令和2年版防衛白書の話

今年の防衛白書が発表されました。
お隣では昨年、「韓国を否定的に書いた」「序列を下げた」って大騒ぎしていました。
それでも、昨年の防衛白書には「韓国と幅広い分野で防衛協力を推進するとともに、連帯の基盤を確立するために努力する方針」という記述があったのですけれど、今年はそれも削除されたとのことです。

そう言われましても、なんかあったら「GSOMIAなんていつでも破棄できるもんね!」と、紙切れ同然の扱いをしてくる相手と安心して協力推進なんて出来ませんよ。


ざっくり概要
  • 米国 : 安全症状の最優先課題は、修正主義勢力である中国・ロシアとの戦略的競争であると認識。特に、中国を第一の優先事項と位置づけ、中国に対する抑止を強化するため、インド太平洋地域の安全保障を最重要視。

  • 中国 : 核・ミサイル戦力や海上・航空戦力を中心に、軍事力の質・量を広範かつ急速に強化。
     世界の軍事動向について「インテリジェント化(智能化)戦争が初めて姿を現している」とし、軍による人工知能の活用などの取組。

  • 北朝鮮 : 前例のない頻度で弾道ミサイルの発射を繰り返すなど、大量破壊兵器弾道ミサイル開発の推進及び運用能力の向上を図ってきた。こうした北朝鮮の軍事動向は、わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威。

  • ロシア : 核戦力を含む装備の近代化を推進しているほか、軍事活動を活発化させる傾向にあり、その動向を注視していくことが必要。
     第5世代戦闘機や大型攻撃用無人機などの開発を進めているほか、宇宙・電磁波などの新領域における活動を活発化。


北朝鮮弾道ミサイル開発については、昨年と比べて写真が多く載せられていました。
韓国メディアによると、これは「異例」のことだそうです。

朝鮮日報の記事からです。

韓国にこれ見よがしに…日防衛白書の先頭に北のミサイル発射写真4枚


(前略)

防衛白書は「北韓が非常に早い速度で弾道ミサイルの開発を継続的に進めながら、昨年5月以来30発以上の新型と推定される短距離弾道ミサイルと潜水艦発射弾道ミサイルSLBM)などを発射した」と述べた。続いて「北韓は攻撃態勢の複雑化、多様化を執拗に追求し、攻撃能力の強化向上を着実に図っている」と指摘した。

韓国の国防部は昨年、北韓弾道ミサイル挑発に対して明確な立場を明らかにしない場合があったが、日本の防衛白書は、まるで韓国政府に見せつけるようにして、これを明らかな弾道ミサイルと規定して異例の4枚の写真を掲載した。 〜(中略)〜
防衛白書はまた、北韓核兵器の小型化、弾頭化を実現し、これを弾道ミサイルに搭載して我が国(日本)を攻撃する能力を既に有していると思われる」という表現を初めて記載した。

(中略)

日本は昨年の防衛白書で、日本の安全保障における韓国の重要度を大幅に下げ、韓国を否定的に描写した基調は今年も続いた。日本は昨年に続いて、米国を除いた他の国との二国間の防衛協力を重視しながら、韓国をオーストラリア、インド、アセアン(ASEAN)の後に韓国を配置した。昨年は「韓国と幅広い分野で防衛協力を推進するとともに、連帯の基盤を確立するために努力する方針だ」としたが、今年はこのような内容が削除された。

(後略)

朝鮮日報「한국 보란듯…日 방위백서 맨앞에 北미사일 발사사진 4장(韓国にこれ見よがしに…日防衛白書の先頭に北のミサイル発射写真4枚)」より一部抜粋


日本の防衛白書に「北韓」という単語は出てこないのですが、朝鮮日報の元記事が「북한」となっているのでそっちに合わせておきます。