起訴された元・CIA職員の韓国系米国人スミ・テリー氏の話

スミ・テリーさん関連の話題です。

本人は「根拠の無い歪曲」と容疑を全否定していますが、どうも前々から彼女の周りには監視の目が光っていたようです。
2021年にブランド店で駐米韓国大使官の外交員と買い物した後、大使館ナンバーの車両に乗り込む様子が写真に収められていたり(店内の監視カメラと思われる画像もあり)、2020年には韓国国家情報院の幹部2人と食事している様子が撮影されており、これらは起訴状とともに公開されています。

よって、情報の漏洩があったか、韓国に便宜を図ったかはともかく、何らかの「接触があった」ことは間違いないと思われます。

米検察当局が「同盟国である韓国の情報当局が深く連携した」として詳細を公表したのは異例的であり、韓国に対する警告メッセージではないかとも見られています。

 



朝鮮日報の記事からです。

米「韓国に情報を渡す」韓半島専門家起訴


(前略)

米検察はテリーを外国代理人登録法(FARA)違反の疑いで起訴した。FARAは外国政府・政党・企業の利益を代弁したり広報する人は米法務省に登録し、その活動を報告するようにしている。テリーはこの規定を知っていながら故意に守らなかったというのが検察の主張だ。テリーと彼の弁護人は「根拠のない歪曲」として疑惑を否認している。

米検察はテリーが3450ドルのルイ・ヴィトンハンドバッグと2845ドルほどのドルチェ&ガッバーナ・コート、3万7000ドルほどの裏金などを受け取って韓国の利益のために活動したと明らかにした。検察は、国情院要員がテリーのためにブランド品のカバンを直接選んでプレゼントした後、大使館のナンバープレートが付けられた車両に乗って一緒に去る写真なども公開した。公訴状を見れば米捜査当局はテリーと国情院間の関係を10年間追跡してきて、彼ら間の対話や通話などをリアルタイム盗聴したと推定される。

テリーと国情院間の初めての交流は彼女がCIAを離れて5年後の2013年に始まった。起訴状によると、駐ニューヨーク国連韓国代表部外交官(公使)を装った国情院高位要員と初めて会ったテリーは2016年までこの国情院要員と継続的に交流してきたという。米連邦捜査局(FBI)は2014年にテリーを召喚し国情院との関係について警告した。テリーは「分かった」と答えたが、その後も国情院要員らに情報などを提供し金品を授受したと米検察は明らかにした。

公訴状に書かれた国情院の「接待」内訳はかなり具体的だ。国家情報院の職員は2019年11月13日、テリーと同行してメリーランド州のある売り場でドルチェ&ガッバーナコートを買った。テリーは2日後、ドルチェ&ガッバーナ・コートを払い戻し、差額は本人が支払う方式で4100ドルのクリスチャン・ディオール・コートを購入した。同日、ワシントンDCの他の店でもボッテガ・ヴェネタのバッグを購入した。2020年8月には米政府関係者らも参加したオンライン・ワークショップを斡旋したことに対する見返りとして高級ハンドバッグを購入し、ニューヨーク・マンハッタンの高級ギリシャ料理店で渡した。翌年4月にもテリーと一緒にワシントンDCのルイ・ヴィトン売り場に立ち寄り、3450ドルのハンドバッグを買った。検察はこれに先立ち、同年1月、テリーが国情院高官や米国防総省当局者らとの会合を取り持ったと書いた。これに対する代価としてコートとカバンを買ったことを示唆したのだ。控訴状には現場を撮った色々な写真が一緒に添付された。

テリーは2022年6月、トニー・ブリンケン米国務長官との非公開会議で出た米政府の対北朝鮮政策関連非公開メモを韓国政府に渡した疑惑も受けている。言論報道および外部流出が不可能な「オフザレコード」を前提とした対話内容だったにもかかわらず、会議直後に韓国政府に渡した。

(後略)



