【バンダーさん】「『3・1運動』及び『関東大震災』朝鮮人死者数」の話

趙甲濟ドットコムよりバンダービルドさんのコラムから「『3・1運動』及び『関東大震災』朝鮮人死者数」です。

ムンさんが公式の場で述べる犠牲者数には、どこから引っ張ってきたのか謎な数字がたびたび登場します。東日本大震災の「福島原発事故で1368人死亡」発言などが代表的な例です。
今回は1919年の3・1運動と1923年の関東大震災の犠牲者数の謎数字ネタです。ムンさんとは関係ありませんが、秀吉の朝鮮出兵時の海戦での損害規模についてもちょっとだけ触れられています。


「3・1運動」及び「関東大震災朝鮮人死者数

3・1運動の死亡者数:朝鮮総督府553人、国史編纂委員会725人〜934人(中間値830人)、ムン・ジェイン大統領7500人→7600人。

ムン・ジェイン大統領の2019年の3・1節記念演説の中にはこのような部分が出てくる。「7500人余りの朝鮮人が殺害され、1万6000人余りが負傷しました」。2020年の記念演説はこうだ。「7600人が死亡、約1万6000人が負傷、約4万6000人が逮捕・拘禁されました。世界的にも類を見ない出来事でした」

1年間で死者が100人も増えた(7500→7600人)。3・1運動死亡者数は朝鮮総督府の公式記録で553人だ。当時の公式記録と今日の大統領が言及した数値間に差が14倍にも及ぶ。朝鮮総督府が実際より大幅に縮小して集計したか、大統領が実際より大幅に水増ししたかのどちらかだ。

このような場合、客観的第三者(第三国)が綿密に研究し、どちらの主張が正しいか判定すれば公平である。しかし、事案の性格上、そのようなことは期待がしがたい。ところが韓国政府(教育部)傘下の「国史編纂委員会」が当時の朝鮮人の死亡者規模を正確に把握するため研究に着手し、2019年2月に「3・1運動による死亡者数は725〜934人」という結論を下した。一種の交通整理をしたわけだ。ひと桁単位の数時まで特定したことから、客観的資料などをそれなりに暴いたものと見られる。したがって国史編纂委員会の結論は「ファクト」に近いと認めるのに無理はなさそうである。中間値は「830人」である(=725人+934人/2)。だとすれば朝鮮総督府集計の「553人」は「830人」に比べ33%ほど縮小した数値に成る。大統領が公式言及した「7500人」または「7600人」の場合、「830人」に比べると9倍も膨らませた数値になる。誰が見ても朝鮮総督府の集計が相対的にファクトに近い。

問題は政府傘下機関の国史編纂委員会が2019年2月に既に交通整理をしたにも関わらず、国を代表する大統領が世間に出回っている俗説レベルの誇張された数値に拘ったという点だ。大統領自らファクトには関心がなく、このような形の誇張や煽動にだけ熱を上げているのだから、外交など各分野が完全でないのも無理はない。

大統領は「世界的に類例のないこと」とも言及した。しかしこの言葉は当たっているようだ。なぜなら抗う植民地の人々を、米国、英国、フランス、ドイツなどの西欧列強の場合、非常に残酷に「数十万人」程度はあっという間に大量虐殺したのと比べると、日本のこの程度は見方次第で「世界的に類を見ないもの」になり得るからだ。

東亜日報2021年2月15日付け<朝鮮人が福島の井戸に毒を...>という記事にはこういう記述がある。

「1923年、日本の関東大震災当時、『在日朝鮮人(または中国人)が暴徒に急変し、井戸に毒を入れ、放火・略奪を行い、日本人を襲撃している」というデマが流れ、日本に民間人が自警団を組織し、約6000人にのぼる在日朝鮮人を差別的に虐殺した」

記事は6000人あまりが虐殺されたと断定したが、ファクトではない。市中には「3000人虐殺」、「朝鮮人および日本人社会主義者6661人を虐殺」、さらには「2万3000人を虐殺」したという形で流れる。関東大震災関連の記事を書く際、韓国メディアは大部分が「6000人虐殺」説を信奉しているようだ。しかし、関東大震災の際に殺害された朝鮮人の数を、すでに韓国政府が把握しているという事実を知る人は多くないようだ。

