共同宣言の話

文在寅・菅宣言」とか、よく分からないものが出てきました。9日に訪日したパク・チウォン国情報院長が菅首相に会って提案したとか。
内容についてはよく分かっていないのですが、具体的ではなかった、として日本側は難色を示したそうです。
恐らく、1998年の日韓共同宣言と似たようなものと思われます。
ただそうすると、98年の日韓共同宣言は65年の基本条約をベースとした友好協力関係を再確認することを根幹にしているので、基本条約を蔑ろにされている現状で、日本側が受けれられるわけがありません。


MBCニュースの報道からです。

文在寅・菅宣言」の提案?...線引いた日本


(前略)

パク・チゥオン国家情報院長は昨日、日本の菅総理と会った席で、所謂「ムン・ジェイン・菅共同宣言」を提案した、と日本のマスコミが報じました。

(中略)

しかし、日本のメディアは菅首相が難色を示したと伝え、官房長官も具体的な内容がなかったと切り捨てました。
加藤勝信官房長官
「新しい共同宣言の作成を含めて、日韓関係の具体的な提案はなかったと聞いています」

パク院長はまた、東京オリンピックを関係改善の重要な契機と見て提案したと伝えられました。
韓国の立場では、南北共同入場など、南北関係改善の切欠として、日本の立場では、拉致問題解決の切欠と見ることができます。

(中略)

菅就任後、韓国経済人の入国を優先するなど雰囲気が少し変わりましたが、賠償問題はすべて解決されたという65年請求権協定の枠組みを維持するのは安倍の時と同じように不動の姿勢です。

(中略)

韓国政府は外交当局間協議や、高官や政治家の訪日など接触面を増やしているが、日本が一歩も引かない状況でややもすると韓国だけが解決を急いでいる印象を与える恐れもあるように見えます。
MBCニュース「'문재인-스가 선언' 제안?…선 그은 일본(「文在寅・菅宣言」の提案?...線引いた日本)」より一部抜粋


何も進展が無いんですから日本が難色を示すのは当然という感じがします。
というか、経済人の入国についてはコロナの問題なので、別に韓国に融和的になったとか、日韓関係の問題ではないと思うんですけど。


韓国が接触を増やしているのは確かですが、逆に言うと「会いに来ているだけ」です。具体的な解決策の提示はまだありません。
「やってます」アピールは良いのですが、時間制限のある戦略です。進展がないのにやり過ぎると逆効果ですね。


韓国側がやたら会いに来たり、宣言の提案をしたりする背景には、「形」に拘るお国柄もあるのかな、という気がします。
南北関係でも先に「終戦宣言」をしようとしたり、「平和」をアピールしたり、実態の伴っていない形式にやたらフォーカスするんですよね。これも体裁の一種でしょうか?