久しぶりに不動産PF(プロジェクト・ファイナンス)関連です。
特に大きな不良融資を抱えている貯蓄銀行ですが、金融当局が5月に提示した事業性評価を適用すると、競売に掛けられる不良債権規模が4兆ウォンにまで拡大することが分かったとのこと。
これは当初想定されていた2倍程度の規模に当たります。
マネートゥデイの記事からです。
PF競売事業場、予想より2~3倍増える...貯蓄銀行4兆ウォン整理
(前略)
23日、貯蓄銀行業界によると、金融当局が5月に提示した事業性評価基準を土台に貯蓄銀行がPF事業場評価をした結果、競売対象事業者(不良憂慮)等級が約4兆ウォンに達したことが分かった。昨年末基準で不良事業場が2兆ウォンに達すると推算したが、実際には2倍増えたのだ。
(中略)
金融当局は当初、全体の5~10%が不良事業場(留意・不良憂慮)であると推定した。特に、直ちに競売処理しなければならない不良憂慮事業場は全体の2~3%に達すると見たが、実際の評価結果ではこれより2~3倍増えるものと見られる。
金融当局は昨年末基準で不動産PF延滞率を基に推定したが、今年上半期の高金利と景気低迷によって不良が増えた影響だ。実際、貯蓄銀行の不良債権比率(固定以下与信比率)は昨年末9.9%から3月末20%に跳ね上がり、6月末基準では約30%に達したと伝えられた。
(後略)
マネートゥデイ「[단독]PF 경공매사업장 예상보다 2~3배 늘듯…저축은행 4조 정리([単独]PF競売事業場、予想より2~3倍増える...貯蓄銀行4兆ウォン整理)」より一部抜粋
もしかしたら見落としているだけかもしれませんけれど、不良処理計画を策定後、金融当局など韓国政府が公式に不動産 PFのエクスポージャー規模を試算し直したという話は聞きません。135兆ウォン→230兆ウォン→???...増えていることは間違いないと思うのですが...。
ある程度、処理し終わって「安全圏」に入ってからシレっと発表する算段でしょうか?
不良事業場競売の時期は今まで年4回(3ヵ月に1回)であったものが、毎月開催になるそうです。例えば、仮に3ヵ月延滞して競売査定に入ったとしても、次の競売までに一部でも返済があれば「延命」出来ていたものが、その猶予が無くなるわけです。
さらに、貯蓄銀行はもう一つ「自営業者の延滞率」という大きな爆弾を抱えています。
この件については明日、別の記事にしようと思っていますが簡単に触れておくと、第2金融圏の自営業者の延滞率が第1四半期末時点で4.18%と集計(これも十分高いですが...)されたのですけれど、貯蓄銀行に限定すると延滞率が9.96%に跳ね上がるという...とんでもない状況になっているんです。