化したが、加盟申請には至らなかった。当時、最大の障壁は国内の農漁業界の反対と日本側の反対姿勢などが影響したとされている。
これに関連して、ウィ・ソンラク青瓦台国家安保室長は先月14日の韓日首脳会談の結果のブリーフィングで「韓国の基本的なアプローチの方向性について話し合い、前向きなトーンで議論が行われた」と述べた。
(中略)
CPTPPは日本、オーストラリア、カナダ、シンガポールなど太平洋沿岸の12か国が参加する多国間貿易協定で、加盟国間の広範な市場開放と通商規範の統一を目指している。韓国がCPTPPに加盟すれば、関税撤廃率が大幅に上昇し、世界の国内総生産(GDP)の約15%を占める加盟国市場へのアクセスが改善されると期待されている。
ただし、懸念も少なくない。CPTPP加盟国にはオーストラリア、カナダ、ニュージーランドなど農畜産物の競争力が高い国々や、日本などの水産強国が多数含まれており、農水産物市場の開放拡大に伴う国内産業への影響の可能性が指摘されている。
加入の必要性を主張する側は急変する通商環境を背景に挙げている。代表的な要因はいわゆる「トランプリスク」である。韓米両国は昨年11月、3500億ドル規模の対米投資を条件に、アメリカが韓国産自動車に課した関税を25%から15%に、相互関税も15%に引き下げることで合意した。
しかし、28日、トランプ大統領は当時の合意文に含まれていなかった「韓国国会の立法遅延」を問題視し、対米投資の履行が遅れているとし、再び25%の関税引き上げを言及している。
(中略)
農村経済研究院によると、CPTPP加盟国の農産物の平均関税撤廃率は 96.3%で、韓国がこれまで締結したFTAの農業部門の平均関税撤廃率(72.0%)を大きく上回っている。加盟が現実化すれば、農業の開放レベルが一段階上がることは避けられないというのが農業界の判断である。
特にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、イギリスなどの主要加盟国が世界的な畜産大国であることから、畜産物の追加開放圧力は避けられないと予想される。
一方、アメリカのトランプ政権による通商環境の変化に対応するため、CPTPP加入手続きを早急に再開すべきだという声も高まっている。
韓国貿易協会は最近発表した報告書『攻撃される自由貿易、主要国のFTA議論の動向と示唆』で、韓国が内需市場が小さく対外貿易依存度が高い構造であることを強調し、新規FTA締結よりも既存FTAの改善・補完を通じた対応戦略が有効であると分析した。
韓国の過去5年間のFTA締結国への輸出は年平均5.1%増加し、世界全体の輸出増加率(4.7%)やFTA未締結国の輸出増加率(3.7%)を上回った。 これはFTAが韓国の輸出を安定的に牽引した結果と解釈される。
(後略)
ニュース1「트럼프 관세 위협에 'CPTPP' 가입 재점화…한일 실무논의 착수(トランプの関税位脅威により「CPTPP」加入が再燃...韓日実務協議の開始)」より一部抜粋
「合意文に含まれていなかった『韓国国会の立法遅延』を問題視」と、まるで韓国に落ち度はないかのように書いていますが、問題はそこ(立法の遅れは合意内容に含まれていない)ではありません。
「合意内容を履行するために必要な改正法案の立法が遅れている=合意内容の履行が遅れている」、さらに政府要職者が外信とのインタビューで「上半期の対米投資は無理」と取れる発言を行うなど「合意履行の意思なし」と米国に受け取られてしまったことが問題なわけです。