無人コンビニは失敗するかもしれない…な話

日本はキャッシュレス決済が立ち遅れています。
ですのでキャッシュレス社会の未来を見るには海外の事例が参考になります。

昨年1月22日にアメリカのシアトルで完全無人コンビニ、Amazon Goがオープンしました。
オープン当初こそ、日本のメディアがこぞって取り上げましたが、1年以上経ってどうなっているのかと言うと…普通に有人レジが設置されています。

あれ?完全無人コンビニのコンセプトどこ行った?な感じです。
一体どうしてしまったのでしょう。


アメリカ人のおよそ5.5%は銀行口座を持っていない

Amazon GoはAmazonアカウントにリンクして、そこから支払うシステムです。
つまり利用者はAmazonアカウントを持っていることが前提であり、支払うためにはクレジットカードや銀行口座を持っている必要があるわけです。

ところが、世界銀行の推計では米国人の約1800万人が銀行口座を持っていないとされています。
この人たちを顧客として除外するのは差別にあたる、という見方があります。


結果として、Amazon Goは普通に有人レジを設置し、現金対応を行うことになりました。

現金で支払う人は、入店時にその旨を店員に告げる一手間が増えたことになります。


正直、なんだかなぁ…という微妙な気分になってしまいました。

まあ、キャッシュレス決済は目的ではなく、効率化のための手段ですから「キャッシュレスじゃなきゃダメ」というわけではないですけれどね。

それに日本は銀行口座を持っていない、という人の方が圧倒的に少ないでしょうし、様々な種類のキャッシュレス決済が乱立していますから「全て使えない」という人は稀でしょうけれども。

臨機応変に対応できるようケーススタディとして参考になるのじゃないでしょうか。