朝鮮日報「美 “한국에 정보 넘겨” 한반도 전문가 기소(米「韓国に情報を渡す」韓半島専門家起訴)」より一部抜粋

もしかしたらCIAは彼女が辞めた直後から彼女を監視していたのかもしれませんね。
ある程度のレベルの職員には皆そうするのか、彼女が「韓国系米国人」であることが何らかの要因になったのかは分かりませんけれども、辞めて5年も経つのに国情院との接触が即バレしてたわけですから。それか、国情院の方がマークされていたか?
それにしても、買い物の様子やその後の払い戻し云々まで把握しているのが怖いですね。

テリーさんは容疑を否認していますし、実際ムン政権下で推進されていた「終戦宣言」には、否定的な立場だったように記憶していますが...。

2019年1月に彼女が主催した小規模ミーティングがあったそうです。「当時勤めていたシンクタンク」で行われたとのことなので、恐らくこのシンクタンクCSIS戦略国際問題研究所)のことでしょう。

この場に出席した米上級当局者はFBIの調査に対し「シンクタンクに呼ばれて行った席で外国の情報局長に会うとは思わなかった」「奇妙なミーティングだった」と答えています。
このミーティングは事前に韓国国家情報院が米国側の参加者名簿まで作成して依頼したものだった、とされています。
言論活動を通じて「援護」はしていないけれども、十分「便宜」は図っていたようです。


「自己都合」以外の退職者が5ヵ月連続で増加...124万人に迫る話

リストラや倒産など、本人の事情に拠らない失業者が2月から6月まで5ヵ月連続で増加幅を拡大し、先月までの累計で124万人に迫ることが分かりました。

各月の増加率は2月=4.3%、3月=5.9%、4月=6.9%、5月=14.7%、6月=16.9%です。
特に5月(14.7%増)と、6月(16.9%増)は2ヵ月連続で2ケタ台の拡大となっています。

 



中央日報の記事からです。

リストラ、職場廃業に...「非自発的失業」が5ヵ月間増え124万人


(前略)

18日、国会予算決算特別委員会所属のファン・ジョンア共に民主党議員室が国会立法調査処と統計庁の雇用動向マイクロデータを分析した結果によると、先月の非自発的失業者は昨年同月より17万9000人(16.9%)増加した123万7000人だった。非自発的失業者は仕事が可能な状況であるのに「職場の休・廃業」「名誉退職・早期退職・整理解雇」「臨時的・季節的仕事の完了」「仕事がなくてまたは事業不振」等、労働市場的理由で職場を失った人を意味する。

(中略)

非自発的失業者は今年2月に前年同月比7万人(4.3%)増加し、3月に7万6000人(5.9%)、4月8万2000人(6.9%)、5月15万8000人(14.7%)増加した。5ヵ月連続で増加幅が引き続き拡大している状況だ。

(中略)

非自発的失業者が最も大幅に増えた年齢帯は50代(27.1%)だった。50代以上の場合、建設業従事者の比重が高い方だが、最近建設業不振で一部現場建設業務が中断されるなど働き口条件が難しくなった影響だ。40代(20.7%)も高い伸び率を記録した。15~29才の青年層の非自発的失業者は先月22万7000人に達し、前年同月対比17.8%増えた。30代でも6%増加した。

(後略)



中央日報「정리해고, 직장 폐업에…‘비자발적 실업’ 5개월째 늘어 124만명(リストラ、職場廃業に...「非自発的失業」が5ヵ月間増え124万人)」より一部抜粋

業種別に見ると、失業者数が大きく増加したのは製造業(43.4%増)と建設業(34.1%)、卸売および小売業(33.7%)などです。

韓国経済の土台となる製造業と内需の基盤である建設業が不振で、その影響で消費が落ち込み卸売および小売業も不景気…という流れに見えます。


ユン政権発足当時、日韓関係改善を肯定したコラム、韓国外交部の要請で書かれたものだったという話

昨日、元CIAで韓国系米国人のスミ・テリーさんが、韓国政府に便宜を図ったスパイ容疑で起訴されたニュースを紹介しました。
それに関連して、ユンさん就任当時に彼女がワシントンポストに寄稿した文が韓国外交部からの要請を受けたものだったという話が出てきました。

 



