京の次は富士山の話

2012年9月から運用を開始し、今年の8月に共用利用の終了が予定されているスパコン「京(けい)」の後継機の名前が「富岳(ふがく)」に決定したそうです。
「富岳」とはもちろん「富嶽三十六景」と言われるように「富士山」のことです。

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スパコン「京」といえば、2009年の民主党政権時代に行われた事業仕分けで「2位じゃ駄目なんでしょうか?」と言われて散々ネタにされてましたね。

昨年11月に発表された最新のランキング「Top500」では既に7位に後退しています。


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このランキングはLinpackベンチマークという、線形代数・ベクトル計算の速度を元に作成されています。
計測値は「Rmax」という項目です。
単位は「ペタフロップス」で、1秒間に浮動小数点演算を1000兆回行うという意味の単位です。

1位が143,500.00なのに対し、7位は19,880.00と、圧倒的な差が付いているのが分かります。
ですが、「省エネ」というポイントに絞ってみると悪くない数字です。
もちろん、コアの数が少ないため消費電力が少ないということはあります。
でもランキングを見て分かる通り「コアの数=性能」ではありません。


後継機の「富岳」は「京」の最大100倍の計算性能となるそうなので、単純に考えてこの数値が1,988,000.00になるってことですかね?
搭載されるCPU「A64FX」は超低消費電力がウリの一つで、省エネ路線は「京」のものを踏襲するようです。


日本国内では家電にしろ車にしろ「省エネ」が当たり前になっているので実感しにくいですが、海外ではたびたび「日本は資源の無い国であるために、省エネ技術が進化した」という見方をされることがあります。
省エネは一つの日本のアイコンになっています。

莫大な消費電力で圧倒的な性能を目指すより、省エネでそれなりの性能を目指す、というのは実用性を考えると大事な視点です。