今更「仲裁委員による解決」を訴える話

徴用訴訟について仲裁委員で解決しよう、とする主張がありました。

仲裁委員の設置要請は一度、日本側が出しましたが韓国が期日までに第三国の選定に応じなかったため流れています。
記事によると後日、韓国側も提案したけれど日本側に拒否された、とあります(ソース不明)。
けれども「両国とも政権が変わったんだから再度提案してみるのもいいじゃないか」そんな感じの内容です。

仲裁委員会の設置は日韓請求権協定に書かれていることですから、一見して「まとも」っぽい提案に見えそうです。
もしこれが2019年に日本が仲裁委員会を要請したタイミングで出てきた言説であれば評価出来たと思います。でも残念ながら「今じゃない」感しかありません。

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「韓国の近代化は未完成」という主張の話

私の韓国観の基礎は古田博司さんの著作の影響が大きいです。中でも「近代化」に関しての日本と韓国の比較は興味深く読んだ覚えがあります。

近代化のハードルは非常に高く、世界でもごく一部の国家しか超えられていないため、進歩史観で言うところの「古代→中世→近代」はほとんどの国で成立しません。
日本は高い代償を払いながらもハードルを超えた「ポスト近代」にいます。しかしハードルを超えられなかった韓国は今も前近代にいる、というものです。
近代化の過程で国家はアイデンティティを獲得するものですが、前近代にいる韓国はまだアイデンティティが確立されておらず、反日によってそれを得ようとしている、的な話もあったかと思います。そのため、反日については韓国が自力で近代化をなすまでは放置するしか無いってことです。
そして近代化出来なかった国は「古代回帰する」とも。

古代回帰云々はともかくとして、韓国メディアに「私たちは未完成の近代化を生きている」と、一見似た趣旨のコラムが掲載されていたので長いですがご紹介します。
ただ、「韓国の近代化は未完成」という部分だけを見れば似ているのですが、決定的に違います。
以下で紹介するコラムはなんというか...美化しすぎというか、自己評価が高いというか...南北の分断を「自ら選んだ理念選択」の結果との認識です。そして韓国主導での南北統一によって韓国の近代化は完成する、との結論になります。
私はちょっとこの辺り首をかしげてしまいました。「◯◯すれば上手く行く」の派生系に思えてしまったんです。

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ルナ - テラ事態の話

発行元が韓国ソウルに本社を置く仮想資産のルナコイン(Lunar)が驚異の99%という下げ幅で大暴落しました。
普段チェックしてないコインなんですけど、微々たる量ながらビットコインを持ってまして。その動きがおかしかったので何かあったかと確認してみたら大変なことになってました。

韓国ではこの件を投資詐欺の一種である「ポンジ・スキーム」ではないかとする見方まで出ているそうです。
というのも、発行元の法人が事態が起こる前の先月30日、解散していたためです。その直前の先月半ばにはUSTのペッグ補強として15億ドル(約1900億円)相当のビットコインを購入しています。
今回の事態でルナ買い支え資金調達のためにそのビットコインが売られたのか...それともポッケナイナイされたのかは分かりません。

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6月に日韓首脳会談があるかも?という話

今年6月にスペインでNATO北大西洋条約機構)の首脳会談が予定されています。先月下旬に米国務長官のブリンケンさんが日本の参加を匂わせる発言をしています。(日本に触れた上で「アジア太平洋の4カ国が参加する」と発言)
日本外務省は「まだ決まっていない」と答えたのみで、それ以降進展は無いはずです。
同じく「アジア4ヵ国」に含まれている韓国は、ソウル新聞によると「招待され、参加を検討している」そうです。残りの2ヵ国はオーストラリアとニュージーランドです。

気が早いもので、両国が会談に参加する前提で「日韓首脳会談」の話が持ち上がっています。

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「日米と中が韓国を引き留めようと動き始めた」という主張の話

予想された事態ではありますが、早速出てきた「韓国モッテモテ」記事をご紹介します。

※ユン(尹錫烈)さんの名前の表記についてですが、日本外務省が「ユン・ソンニョル」表記であることに加え、NHKの表記が5月10日以降、「ユン・ソンニョル」に変更になったようなので、当ブログもそれに合わせて「ユン・ソンニョル」とすることにします。

 



聯合ニュースの記事からです。

ユン政府引き入れる米日・中は牽制..周辺国の神経戦本格化


(前略)

ユン・ソンニョル政府が米中競争構図で米国に傾く外交的方向の再設定を予告した中で、自由主義陣営に韓国を確実に取り込もうとする米国・日本と、これを警戒する中国の綱引きが可視化するのだ。

ユン大統領の就任式を機に韓国を訪れた外交使節や各国の政府の発言からこのような様相が窺い知れる。

米国は韓米が「価値」を共有する同盟であることを強調している。
ライス国務省報道官は9日(現地時間)、ユン大統領就任と関連して「韓米同盟が持続し、共通の利害を追求し、共有する価値を保護することを共にできると確信する」という立場を示した。

