経済

不動産PF関連で5000億ウォンの赤字を出した貯蓄銀行、家計向けローン規模を拡大させる話

韓国には貯蓄銀行というものがあります。「銀行」 と銘打ってはいますが、いわゆる第1金融圏といわれる「銀行」とは別物です。貯蓄銀行自体は第2金融圏、ノンバンクに分類されます。しかし、業務内容としては銀行と大差のないものとなっています。この貯蓄銀…

電気料金政策で韓国を真似したら失敗したという話

電力会社の赤字垂れ流しの件については、韓国の事例を度々取り上げていますが、実は台湾も負けていません。1995年の電力自由化以降、台湾の民間発電所が生産する電力は台湾経済部傘下の国営企業に全て購入されています。しかし、ここ数年の急激な原材料価格…

米経済紙「韓国の不動産PF不良111兆規模」、金融当局「誇張されている」という話

ブルームバーグが韓国のPF(プロジェクト・ファイナンス)に関してリスク懸念の記事を報じました。ノンバンク(第2金融圏)の「不動産融資の規模は926兆ウォンで10年で4倍」、「PF負債規模は111兆ウォン」としています。記事は、韓国で起こることは他の国で…

建築業界の不況が関連業種の就業者数に影響し始めた話

2023年下半期の雇用調査結果が発表されましたが建築業界の不況が関連産業の就業者数へも影響を与え始めているようです。就業者数の減少幅が大きい従業者のうち五業種が建設景気の萎縮の影響を受けた見られています。

平均年収が5000万ウォン(500万円)突破と未払い賃金前年同期比40%急増が両立する話

おそらく基準が異なるため、単純な比較はできませんが一説では日本の十数倍と言われる韓国の賃金未払い問題。昨年、史上最大規模を記録しましたが、今年に入って第1四半期だけですでに40%も急増していることがわかりました。主な原因は建築業界の不況とされ…

急激なドル高に韓国4大銀行の外貨負債額が急増している話

ドルに対して円安が進んでいますが、同じように韓国のウォンもドルに対して安くなっています。これにより、韓国の4大銀行が抱える外貨負債規模が拡大していることが分かりました。5年前の2018年末時点での外貨負債額は1391億ドル、それに対して昨年末時点で…

未分譲マンションが急増しているらしい話

昨日お伝えしたニュースで、一部プロジェクトファイナンスに関して建築会社が金融当局に金融機関、特に第二金融券の手数料が高すぎると苦情を申し立てたというものがありました。金融当局は立ち入り調査を実施しています。金融機関側の言い分では、建築業界…

韓国政府、マイナス通帳で税収不足を穴埋め…一時貸出残高が史上最大規模の32.5兆ウォンという話

韓国の国家負債が1100兆ウォン突破し、初めてGDP比50%以上となったことは先日お伝えしました。ところが、どうもそれだけではなかったようです。第1四半期、韓国政府は韓国銀行から32兆5000億ウォンの一時貸し出しを受け、税収の不足分を埋め合わせたことが分…

借金して投資の「ビットゥ」、半年ぶりに最大増加額という話

借金して投資するいわゆる「ビットゥ」が増えているそうです。先月末時点で、月単位の信用取引融資の増加額としては昨年9月以来最高の9510億ウォンを記録しました。信用取引全般を一括りに「借金投資」として問題視するものではありませんが、しかしほとんど…

韓国企業の中国への直接投資額が前年比‐78%の激減した話

「中国」という巨大消費市場の斜陽というのがテーマっぽいんですが、その中で韓国の中国への直接投資が78%減と約20年前の水準に低下したこと、米国を100としたときの国家核心技術(人工知能、量子力学、次世代通信・原子力、宇宙航空・海洋など136個)で韓国…

韓国銀行の金保留量、2013年以降「変化なし」という話

安全資産として好まれる金が高騰しています。中国を始め、主要各国が金の保有量を増やす中、韓国銀行の金保有量は2013年から変わっていないことが分かりました。金の購入には外貨準備高であるドルを取り崩す必要があります。韓国メディアの分析によると、ド…

ブルームバーグが韓国エンタメ株への投資に注意喚起を促す理由の話

昨年、韓国の知的財産権貿易収支が歴代最大の1.8億ドルの黒字を記録したそうです。関連統計がとられるようになったのが2010年なので、まだ10年ちょっとの記録ですが、初めて黒字になったのが2021年の1.6億ドル。その翌年にはまた11.6億ドルの赤字に転落して…

3月20日までの韓国輸出統計、半導体が昨年同期比46%増という話

韓国半導体関連で「良いニュース」と「悪いニュース」があります。今日は「良いニュース」の方を。3月中旬までの半導体輸出が前年同期比46%増加となりました。全体輸出額の増加は去年の10月から5ヵ月連続です。また、米マイクロンの12月~2月の業績が前年同…

韓国、個人回生申請件数1年で30%増…銀行の不良債権も増加傾向という話

昨年3月から今年2月までの1年間、韓国で申請された個人回生と債務調整の件数が前同期比30%増と急増しています。個人回生は一定の所得がある債務者に対し、最低限の生活費を確保した状態で一定期間(3~5年)を債務返済に充て、残りの債務を免除する制度。つ…

マイナス金利解除を見越して円貨建て預金が急増していた話

大方の予想通りマイナス金利が解除されました。円は現在1円以上「円安」方向に動いています。この動きが落ち着いた後、どうなるか見ものです。さて、韓国人は財テクが大好きです。「アリ」と呼ばれる個人投資家の多さや「ヨンクル」による不動産投資(これを…

