ユニクロと無印の公式アプリ利用者数が不買運動以前の水準に戻りつつある話

日本不買運動のアイコン的扱いを受けているユニクロと無印ですが、公式アプリの使用率をチェックしてみると以前のレベルに戻っているようです。
ユニクロの不買については「不買で大打撃」説と「不買は終わった。ヒートテック無料配布で長蛇の列」説、「いやいや、クレカ決済情報を見てみれば不買は継続している」説…など、コロコロ変化しています。
今回はちょっと視点を変えて、公式アプリの使用状況からのアプローチです。

韓国はキャッシュレス化が進んでいて、およそ90%と言われています。

初めははクレジットカードが圧倒的でしたが、設定の煩雑さから簡易決済(モバイル決済)が増えています。
日本と同じで〇〇Payに事前にチャージしておいて使う方法ですね。
ですから、クレカの決済額で追いかけられるのはチャージされるまでです。それがユニクロや無印で使われたかどうかは分からないわけです。
ユニクロや無印の客層がオンラインも含めて、クレカ派よりモバイル決済派が多数派になっていたら、全く様相が変わってしまうことになります。


ソウル新聞の記事からです。

オンライン線「日不買運動」の終わり?..ユニクロアプリ使用率高騰、かつての水準を回復


強制徴用損害賠償判決に不満を抱いて対(對)韓国経済報復に乗り出した日本を批判するために、昨年熱くなった日本の不買運動がオンラインを中心に実質的に姿を消したようだ。昨年、不買運動で急激に減ったユニクロなど日本ブランドの国内モバイルアプリユーザは年末に入り、ほとんど不買前のレベルに回復したことが分かった。

5日、モバイルビッグデータプラットフォームメーカー、アイジーワークスの「モバイルインデックス」によると、Android基準のユニクロモバイルアプリの11月月間ユーザ数(MAU・一ヶ月間そのサービスを重複利用していない利用者数)は 68万8714人 を記録した。これは昨年、日本製品不買運動ブームの一期前の上半期平均(71万1924人)に迫るものである。

ユニクロアプリのMAUは不買運動が本格的に火が付いた7月から急減し始めた。9月には 27万6287人 まで減少したが、以降10月に入って 50万6002人 を記録するなど急反発を示した。5ヶ月が過ぎた12月には 61万8684人 を記録した。

日本の生活用品ブランドである「無印良品」アプリユーザも似たような様相を見せ回復傾向を示した。

昨年9月に 2万9008人 で底を打ったあと無印良品アプリのMAUは10月に 4万48人 、11月に 4万4672人 、12月に 4万5523人 など反発し、上半期の平均値(5万4628人)の83%まで回復した。

(後略)

ソウル新聞「온라인선 '日 불매운동' 끝?..유니클로 앱 사용 급등, 예전 수준 회복(オンライン線「日不買運動」の終わり?..ユニクロアプリ使用率高騰、かつての水準を回復)」より


熱しやすく冷めやすい、というのを揶揄して韓国では「鍋根性」なんて言ったりするようです。 金属鍋なんでしょうね、土鍋は保温に適していますから。

馬鹿にするつもりはありません。
どちらかというと、思っていたより冷静な人が多いのだな、という印象です。

ユニクロや無印を攻撃したとして、それが「対日本政府」への抗議に結びつく、と考えるほうがムリがあります。国営企業じゃあるまいし。


韓国ユニクロは2018年9月〜2019年8月(2019会計年度)の売上げ高が前年比で約15%減少しました。
不買運動が激化した7、8月の影響をモロに受けた格好です。

10月以降に回復したアプリ利用者が以前と同様に消費行動を取っているのなら一時的な減収で済みますが、約15%減少した売上げのツケは株式の49%を保有しているロッテショッピングへの配当中止という形で支払われることになりました。(2011年配当開始以来、配当実施なしは初めて)

結局、一番損をしたのは誰なのでしょうか?