韓国企業「高純度フッ化水素(15N)の国産化に成功。国内技術が日本技術を追い抜いた」報道...虚偽だった話

2〜3日前、韓国のラムテクノロジーという企業が高純度フッ化水素15N(99.9999999999999%)の特許を取得した、という報道がありました。日本は12N(99.9999999999%)ですから、本当だとしたら(・・・・・・・)とんでもないブレイクスルーを成し遂げたことになります......が、嘘でした。というか多分、詐欺です。

メディア向けにメール配布されたプレスリリースが情報源だったのですけれど、ラムテクノロジー「当該報道資料を作成・配布した事実がない」と発表したことで虚偽情報であったことが発覚したそうです。
結果として虚偽だった最初の報道を受けて、ラムテクノロジーの株価は2日間ストップ高(29.97%)で取り引きされ後急落するなど、乱高下しており、株価釣り上げを狙った計画的詐欺ではないかと思われます。

 

 

ニュース1の記事からです。

日本より進んだ技術力?ラムテクノロジー詐称「虚偽報道資料」の顛末は


半導体素材企業ラムテクノロジーを詐称した「偽報道資料」がコスダック市場を揺るがした。

23日、化学業界によると、前日に一部メディアに「ラムテクノロジー、世界最高超純度気体·液体フッ化水素同時生産技術開発!」というタイトルの報道資料が配布された。

資料には「ラムテクノロジーで革新的な超高純度フッ化水素生産技術を開発済みで特許を取得した」とし「最も驚くべきことはフッ化水素の純度で、1000兆分の1、純度の数字で表記すると純度99.9999999999(15N)」という内容が書かれている。

また「これは現存する超高純度フッ化水素の中で最も純度が高く、ついに国内技術が日本技術をリードすることになった」と付け加えた。ネイバー電子メールを書いた発信者はこの偽の報道資料を送りながら記者に「『半導体の日』を迎え、韓国企業に世界最高の超純度気体·液体フッ化水素を同時生産できる技術を開発し、特許を取得したうれしいニュースを報道資料で準備してみた」とし、実際ラムテクノロジーの会社の電話番号と担当者内線番号まで記載する緻密さを見せた。

しかしこのような内容の報道資料は、会社とは全く関係のない、ラムテクノロジーを詐称して配布した「偽の報道資料」であることが明らかになった。

ラムテクノロジーはこの日、マスコミに配布した公文書を通じて「22日に『純度フッ化水素技術開発』というタイトルで配布された報道資料は、当社およびIPR代行社で作成された資料ではないことをお知らせする」と明らかにした。

ラムテクノロジーは「当社が10月1日に『超高純度フッ化水素の精製方法および装置』に対する国内特許を登録したことは事実だが、22日公示および報道資料で該当内容を明らかにしたことはない」とし「すでに11月15日に公示した四半期報告書に関連内容を記載した」と説明した。

偽の報道資料で特に問題になった部分は「純度99.99999999999999(15N)、日本より進んだ技術力」という文句で、一部マスコミはこれを引用して日本の素材輸出規制を克服したかのように浮上させて報道した。
これについてラムテクノロジーは「この文言は事実ではなく、超高純度フッ化水素精製で半導体用フッ酸製品の単一金属不純物の濃度を1ppt(1兆分の1)以下の水準まで目標にしている程度」と説明した。

(中略)

ラムテクノロジーは22日にストップ高を記録し、23日にも取引開始直後に反発したが、同日に会社側が公式表明を受けると、前営業日比1480ウォン(-16.65%)安の7410ウォンで取引を終えた。



ニュース1日보다 앞선 기술력? 램테크놀러지 사칭 '가짜 보도자료' 전말은(日本より進んだ技術力?ラムテクノロジー詐称「虚偽報道資料」の顛末は)」より一部抜粋

「日本より進んだ技術力」と、韓国メディアが好みそうな文言をわざわざ入れるなど凝ってますね。これも一種の「用日」と言えますでしょうか。
ただ、私は虚偽報道が出てからこの報道に触れました。なので大手メディアはさすがに裏取りなしでは報じなかったんじゃないかと思います。送信に使われたメールアドレスは会社の公式のものではなくNAVERのアドレスだったそうですし。



ラムテクノロジーが特許を取ったのは、高純度フッ化水素全体の不純物のレベルを下げて15Nにするのではなく、三フッ化ヒ素(AsF3)という単一物質の含有量のみを12Nから15N品質にするというものだそうです。