PF満期集中到来の「4月危機説」、金融当局が否定した話

少し前から「4月危機説」という言葉を報道でチラホラ目にしていました。PF(プロジェクト・ファイナンス)の満期が今年上半期に集中していることから出てきた説ですが、本日行われたコミュニケーション会議で金融委員会の副委員長がこの懸念を「一蹴」しまし…

ディスカウントコリアの原因は「所有と経営が分離されていない支配構造のせい」という話

日本をベンチマークしたという「企業バリューアッププログラム政策」ですが、その後はあまり話を聞きません。そもそも、なぜ韓国のPBR(企業が持っている資産と企業価格の割合)が低い企業が多いのか…それは一言でいうと「所有と経営が分離されていない支配…

「韓国の経済状況は1997年の通貨危機以来、最も危険な状況にある」という話

韓国経済が「1997年の通貨危機以来、最も危険な状況」というコラムがありましたので紹介します。韓国経済の抱える問題や諸外国との違い、現状認識について分かりやすくまとめられていると思います。ただ、いつものことではありますが具体的な解決策には触れ…

満を持して発表された「バリューアッププログラム」、コリアディスカウントを解消どころかKOSPIは下落…具体性が無さ過ぎるとの指摘の話

今日は韓国でバリューアッププログラムの詳細が発表される日でした。先週末、KOSPIは期待感からか上昇傾向にあったのですけど、今日の発表でクライマックスを過ぎ下落に転じました。一部では詳細案が市場の期待に及ばなかったことによる「失望売り」とも言わ…

ストレスDSR、最大1.5%導入の話

今月26日から住宅ローンにストレスDSRが段階的に導入されることになるそうです。変動金利制の場合は最大の1.5%、その他固定制や混合型は少し適用金利が下がります。家計債務を抑える狙いがあるんでしょうが...DSRを適用しないローンもまだあるので、どの程度…

日本半導体装備企業、「ツートラック」で特需の恩恵…という話

半導体業況の回復に伴い、半導体装備会社が「恩恵」を受けている、との記事がありましたので紹介します。特に米国や日本の主要半導体装備会社に恩恵は集中していて、これらは中国、韓国、台湾、米国などに顧客企業を持っており、米国、韓国、台湾には先端装…

香港ELS、損失額6000億ウォン突破、損失率は54%という話

香港ELSの損失額は1月19日までの時点で2296億ウォンでした。それが今月15日までで6000億ウォンを超えたそうです。確定損失率は約54%です。旧正月の連休前に金融監督院が現場検査を終えていましたが、一部追加検査が必要と判断される事例が確認されたそうで、…

昨年第3四半期末時点で韓国の多重債務者は450万人...うち64万人はDSR100%以上という話

日本で「多重債務者」というと「複数箇所から借入を行っている人」との意味になるようで、具体的に何カ所以上という規定は無いようです。韓国はこれが「3ヵ所以上」と規定されています。なぜかは分かりませんが。で、この3ヵ所以上から融資を受けた「多重債…

HUGのジョンセ保証金返還保証保険の代位返済債務残高が4兆ウォン...2年で6.4倍に増加という話

住宅都市保証公社(HUG)というものがあります。その名の通り「公社」でして、韓国国土国交省傘下の公企業です。住宅都市基金法を元に設立され、住宅保証機関として国民住宅福祉の向上と住宅市場安定のために運営されているそうです。具体的には分譲契約者の…

猫も杓子も「PBR」の話

年初にユンさんは「コリアディスカウントを解消する」と宣言しました。そしで1月中頃、「企業バリューアッププログラム」を用意する計画を強調し始めました。最近では韓国メディアでは「PBR」が執拗に取り上げられています。「PBR」とは「Price Book-value R…

香港ELS、賠償比率が「買い方」で変わるかもしれない話

香港ELSの(不完全)販売に対する調査がひと段落ついたそうです。もうじきソル(旧正月)連休なので、その前に一区切り付けて必要があれば追加検査を行う方針とのこと。報道の目はすでに「賠償比率」に向けられています。初回加入者と再加入者・モバイル加入…

金利が下がれば住宅価格は上がるのか?米国と韓国の不動産市場の違いの話

米国の政策金利は据え置かれました。2月1日早朝(現地時刻1月31日)には、FOMC議長のパウエルさんが市場の「引き下げ期待感」を一蹴するような発言もしています。金利が下がらないと住宅市場は活性化しないと韓国では考えられているようです。逆に言うと、金…

検証されていない情報で株価が乱高下する韓国市場の話

韓国の証券市場だけ世界と逆行している...なぜだ?的な記事を紹介しましたが、もしかしたら関連があるかもしれない話題がありましたのでご紹介。あるテーマ株価が「なんの検証もされていない情報」で急上昇・急下落を繰り返していることから、証券関係者の中…

「韓国は世界証券市場と逆行している...明確な理由は分からないが、看板企業の業績は不振」という話

先週あたりは、韓国経済は「中国と連動しているから」という見方が報じられたりもしていましたが、その中国(+香港)が少し持ち直してきても、韓国だけは依然として下げています。韓国の証券関係者らは「明確な理由が分からない」と首を傾げているそうです…

韓国の過去の成長方式は「対中輸出と家計負債拡大の内需浮揚」...韓国メディアで初めて(?)触れた話

「25年ぶりに韓国が日本に押された」...ここ2~3日、この手の記事をよく見ます。最初に予測値が出たときにも騒がれていましたが、いよいよ現実的になったことで改めてその意味を考えているようです。成長率の話です。去年の韓国の成長率は1.4%(確定値)と出…