(中略)

日本も米国主導の同盟連帯に韓国を積極的に引き込もうとする動きを見せている。
就任式使節として韓国を訪問した林芳正日本外相は「規則に基づいた国際秩序が脅かされる状況で韓日、韓米日の戦略的協力が必須」と強調した。
「規則に基づいた国際秩序」が脅かされるという文言は通常、米国が中国の影響力拡大を批判するために使う表現だ。韓米日3ヵ国が協力を強化し、中国との競争の高まりに共に対応しようという趣旨と解釈される。

(中略)

ユン・ソンニョル政府発足に伴う新しい韓米日協力は、バイデン大統領の今月20〜22日の訪韓と、その直後に行われる訪日およびクアッド(Quad)首脳会談を通じて具体的に姿を現す見通しだ。

特にバイデン政府の反中国経済構想である「インド太平洋経済フレームワーク」(IPEF)が今回の韓日歴訪を通じて本格的に第一歩を踏み出す可能性が提起されている。

(中略)

外交部当局者はバイデン大統領の韓日歴訪でIPEFが公式スタートする可能性について「まだ決まっていない」と明らかにした。

ただし、この当局者は「政府はずっと開放的、包容的で透明な域内協議体に参加できる、という立場を堅持してきた」とし「IPEF参加もまた、そのような次元で肯定的に検討中であり、米国をはじめとする主要関係国と協議進行中」とも付け加えた。
IPEFに発足段階から積極的に参加するという意思を示したものと分析される。

中国は歴代最高人事であり、習近平国家主席の側近である王岐山国家副主席を就任式に派遣し、韓国の対米密着を牽制した。
特に王副主席が前日、ユン大統領を表敬訪問した席で「中韓経済は相互補完性が強く、互恵協力の潜在力が大きく、両国間の産業供給網は切っても切れない関係を持っている」と言及した部分は意味深長だ。

(中略)

王副主席は、韓国が議長国の順番である韓中日首脳会議を主催することを尊重するとし、韓国側とともに「中韓日+X」協力を推進するという発言もした。「中韓日+X」とは、従来の韓中日3カ国の協力体制に加え、もう一カ国参加させて拡張しようという趣旨の提案と見られる。

(後略)



聯合ニュース「尹정부 끌어들이는 미일·中은 견제..주변국 기싸움 본격화(ユン政府引き入れる米日・中は牽制..周辺国の神経戦本格化)」より一部抜粋

記事中、林さんの発言箇所で「韓日」「韓米日」と変更(林さんは「日韓」「日米韓」と言ったはず)されているのに、王さんが「中韓」と言った箇所がそのままなのは原文ママです。こうした細かいところの統一が取られていないのは韓国メディアではよくあります。うっかりなのか、染み付いた序列意識なのかは分かりません。

しかし、韓国はモッテモテ...というか、「選ぶ権利は韓国にある」との願望が透けて見えるようです。太字にした箇所はまさにそうした色が濃く出た部分ではないでしょうか?
クアッド首脳会談で、米国が何か韓国のために口利きをしてくれる、とか、IPEFは外交部関係者は「まだ決まってない」と言っているが、韓国がその気にさえなればすぐにでも受け入れられる...そんな見方の書きっぷりに思えるのです。

その根本にあるのは「韓国は何もしなくて良い」との考えでしょう。韓国は何もしなくても周りが良きに計らってくれる...現代の両班思想とも言えるものです。

 

そいえば、「韓国モッテモテ」説が出てくるたびに思い出すイラストがあります。




元ネタがどこか分からないのですけど、2017年にムンさんが就任後、初の国際舞台であるG20に参加した時のものです。
タイトルは「みんなが羨む大統領」。
これはムンさんの絵ですが、ムンさんに限らず韓国の自画像はいつも「こう」です。だから相手にされなかったとき、その理由はいつでも相手の「嫉妬」になります。

「反知性主義」と「自由」を35回叫んだ就任辞の話

ユンさんの就任演説が行われましたが、日韓関係には一言の言及も無かったとのことですので特に詳細はご紹介しません。
ただ、「自由」という言葉を35回(私が数えたんじゃないですよ)使ったり、「反知性主義」という言葉を盛り込んだり...自由民主主義国家の大統領演説としては少し時代錯誤感がありました。
反知性主義」とは、知的思考や論理的考察、科学的思考より感性と思いつきによる行動、直感の優位性を主張することです。リチャード・ホフスタッターという政治学者が1963年に出版した著作の中で使った用語「Anti-intellectualism」の訳語です。

演説の基本草稿は引き継ぎ委員が用意したのですが、少なくとも「反知性主義」の部分はユンさんが自分で加えたとのことです。

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