天安艦事件の再調査の話

2010年3月26日に発生した韓国海哨戒艦「天安」号の沈没は北朝鮮の小型潜水艦から発射された魚雷によるもの、と結論付けられています。
これは韓国だけで出した結論ではなく、米、英、豪、スウェーデンの専門家を含む軍と民間の合同調査団によって出された調査結果です。

ところが、今になっていきなり再調査の話が持ち上がりました。


朝鮮日報の記事からです。

「天安艦陰謀論」を受け、再調査に着手..生存将兵「大統領府の前で死にたい気分」


大統領府所属の軍死亡事故真相究明委員会(以下、委員会)が哨戒艦「天安」沈没事件の調査開始を決定した。「天安座礁説」を絶えず提起してきたシン・サンチョル氏の主張によるものだ。遺族と生存将兵らは強く反発している。

(中略)

再調査の発端となった陳情は「天安」事件の原因について座礁説など疑惑を絶えず提起してきたシン・サンチョル氏が出した。委員会は「天安」の軍民合同調査団委員としても活動したシン・サンチョル氏が「死亡事件の目撃者から伝え聞いた人」という陳情者要件に該当すると判断した。同関係者は「陳情を受け付けた以上、関連法令による却下事由に該当しなければ調査開始の決定をせざるを得ない仕組みだ」と説明した。

(中略)

オンラインメディア・サプライズ代表を務めたシンさんは2010年、事件発生後に民主党(現・共に民主党)の推薦で民・軍合同調査団に合流した。シンさんは2ヶ月後、政府が合同調査団の調査結果をもとに「天安が北韓軍の魚雷に被弾し沈没した」と公式発表したが、「沈没原因が捏造された」などの主張を繰り返した。

天安艦襲撃事件の戦死者遺族と生存将兵はシンさんの陳情を却下しない委員会の決定に反発している。生存者予備役戦友会の会長チョン・ジュンヨン氏は1日、天安襲撃事件の原因再調査に着手したという知らせに接した後、フェイスブックに「国が狂った。46人の死亡原因を再び明らかにする」とし「体にガソリンを掛けて大統領府の前で死にたい気分だ」と述べた。

(後略)

朝鮮日報「'천안함 음모론' 따라 재조사 착수..생존 장병 "靑 앞에서 죽고 싶은 심정"(「天安艦陰謀論」を受け、再調査に着手..生存将兵「大統領府の前で死にたい気分」)」より一部抜粋


なぜ今なのでしょう?

再調査の目的が「証拠捏造の陰謀論」を根絶するため、という前向きな(?)目的のためであれば良いのですが、最近の韓国を見ているとどうしても北朝鮮擁護のためではないかと思ってしまいます。

つい先日の「西海守護の日」にも国立墓地への弔花がその日のうちに撤去されるという事がありました。
追悼式典のわずが2時間半後のことです。
翌日から強い風雨が予想されていたから、とされていますけれども、まもなく訪れる「天安艦事件」の意味の変化(北によるの攻撃→座礁事故で沈没)を暗示していたのかもしれません。