百舌鳥・古市古墳群の話

以前から世界遺産登録を目指していた百舌鳥・古市古墳群(もず・ふるいちこふんぐん)が正式に登録されそうです。
7月10日から開かれるユネスコ世界遺産委員会の審査を経て登録の可否が判断されます。
が、諮問機関であるイコモスが登録勧告をしているそうなので、ほぼ内定と見てよさそうです。


最近でこそB級グルメ的な大阪食文化を前面に押し出すことで外国人観光客の訪問が増えていますが、古墳群の世界遺産登録を目指して動き出したころは、せっかく関空という玄関口があるにも関わらず、観光客が素通りして京都に行ってしまうという状態でした。

近畿二府五県(京都、大阪、兵庫、三重、和歌山、奈良、滋賀)の中で大阪は唯一世界遺産の無い県だったので、文化的なアイコンである「世界遺産」が欲しかったようです。


登録される古墳の数は全部で49基

百舌鳥エリアが大阪府堺市、古市エリアが藤井寺市羽曳野市にまたがっています。
リストにあるのは全部で49基です。(その他にもこの地域には40基ほどあるようです)


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百舌鳥・古市古墳群
左:百舌鳥エリア 右:古市エリア


百舌鳥エリアの方は、堺市役所の21Fの遠望ロビーからざっくり望むことができます。
また、仁徳天皇陵の近くにも展望デッキがあります。

更に、仁徳天皇陵の南側にある堺市博物館ではVRを使った百舌鳥古墳群疑似体験ツアーなるものを実施しているそうです。


公式サイトにはおすすめの散策コースが載っていました。
ボランティアガイドのページでも色々なモデルコースが紹介されています。

本登録になったら混み合うでしょうから、興味のある方は今のうちに行っておいてはいかがでしょう。


大塚山古墳は含まれない

古市エリアの左端に見切れた前方後円墳(大塚山古墳)が写っていますが、この古墳は含まれないそうです。
一応、古市古墳群の一つとされていますが、場所が少し離れているため学術的に古市古墳群に該当しない、という見方もあるそうで保留となったそうです。


とはいえ、きちんと前方後円墳の形を残していますし、宮内庁はここの被葬者候補を雄略天皇としています。
万葉集のトップバッターで、ナンパ求婚の詩の作者です。

古市エリアを回る際は訪れてみてください。