「大義」を大事にする韓国さんのハリボテ5Gサービス事情の話

以前の韓国経済新聞さんのコラムで「韓国は『大義』を重視」という話が出ていました。
日本観への違和感として以下の記事で紹介しています。
韓国経済新聞のコラムに見る「日本観」への違和感の話 - タイを釣りたいエビ


さて、そんな「大義」を大事にする韓国さんは 4月3日の23時に世界初の5Gサービスを開始しました。
なぜ夜なのかと言うと、当初予定していた4月5日だと、米国の通信大手ベライゾン・コミュニケーションズが1週間前倒しして商用開始を宣言した4月3日に間に合わなくなるからです。

ただし、韓国の5Gサービス前倒しは一部著名人向けのみで、一般へのサービス開始は予定通り4月5日だったため、これを「世界初」として良いかは判断に迷うところです。

裏技のような方法であっても「世界初」の冠は譲りたくなかったようです。

そこまでして勝ち取った「世界初」5Gですが、早速問題が起こっています。


ブチブチ切れる


JTBCというニュースサイトでKTさんの通信障害が報道されていました。

前身は国営企業である韓国通信さんなので、日本で言うとNTTドコモさんのような韓国最大手の通信キャリアです。


そのKTさんが提供する5G通信で、4月5日の一般向けサービス開始直後から通信がブチブチ切れる障害が発生しているようです。
しかもLTEネットワークにも障害が波及しており、通信速度が低下しているとのこと。


なぜ5Gの影響がLTEに波及するのか、技術的なことはよく分かりませんが、使用機種に関係なく、基地局の多い都心でも頻繁に発生しているようです。

KTさんはサービス開始から10日後に「措置を取った」と発表しましたが、まだ接続は安定していないとのことで…。


この状況を見てどうしても考えてしまったのが、「大義」を大事にする、という価値観です。

内実は関係なく、とにかく「世界初」の冠(大義)にこだわったハリボテのサービスとしか見えなくなってしまいました。


日本での導入は来年ですが、通信インフラは一度動かすとそう簡単に止められません。
とにかく実用に耐えられるレベルできちんとリリースすることを大前提に進めてほしいですね。


余談ですが


昨年11月にKTさんの通信施設で火災が発生し、通信ケーブルが延焼しました。
火災の影響で大規模な通信障害が発生したそうです。

その際、ATM、クレジットカード、デビットカードなどの通信ネットワークを利用したキャッシュレス決済が全て利用できなくなり、キャッシュレス依存度の高い韓国社会で大混乱が起きています。
他にも固定電話や緊急通報が不通になる、などの問題も報道されていました。

最大手のキャリアなので、どこもかしこもKTさんだったようです。


日本も今後他人事ではなくなります。
現金レジを置かない店舗なども増えるようですし…。

SuicaEdyなどの事前チャージ系電子マネーは端末同士(通信ネットワーク不要)で決済が完了するので、通信障害発生時にも利用できる可能性が高いそうです。
普段現金を持ち歩かない人も、いざというときに備えて予備の決済方法を検討しておくと良いのじゃないでしょうか。