「日本海東縁ひずみ集中帯」での地震の話

昨夜の地震で少なくとも26人の方がケガをされたそうですが、幸い生命に別状は無いとのことでなによりです。
被害にあわれた方々にはお見舞い申し上げます。

一部では道路の陥没・隆起、液状化などの被害も出ているそうですし、熊本地震のように今回が余震で、次に本震が来る可能性があります。
在住の方、新潟・山形方面方へ行かれる予定のある方は十分にご注意なさって下さい。


日本海側の地震は、太平洋側の南海トラフのような、周期的に繰り返す巨大地震が知られておらず、記録などもあまり残っていないのだそうです。
そのため発生頻度や規模が大きい太平洋側にばかり目が向きがちで、地質調査データもあまり取られていないのだとか。

それでも、今回の震源となったあたりは「日本海東縁ひずみ集中帯」と呼ばれる海底断層の集中地帯ということは分かっているようです。

アメリカプレートがユーラシアプレートにぐいぐい押される圧力で逆断層型の地震の頻発地になっています。


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青のラインで囲った辺りが日本海東縁ひずみ集中帯の一部です。ホントはもっと北海道の方まで伸びています。
海底に見える縦ジワが多分ユーラシアプレートに押されて出来たひずみでしょうね。


この一帯を震源とした地震は、震源が陸地から近いために津波到達時間が短いことが特徴です。
今回の地震では最大波が「微弱」や「0.1m」程度のものだったので大事には至りませんでしたが、93年の北海道南西沖地震のときは地震発生から2〜3分で津波が到達し、200人を超える方々が犠牲になっています。


免震・耐震・制震技術の発達で地震の揺れには対処の幅が広がりましたが、津波に関しては「一刻も早く逃げる」が唯一にして最良の対応なのは、これからもきっと変わらないんでしょうね。