韓国での日本車販売が二ヶ月連続増加した話

2018年実績には及ばないものの、日本車の販売が昨年同月の実績を上回りました。昨年はちょうど不買運動真っ只中でしたから、復調傾向にあると言えます。

ヘラルド経済は、自動車だけでなく消費財全般の対日貿易赤字が拡大したと報じています。額は約20億(約2,070億円)で、これは不買運動開始前の昨年4月の約23億5千万ドル(約2,400億円)以来、最大の赤字幅となります。


中央日報の記事からです。

日本車存続、二ヶ月連続販売増


(前略)

4日、韓国輸入自動車協会(KAIDA)によると、先月トヨタの高級車ブランド、レクサスは韓国市場で871台を販売し、ブランド別販売順位8位に上がった。9月に(701台)と比べても24.3%増えた数値であり、前年同月より2倍近く販売増加した。
レクサスの主力モデルであるES300hは547台が売れ、車種別順位でもトップ10に入った。

トヨタも先月553台を販売し、ブランド別で9位だった。やはり主力モデルである中型セダンのカムリ(248台)がよく売れ、スポーツユーティリティーSUV)車のRAV4も9月に販売台数を引き上げた。トヨタ9月(511台)と、前年同期(408台)よりも多く売れた。
ホンダも先月311台を販売し、9月(244台)より販売数を増やした。

(中略)

輸入車業界ではまだ日本製品不買運動の影響があるが、日本ブランドが「ノー割引」政策から抜け出し、積極的なプロモーションを行っており、商品性を認められた車種を中心に販売が回復していると分析する。

(後略)
中央日報「일본 차가 살아난다, 두달 연속 판매 증가((日本車存続、二ヶ月連続販売増)」より一部抜粋


「ノー割引」とは、トヨタやホンダ(や日産)などが韓国で行っていたブランドイ・メージ戦略を指します。そのままズバリ「割引はしません」です。
値引き交渉をしようとすると、こう言われて断られるそうです。
※過去に読んだ韓国メディアの記事では、「ノー割引」戦略について、トヨタもホンダも(日産も)「財務状態が悪いから値引きしたくても出来ないんだ」的な記事を書いていましたが、どこまで本当か分かりません。


レクサスはこの前、ES300hの2021年型の発表も行いました。
お値段はモデルによって違いますが、6,110万ウォン〜6,710万ウォン。日本円にすると562万円〜617万円です。(ちなみに、日本公式サイトのES300hの車両本体価格は599万円)

日韓で「ブランド車」に対する価値観の違いはあるでしょうし、私自身、車に対して興味がないので一概には言えないかもしれませんが…でも、どうです?20〜30代の「一般庶民」がおいそれと購入するでしょうか?


私は、不買運動はやりたい人は勝手にやれば良い、とずっと思っています。

でも韓国でここ最近起こっている不買運動の妙な点は、愛国を叫び(強要し)親日を糾弾している政府の購入品目には日本製品が増えていたり、高級車レクサスが販売台数を伸ばしていたりと、普通の一般庶民が一番割りを食っているように見える所なんです。

マスコミは声高に「ユニクロを買うな、日本製品を使うな、輸出規制を忘れたのか」という論調の記事を書いて庶民を鼓舞(?)します。
庶民からは日本製品という選択肢を一つ取り上げてしまうわけです。まるで買えば売国奴と言わんばかりに。
その一方で、一部の高所得者層は何食わぬ顔をレクサスを乗り回す…気のせいでしょうか?韓国社会の中の上と下を分ける線が、「日本不買運動」というフィルターを通して見えそうな気がします。