毎日経済の記事からです。

[単独]韓国外交部、スミ・テリーに恥ずかしい韓日関係肯定コラム要請...「ユン、勇気ある人物になる」


(前略)

18日、毎日経済が米連邦検察のスミ・テリー起訴状とワシントンポスト(WP)サイトを確認した結果、スミ・テリーは昨年3月7日、WP所属のコラムニスト、マックス・ブートと共同で「韓国が日本との和解に向けて勇敢な一歩を踏み出す(South Korea Takes a Brave Step Toward Reconciliation with Japan)」というタイトルのコラムを掲載した。

スミ・テリーは、米中央情報部(CIA)分析官などを務めた韓半島専門家で、韓国国家情報院から数千万ウォンの資金支援と海外ブランドカバンなどを受け取った疑い(未登録不法ロビイスト)が浮上し、最近米連邦検察によって起訴された。

(中略)

ところが起訴状には、単に金とブランド品という不法的な取引関係だけでなく、韓国政府が望む内容で専門家コラムを要請し、スミ・テリーがこれを反映した文を米ニュースメディアのWPに掲載したことも、容疑を構成する違法行為として記載し、注目を集めている。

当時、スミ・テリーは韓国外交部職員から対日関係改善努力を眺望するコラム要請が入ると「すでにこのイシューと関連した多くの記事がある」として否定的反応を示したが、外交部職員にコラム作成に必要な情報を要請し、これを土台に翌日「韓国が日本と和解のために勇敢な一歩を踏み出す」という題名のコラムがWPに掲載された。

(中略)

起訴状を見ると、該当コラムをスミ・テリーが書いたが、米連邦検察は文の相当数が韓国政府がスミ・テリーに提供した内容と一致(broadly consistent)していると指摘している。

(中略)

検察は、不法ロビイストの疑いが持たれているスミ・テリーが、このように自分の専門性を利用して韓国政府と望む方向に政策を導こうとした行為が違法だと判断した。

スミ・テリーは3月7日、コラムが掲載されると韓国外交部の公務員に「気に入ってもらえると嬉しい(Hope you liked the article)」というメールを送り、この公務員から感謝のフィードバックを受けた。

該当公務員は外交部内の高位職がこのコラムを回覧し「あなたの情熱に感謝申し上げる。大使と国家安保補佐官がとても喜んでいる」と答えた。

スミ・テリーを起訴したデミアン・ウィリアムズ検事は「自身の専門知識を海外政府に売る誘惑を受けかねない政策担当者がこれを拒否し法を遵守しなければならないという明確なメッセージを伝達するだろう」とし、この事件の起訴が持つ意味を説明した。



毎日経済「[단독] 韓외교부, 수미 테리에 낯뜨거운 한일관계 긍정 칼럼 요청···“尹 용기있는 인물될 것”( [単独]韓国外交部、スミ・テリーに恥ずかしい韓日関係肯定コラム要請...「ユン、勇気ある人物になる」)」より一部抜粋

気になるのは、韓国外交部から要請があった「翌日」に掲載されたという点です。早すぎませんか?こんなもんなんでしょうか?経験が無いのでちょっと分かりませんが...。

それと、記事ではユン政権になった後のことにしか触れていませんが、スミ・テリー氏が韓国政府の要請で動き始めたのが2013年6月とのことですので、ユン政権だけでなくムン政権の援護射撃もしていたと考えた方が自然ではないでしょうか?


元・CIAの韓国系米国人、韓国政府の「政策を擁護」したスパイ容疑で起訴された話

CIA出身の韓国系米国人が「韓国政府に便宜を図った」としてスパイ容疑で起訴されました。本人は容疑を否認しています。
また、時期はCIA在職期間とは重なりません。

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韓国青年層、卒業後初就職までに平均11.5ヵ月掛かっているという話

韓国の青年層の10人に1人は初就職までに3年掛かるとの調査結果が出ました。
平均は11.5ヵ月です。それでも1年近く掛かっているわけです。

27歳とか28歳で「新卒」となっていることが多いので、就職が遅いのは知っていましたし、就職が難しそうなら「留学」することで新卒カードの有効期限(?)引き伸ばし作戦を取ることも有名です。

