北朝鮮で拘束されていた豪人の大学生がよく分からない人な話

先月27日に北朝鮮で拘束されたと見られていたオーストラリア人の大学生アレク・シグリーさんが無事解放されたとのことです。
オーストラリアは北朝鮮に大使館を置いていない(国交を持っていない)ので、スウェーデン大使館が代理として解放交渉にあたっていたようです。
2016年に拘束された米国人のワームビアさんは意識不明状態での解放でしたから心配されていましたが、シグリーさんは健康面に問題はなく、現在北京に滞在しているそうです。
一部報道では日本に移動予定とのことです。昨年結婚された奥様が東京在住のためだろうと思われます。


よく分からない人

無事であったことは非常に喜ばしいことです。
が、この人の経歴がとても謎です。

ここからは完全な私見ですが、正直「よく分からない人」という印象を受けます。


朝鮮文学を専攻されており、平壌在住で金日成(キム・イルソン)総合大学の修士課程で学びつつ、欧米人をターゲットにした北朝鮮旅行会社を経営されていたそうです。

朝鮮文学を学ぶなら、わざわざ国交の無い北朝鮮でなく、オーストラリアにとって友好国である韓国でも良いのでは?と考えてしまうのは素人考えでしょうか…?
更に申し上げると、挙式はわざわざ北朝鮮で行われたそうです。


奥様は日本名です。
結婚された際にオーストラリア国籍を取得し、日本国籍を離脱したのか、初めから日本国籍外(例えば韓国籍朝鮮籍)だったのかは分かりません。
が、過去の報道でシグリーさんは奥様を「彼女が日本国民であるので、頻繁に訪れることは困難」と表現されており、これは妙です。
奥様が日本国籍を有したままであるのなら、シグリーさんも日本国籍を取得しているはずですから。
ところが、彼はオーストラリア人のままです。それなら、奥様は日本国籍を離脱してオーストラリア国籍を取得していないとおかしなことになります。

いずれにせよお二人の出会いは上海でオーストラリアで共の学び、平壌で挙式をし、妻は日本の東京、夫は北朝鮮平壌で暮らす、という随分変わった夫婦でいらっしゃるようです。
まあ、夫婦の在り方はそれぞれですけれどね。私の感覚に照らすと「変わっているな」という話です。


これは今年3月に朝鮮新報(在日朝鮮人向けの機関紙)がこの夫妻を取り上げた記事です。
昨年はSky Newsの取材にも応じています。
これらを見る限り、海外向けのプロパガンダに利用されていたのでは、という考えが正直捨てきれません。

プロパガンダに積極的に協力していたのか、結果的に利用されていたのかは分かりませんが…。
大学の教授陣にはオーストラリアや日本についてよく質問されるそうなので、北朝鮮側からは情報源の一つとして見られていた可能性もあります。

拘束理由は不明です。なにが都合の悪い情報を発信してしまったのかもしれません。