親日断罪で貨幣の絵柄を変える話

韓国のお札と一部硬貨の図案が変わることになりそうです。
描かれている絵の問題ではなく、描いた画家が「親日派」認定されているからです。

韓国の偉人は標準の肖像画が政府によって公式に設定されています。当時に描かれたものではなく、近現代の画家によって描かれたものです。
2009年に親日反民族行為真相究明委員会によって親日反民族行為者に分類された3人の画家が3紙幣、1硬貨に使用されている標準肖像画の作者でした。


中央日報の記事からです。

100ウォン硬貨の李舜臣、顔変わるか...「親日画家が描いた」


(前略)

10日、韓国銀行によると貨幣図案の偉人肖像に対する政府の標準遺影指定が解除された場合、韓銀は図案変更を検討する計画である。先だって韓銀は貨幣の公共性を考慮して、政府が決めた標準遺影を貨幣図案として使用してきた。

標準遺影は一人の人物の遺影が乱立することを防ごうと文化体育観光部長官が一つに指定したものである。最近、標準遺影を描いた作家が親日行跡者に分類されて、これらが描いた標準遺影指定を解除しなければならない、という意見が出た。

現用貨幣の100ウォン(李舜臣)、5000ウォン札(栗谷李珥)、1万ウォン札(世宗大王)、5万ウォン(申師任堂)の政府標準遺影の作者たちは、2009年の大統領直属の親日反民族行為真相究明委員会から親日反民族行為者に分類された。李舜臣の遺影はチャン・ウソン画伯が、栗谷李珥と申師任堂の遺影はキム・ウンホ画伯が、世宗大王の遺影はキム・キチャン画伯が描いた。

これらのうち100ウォン硬貨に刻まれた李舜臣将軍の遺影が最初に変わる予定である。去る6月、顕忠祠管理所は100ウォン標準遺影の指定解除を申請した。これにより、文化体育観光部遺影像審議委員会でも解除を審議中であり、近いうちに結論が出る見通しだ。

(中略)

5000ウォン札、1万ウォン札、5万ウォン札などの紙幣は現在の標準的な遺影の指定解除申請が受理されていない状態だ。ただし、パク・ヤンウ文体部長官は、先月の国政監査で忠武公の遺影の他、親日論議がある画家が描いた遺影13点を所有者の申請がなくても文体部が指定解除できるか検討すると述べた。

中央日報「100원 동전 속 이순신 얼굴 바뀌나…"친일 화가가 그렸다"(100ウォン硬貨の李舜臣、顔変わるか...「親日画家が描いた」)」より一部抜粋


代わりの肖像画をどうやって用意するんでしょうね?
お金だけなら肖像画を止めるって手もアリですけど、これはそれだけではなく教科書などに載せる標準肖像画をどうするのか?って次元の話ですから…。

しかし…わざわざ「標準」を定めないといけないってことは、当時に描かれた肖像画などは残っていないということなんでしょうか?
それとも現代の価値観で立派に見えるよう拘っているのでしょうか?

日本だと逆で、近代の画家が描いた肖像画を教科書に載せることはまずないですよね。(そのため、いきなり「あれ、実は別人でした」で載らなくなったり)

日本のお札で選ばれるのがほとんど明示以降の人(聖徳太子紫式部は別として)なのは、偽造防止の観点から精密画にする必要があるためだそうです。 なので精密な写真や絵画が手に入る人物に限られます。
過去には伊藤博文板垣退助などの政治家・軍人も図案になっていますが、最近は政治色を排除して文化人を採用する流れだそうです。