米韓国系市民団体、対北ビラ禁止法に関する聴聞会反対の話

米国の韓国系市民団体が、ワシントンの議事堂前で「対北ビラ禁止法聴聞会開催に反対する」という立場表明の記者会見を開きました。
「対北ビラ禁止法は南北間の葛藤を引き起こす行動を止めるためのもので、平和プロセスに貢献している」というのがその主張の主な趣旨です。どこかで聞いたような話ですね。

これに対し、米議会の聴聞会を阻止することは「米議会の表現の自由」を阻害する行為、という批判が米国の民間団体から上がっています。


VOAの記事からです。

米韓人団体「対北ビラ禁止法聴聞会の開催に反対」...人権専門家「聴聞会を阻止してはならない」

(前略)

米国のある韓人団体が4日、米国ワシントンの議事堂前で記者会見を開き、議会傘下の超党派機構である「トム・レントス人権委員会」が韓国の対北ビラ禁止法と関連して開催予定の聴聞会に反対するという立場を表明しました。
ニューヨークに住む韓国人たちが中心となって活動する「4.27民+平和共助米州委員会*1」は米議会と政府が対北ビラ禁止法を「避難せず支持することで韓半島の平和プロセスに積極的に参加して欲しい」とし「南北間に葛藤を起こす行動を中断して欲しい」と明らかにしました。
そして「トム・レントス人権委員会が対北ビラ禁止法に関する聴聞会を開催することに反対する」と述べました。

(中略)

[録音:チョ・ウォンテ牧師]「1月中に予告された聴聞会に強く反対しています。なぜなら、対北ビラ禁止法自体が、私たちは平和法だと確信しており、これが国境地帯の250万人の南北居住民の生命と安全だけでなく、一触即発の危機状況に常にさらされている韓半島に非常に重要な法だと考えるため、聴聞会は韓半島の平和に全く訳に立たないと考えるため反対しています」

また同団体は「対北ビラ禁止法は表現の自由に対する本質的な制限ではなく、ビラ散布行為とこれによって国民の生命に深刻な危険をもたらす場合という2つの要件を満たす場合に制限する」と強調した。

(中略)

しかし、米国内の人権専門家らは米議会で開かれる人権聴聞会を阻止してはならないという立場です。

ワシントンの民間団体「北韓自由連合」のスーザン・ショルティ代表は同日、VOAとの電話インタビューで「米議会がこのようなことを議論するのを遮ろうとするのは、米議会の表現の自由を食い止める行為だ」とし「これは大変間違っている」と主張しました。

(中略)

そして「韓国政府は表現の自由を重要視する国際社会の保守陣営と進歩陣営のいずれからも批判を受けている」と述べた。
ショルティ代表はまた米国が「対北ビラ禁止法」関連の聴聞会を開くのは内政干渉ではないとし、韓国も米国内の懸念状況について韓国国会で聴聞会を開くことができると強調しました。

(中略)

北韓人権委員会のグレッグ・スカラチューブ事務総長はこれに先立ち、VOAに対し「重要なのはトム・ラントス人権委員会が対北ビラ禁止法に関する聴聞会を必ず開くことだ」と述べ、ロバート・キング元国務省北韓人権特使も「米国議会が非常に適切に対北ビラ問題を議論している」と語りました。

(後略)

VOA「미 한인단체 "대북전단금지법 청문회 개최 반대"…인권 전문가 "청문회 막아선 안돼" (米韓人団体「対北ビラ禁止法聴聞会の開催に反対」...人権専門家「聴聞会を阻止してはならない」)」より一部抜粋


各国在外公館に説明資料を配っているはずですが、全く理解を得られていないようです。韓国の主張を正当化するために安易に外国の事例(チェコ)まで持ち出して反感を買ったのにね。


*1:原文「4.27민+평화 손잡기 미주 위원회」。「손잡기」には「手を取り合う(協力する)」という意味がある。が、ゴロが悪いので「共助」と意訳。