1952年12月、第109回国務会議でイ・スンマン大統領の指示により、内務部で全国的な調査を通じて「日本震災時被害者名簿」というものを作成したが、このとき把握された朝鮮人の被害者は「290人」だった。そして2015年に国務総理傘下の「対日抗争期強制動員被害調査委員会」でこれら290人に対する最終身元確認手続きを行ったが、このうち40人の身元が確認された。反日性向が非常に強かったイ・スンマン大統領時代に把握された被害規模さえ「290人」水準であるだけに、今日取り沙汰されている「6000人」説などは反日次元で作られた誇張に過ぎないと見られる。また、当時殺害された人の中には朝鮮人だけでなく、左派日本人も含まれている。

このほか、チョンザンリ戦闘の戦果についても韓国側は「日本軍3300人殺傷」と主張しているのに対し、日本側は資料に基づき「日本軍11人戦死、24人負傷、逃亡者200人余り」と反論している。日本軍死傷者数において90倍以上差がある(韓国主張3300人 vs 日本主張35人)

鳴梁海戦の場合、さらにひどい。韓国側は「日本軍の船31隻沈没、92隻大破、日本軍8000人余りが戦死した」と主張しているのに対し、日本側は資料に基づき「当時、動員された日本側の船は数十隻程度で、どれだけ多く見積もっても130隻未満で、先鋒に立っていた船数隻が沈没し、数十人が戦死したことが被害のすべてであり、制海権が朝鮮に渡ったケースは皆無」と反論している。

いくら相手が憎くてもファクトに基づかない主張をするのは望ましくない。嘘は長続きしないものだ。第三者(全世界)たちもいつかは「気づく日」が必ず来るはずだ。根拠もなく、「3·1運動7500人虐殺」「関東大震災6000人虐殺」などについて言及して報道した大統領や韓国メディアは、その時に感じる恥ずかしさに耐える準備はできているのか?



関東大震災当時の日本メディア報道

関東大震災(1923年9月1日午前11時58分)発生以後、日本メディアの報道(見出し、副題など)

地震の混乱に乗じて朝鮮人たちが行った暴動、略奪、放火。中には婦女暴行も...一般の朝鮮人は無関係>
-読売新聞-
<家々を歩き回って朝鮮人が放火>
-新愛知新聞-
<主義者(社会主義者)と朝鮮人の一味が上水道に毒を散布。警戒中の軍隊が発見し発泡>
-下越新報-
<あやしい朝鮮人が各所に放火。帝都に戒厳令発令>
-東京日日新聞(現・毎日新聞)-
朝鮮人二百人が剣を抜いて各所で乱切り。警官隊と衝突>
-東京日日新聞-
<3日朝、二人の朝鮮人が毒薬を井戸に投下しようとする現場を警戒員が発見、即時逮捕>
-東京日日新聞-
<不純な朝鮮人千人を相手に横浜で戦闘開始。歩兵一個小隊が全滅?一個中隊を追加派遣>
-号外、新愛知新聞-

¶以後、日本政府は事態を放置すれば朝鮮人犯罪者とこれに対抗する日本人自警団との間の対立が激化し、内戦事態にまで悪化する可能性があると判断し、事態の沈静化のため各マスコミに対して朝鮮人犯罪に関する報道をこれ以上行わないよう指針を与える。また、日本政府は各メディアを通じて「日本内務省告知文」を一斉に報道するよう措置(「後藤新兵」内務大臣主導)。

<日本内務省告知文>
-善良な朝鮮人を愛すること。善良な朝鮮人を敵視してはいけない。
-警察力と兵力が十分のため信頼して安心すること。
-各地で武器を所持し、独自に防御する必要なし。
-恣意的位に武器を所持することは戒厳司令官の命令に違反するもの。

¶以後に事態を沈静化させようとする日本政府により善良な朝鮮人の被害などを主として浮き彫りにするようマスコミに指針を通達し、それに応える記事が登場。

朝鮮人が所持していたという爆弾、あっけないデマ。実際は爆弾ではなく果物>
-東京日日新聞-
朝鮮人自治体が無償で道路復旧工事。誤解解消のための努力>
-東京日日新聞-
朝鮮人の助けを受けた老婆。連絡先なく消えた命の恩人の朝鮮人
-東京日日新聞-

趙甲濟ドットコム「'3·1운동' 및 '관동대지진' 朝鮮人 사망자 수(數)(「3・1運動」及び「関東大震災」朝鮮人死者数)」より


残念な話ですが、一部の過激な韓国人や社会主義者勢力によって「あいつらならやりかねない」というイメージが日本社会内に作られてしまっていたことは事実です。大きな災害時にそれが一気に吹き出して疑心暗鬼に取り憑かれてしまったんではないでしょうか。
だからと言って暴力が正当化されるわけではありません。...しかし、それでも嘘は許容できません。嘘で被害を「盛る」ことは、本当の被害者の被害性を覆い隠してしまう行為です。