これらの原因は全て「働き口のミスマッチ」の一言で片付けられます。就活者が望むような条件の職場が見つからないから、というわけです。

 



ソウル経済の記事からです。

青年10人に1人「卒業後、初就職まで3年」


初めての仕事を探すのに3年以上かかったという青年たちの比重が10%に肉迫していることが分かった。初めての職場を確保するのにかかる平均期間も歴代最大値を記録し、オーダーメード型雇用対策が至急だという指摘が出ている。

統計庁は16日、このような内容を骨子とする「2024年5月経済活動人口青年層付加調査結果」を発表した。

詳しく見ると、15~29才の青年層が高等学校と大学など最終的に学校を卒業した後、初めての働き口を持つまでにかかる平均所要期間が5月基準で11.5ヶ月で関連調査を始めた2004年以後最大値を記録した。1年前と比べると1.1ヵ月増えた。

これは学校を卒業しても長期間就職できなかった人々が急増しているためだ。今年5月の賃金労働者(15~29歳)のうち、最初の就職まで3年以上かかったと答えた人の割合は9.7%(35万7000人)で、2006年5月(10.3%)以来18年ぶりに最も高かった。

(中略)

休んでいる青年のうち未就業期間が3年以上だと答えた人の割合も全体未就業者の18.5%(23万8000人)に達した。2014年5月(18.8%)以後、最も高い数値だ。青年層の非経済活動人口(406万6000人)のうち就職試験の準備者は56万5000人で全体の13.9%だった。

(後略)



ソウル経済「청년 10명 중 1명 "졸업 후 첫 취업까지 3년"(青年10人に1人「卒業後、初就職まで3年」)」より一部抜粋

最後にサラっと書かれていますが「非経済活動人口(406万6000人)のうち就職試験の準備者は56万5000人で全体の13.9%だった」とは、つまり残りの約350万人は「就職活動をしていない」という意味です。

彼らが全て就職を諦めたということではなく、中には進学準備や病気等で療養中なども居るのでしょうが、韓国統計庁の集計によると、今年上半期に「休んだ」青年層は244万4000人に達します。今年5月の時点で「休んだ」青年層は39万8000人、全体の「休んだ」人数が244万4000人と集計されています。*1

「就職活動をしていない人たち(244万人4000人約350万人)」の比率にすると約69%約11%*2です。非経済活動人口全体(406万6000人)での比率は約60%約9.8%*3になります。

ものすごく大雑把にまとめてしまうと「韓国青年層の無職の3人に2人10人に1人*4就職を諦めている」と言えます。

(2024.07.17 追記)
コメントで指摘をもらい、一部数値を修正しました。
比率で見ると随分小さくなりましたが、逆に疑問が...就職活中ではない約350万人から「休んだ」39万8000人を除いた残りの約310万人は一体に何をしているんでしょう...?


*1:2024.07.17 修正

*2:2024.07.17 修正

*3:2024.07.17 修正

*4:2024.07.17 修正は

韓国5大銀行、今年上半期に3兆ウォンを超える不良債権を処理した話

韓国の5大銀行(KB国民、新韓、ハナ、ウリ、NH農協銀行)が今年上半期に処理した不良債権が3兆2704億ウォンと集計されました。昨年同期と比べ47.1%増と、ほぼ倍増しています。

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銀行圏住宅ローンだけで1.8兆ウォン増加の話

今月に入ってから4日間だけで韓国の銀行圏の家計負債は2兆1835億ウォン増加していました。タイプ別に見ると、住宅ローンが8387億ウォン、信用貸出が1兆879億ウォンの増加でした。

それから1週間たった11日時点での銀行圏の家計負債額は約1.5兆ウォン増加と集計されました。金額だけ見ると減って見えますが、タイプ別では住宅ローンが1兆8738億ウォン増で、信用貸出が2329億ウォン減と逆行しました。
しかし住宅ローンだけでみると、8387億→1兆8738億ウォンと、おおよそ1兆ウォンが増加しています。家計負債の大部分が住宅ローンであるということを考慮すると、こちらの増加ペースの方が問題です。

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