ポーランド「今までは純粋な顧客やったけど、これからは自分らでも作って売りたいねん。うちに装備売るつもりなら、技術移転と現地製造投資もセットで頼むで。無理やったらヨソと組ませてもらうわ」という話

韓国は防衛産業に力を入れています。
特に、欧州での市場シェア拡大を目指していて、その足掛かりとしてポーランドとの取引を重要視しています。

ロシアの飛び地と国境を接するポーランドは、ロシアーウクライナ事態の当初から武装強化を進めていました。また、ポーランド自身もNATOの協力の枠組みでウクライナへの装備援助を行っていたため、それらの穴埋めも併せて行う必要がありました。
しかし、米国製の兵器はウクライナに優先供与されることとなったために供給まで時間が掛かります。そんな中、魅力的な価格・納期を提案してきた韓国製装備が大規模導入されることとなりました。

韓国としてはチャンスだったでしょう。
ポーランドとの契約のために韓国輸出入銀行の上限規制(同一借り手に対する融資・保証の上限は自己資本の 40%まで)を変更し、追加融資を可能にする案が国会で審議され本会議可決されました。

それだけ力の入れようが違ったということなのですが...最近、外信とのインタビューでポーランドの大臣が「ポーランドは単なる組み立て工場ではなく、技術移転を受けてグローバルサプライチェーンの一部になるべきだ」と言い出したとのこと。韓国メディアはこれを「武器を売りたいなら投資せよ」と解釈しています。


 

ソウル新聞の記事からです。

K防衛産業大口顧客のポーランド「われわれは純粋な顧客ではない...武器を売りたいなら投資せよ」

(前略)

コンラート・ゴワタ・ポーランド国有資産部副大臣は、現地時間の 17日、ブルームバーグ通信のインタビューで「単なる組立てラインの誘致に満足しない」とし「技術移転が必要で、グローバルサプライチェーンの一部になるべきだ」と語った。

ゴワタ副大臣は、近年ポーランドの米国製装備の購入がしばしば相互投資契約なしに行われており、これは米国の安全保障の傘の下に留まるために喜んで支払った一種の「安全保障コスト」と見なされていると指摘した。さらに、このアプローチがポーランドを「純粋な顧客」にしたと付け加えた。

ブルームバーグは、ポーランドがアメリカや韓国などから軍事装備を大量に導入する中で、国内の防産業界が実質的な恩恵をほとんど受けていないという批判が高まったと報じた。

ウクライナ・ベラルーシと国境を接するポーランドは、2022年のロシアのウクライナ侵攻以降、韓国製戦車などの武器導入を拡大しており、防衛費の支出も急増している。昨年、ポーランドの国内総生産(GDP)に対する防衛費の割合は4.48%で、NATO(北大西洋条約機構)加盟国の中で唯一 4%を超え、今年 は4.8%に達する見込みだ。

(中略)

ゴワタ次官はポーランド国営防衛産業グループ PGZとチェコ CSGが今月初めに結んだ地雷地帯共同構築契約に言及し「このように幅広い協力を提供できる国は少ない。問題は新しい規則に従う準備ができているかどうかだ。準備ができているなら歓迎し、そうでなければ他の側と協力するつもりだ」と述べた。

ブルームバーグはポーランド政府のこのような戦略転換が、欧州諸国が防衛産業を大規模に拡大する中で行われたものであり、ドナルド・トランプ米大統領の安全保障費用分担要求への対応でもあると解説した。

ポーランド政府は自国の防衛産業企業の「輸入代替」を超えて「輸出産業」の育成も同時に進めている。最近、ドイツとフランスがポーランド製の携帯型地対空ミサイル「ピオルン(Piorun)」に関心を示していることを公表するなど、海外市場の拡大にも力を入れている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、PGZの 2024年の売上は前年比で 34%増加し、売上高順位は世界 60位から 51位に上昇した。

(中略)

今回の基調の変化は、韓国の防産業界にも「次のステップ」として読み取られる。ポーランドはもはや大規模な購入だけに満足せず、現地生産・技術移転・サプライチェーンの統合を「取引の基本値」として提示しているため、今後の契約では単なる納品競争を超えて産業協力の設計が重要な変数になると予想される。

ソウル新聞「K-방산 큰손 폴란드 “우리 순진한 고객 아냐…무기 팔려면 투자해라”(K防衛産業大口顧客のポーランド「われわれは無邪気な顧客ではない...武器を売りたいなら投資せよ」)」より一部抜粋

「グローバルサプライチェーンの一員になるべきだ」は、韓国がよくいうセリフです。特に、日本が関わっている分野では「日本」の位置がいつの間にか「韓国」にすり替わっている記事や主張をチラホラ見かけます。

それはともかく、「グローバルサプライチェーンを担う」ことの大切さ・切実さを誰よりも理解しているであろう韓国さんは、当然ポーランドの立場を分かってあげられるのでしょうね?