「収奪論」以外が認められない韓国の話

韓国のある大学サークルが、ウェブマガジンに「植民地収奪論」と「植民地近代化論」を紹介し、今一度「自分自身で考えてみること」を提案した文章を載せました。
内容自体は両論をほぼ中立的な視点で扱っているようです。相当気をつけたんだろうと思います。
が、最後の「まとめ」部分で書き手は「収奪論が本質」「暴力性と強制性で苦痛を受けた」としつつも、ほんの一瞬だけ「収奪論」に偏りすぎた見方に疑問を匂わせています。
併合期は「史上最悪の植民地支配」という認識以外は認められない韓国ではわずかな疑問を差し挟むことすら許されないことです。

 

 

朝鮮日報の記事からです。

日帝強占期は韓国成長の基盤」成均館大サークルのネット文章が波紋


成均館大学校の学生たちが運営するウェブマガジンサークルで、日帝強占期に関する「植民地収奪論」と「植民地近代化論」を紹介した発言で論争が起きている。

11日、いくつかのオンラインコミュニティには「成均館ウェブジン」フェイスブック掲示された文のキャプチャー写真が拡散した。
当時のフェイスブックの文章には「学術」セクションで作成された文章を紹介し「今日は韓国民族の大きな痛みだった日帝強占期を眺める2つの視点について紹介しようと思う。日帝強占期を抑圧の歴史と見る見方のほかに、韓国の成長基盤が形成された時期と見る見方があることを知っていましたか」と書かれている。

続いて成均館ウェブジンは「今回の『学術』セクションでは『植民地収奪論』と『植民地近代化論』について説明した。学友の皆さんは日帝強占期に対する視野を広げ、自身の考えはどんなものか少し考える時間を持てばと思う」とした。

実際、成均館ウェブジン478号には「植民地収奪論」と「植民地近代化論」を紹介する文章が掲載された。この文章で成均館ウェブジンは「収奪論」を主張するシン·ヨンハソウル大名誉教授、ホ·スヨル忠南大名誉教授、「近代化論」を主張するイ·ヨンフン元ソウル大教授、キム·ナクニョン東国大教授らの言葉を引用し、朝鮮土地調査事業、産米増殖計画、朝鮮工業化政策などに対する2つの視線の違いを説明した。

該当文の「まとめ」部分で成均館ウェブジンは「ふと、これまで日帝強占期をどう見ていたのか悩む。あまりにも収奪論的に見ていたのではないかと思いつつも、収奪が本質だという考えは拭えない」とし「日帝強占期の中で多くの人が暴力性と強制性によって苦痛を受けた。植民支配の中で日本の近代性が韓国に一部移転された部分もあるだろう。しかし果たして我々が日帝強占期という時期について本質的に問いかけるべき地点が何なのかについて、改めて考える必要はないだろうか」と記している。

これに接したネットユーザーは「大学で植民地近代化論が出るとは思わなかった」「学校設立者のキム·チャンスク先生が独立運動に一生を捧げた方だということは知っているのか。恥じるべきだ」「近代化論は略奪正当化のために緻密に構成された論理」「いきなり他人の家に入ってもう少し金持ちにしてあげるから私をご主人様に崇めろというのと何が違うのか」「中立的にうまいっていて『まとめ』部分が問題だ」などの反応を見せた。

(後略)



「“일제강점기는 한국 성장의 기반” 성균관대 동아리 웹진 글 논란(「日帝強占期は韓国成長の基盤」成均館大サークルのネット文章が波紋)」より一部抜粋

この投稿はすでにフェイスブックから削除されているそうです。

物事を一つの定義だけで見ようとするのがそもそも無理な話なんですけどね。楽園じゃあるまいし、誰かが得をした以上、ワリを食った人たちもいたでしょう。投資や開発はゼロサムですから当然のことです。
それを敢えて一つの見方しか認めないことで思考が硬直化し、「正しい歴史認識」なんて虚構を巡る外交上の問題にまで発展してしまったということに、一体いつになったら気がついてくれるんでしょうか。