競技には「ルール」があるから成立する話

中国で開催されたオリエンテーリング競技でホームチームである中国チームが失格になりました。(ソース
ミリタリーワールドゲームという競技大会で、その名の通り軍人スポーツ選手のための総合競技大会です。
今年は中国中部の武漢での開催でした。


オリエンテーリングというのは、地図とコンパスだけを頼りに、いかに早く目的地に到着するかを競う競技です。
落下傘で降下後、地図とコンパスを頼りに作戦実施時刻までに目的地に辿り付かなければならない、作戦実行後、時間までに回収地点(ランデブーポイント)まで辿り着かなければ帰れない…軍人には必須のスキルと言えますね。

英国の特殊部隊SASの選抜試験に似たような項目があります。こちらは、後ろから他の部隊が追いかけてくるそうで、捕まれば即失格になるのだとか…。冬には死者が出るケースもあるそうで…。
そこまで厳しくないにしても参加対象が軍人選手である以上、一般のオリエンテーリング競技に比べればハードな内容であると思われます。


今回失格となったのは中国の全チームです。

失格なので記録も取り消しなのですけれど、取り消し前の順位では女性チームが1位、2位、4位、男性チームが2位の成績だったそうです。


他のチームからの告発で発覚したところによると、観客から援助されていたとか…。
「彼らのために用意されたマーキングと小さな道を使っていたことが発見された」ということなので、地図に記載のない近道が用意されており、それを知らせる目印でもあったではないかと思います。


今年の4月には、ボストン・マラソンで不正を行った中国人が3人、終身参加禁止処分となりました。
中国では最近、にわかにスポーツブームが起こっており、気楽に始められるマラソンを中心に人気のようです。

ところが、マラソン大会での不正が多く、コースのショートカットやゼッケンを複製しての代走などの不正が横行しています。
健康促進が目的であれば、ショートカットも代走も全く意味がないのですけれど、いつの間にか「より早くゴールすること」に目的がスリ変わってしまうようです。
達成感や自己満足感が得られないのでしょうか?


もし、これが「勝つこと」が最終目的の戦争であるのなら、中国チームの「何をしてでも勝つ」「勝つことが全て」とする方針は正しいでしょうね。

でも「競技」と名が付いた以上は規定の制約(ルール)に則って勝たないと意味がないわけで…中国さんはそういう所はニガテそうです。

逆に日本は得意でしょうね。その代わり、いざ「ルール無用で自由にやっていい」と言われると動けなくなるのが日本です。
ルールは方針を定める際の枠組みや指針という役割もありますから。

「発想」の段階ではルールに囚われずに、「実行」の段階でルールに照らし合わせて考えられるのが理想かもしれません。