イ・ジェミョンさん、外信との討論会で「日本はドイツに学べー」「日本は軍国主義を追求する傾向がー」「中国は戦略的パートナー」と主張した話

「日本はドイツに学べー」とか、「日本はいまだ朝鮮半島への侵略の野心がー」とか、韓国ウォッチングをしているとよく聞く話です。ネットニュースのコメントレベルではなく、ある程度の知識を備えていると思われる人物の寄稿文などでも、こうした認識を前提にした論調が溢れています。

ドイツの戦後処理の実態や是非、日本の大陸進出野心?なにそれ美味しいの?とかは今日のネタの本題からはズレるのでここでは触れません。
今日は、この手の主張を与党大統領候補が公式に記者に対して話した、というものです。しかも外信相手にです。
国内メディア向けなら、不正疑惑で落ち込んだ支持率回復のためのパフォーマンスと取れなくもないんですけれど、外信相手ということは、これは「自分が大統領になったらそうした認識の元、外交政策を実施する」宣言に等しいのではないかと。

ちなみに中国との関係については「戦略的パートナー」と話しています。

 

 

オーマイニュースの記事からです。

イ・ジェミョン「日本、戦後ドイツに学ぶ必要がある」


イ·ジェミョン共に民主党大統領選候補が韓日関係改善のためには過去史と経済·社会問題を区分する必要があるが、日本の保守勢力の態度変化も必要だと一喝した。彼は日本が戦争の責任を認め、被害国家に謝罪したドイツを学ばなければならないとも述べた。
イ·ジェミョン候補は25日、ソウル市中区プレスセンターで開かれた外信記者クラブ招請討論会で、日本<共同通信>の記者から「日本では候補がこれまで(日本に関して)強硬発言をしてきており、大統領になれば韓日関係がさらに難しくなるという懸念が日本にあるのは事実だ 実用外交を対日関係にどのように適用すべきか」という質問を受けた。損害賠償訴訟に勝った強制動員被害者たちが日本企業の資産差し押さえを申請した状況などを、どう解決するつもりかという問いもあった。

イ候補は「大韓民国の外交懸案の中で最も深刻で、また難しい懸案に対しても色々と一度に聞いた。かなり時間をかけて答えなければならないようだ」と答弁を始めた。「韓国と日本は非常に地理的に近く、歴史的に文化的交流も多い」としながらも「近世史には日本が韓国を侵攻し、長い間韓国民衆に莫大な加害行為をした歴史がある」と指摘した。

イ候補は「国家と国家間の関係、国民と国民間の関係、政治集団と政治集団の関係は分離されなければならない」とし「個人的には日本国民と国家そのものを尊重し愛している」と明らかにした。しかし「日本の現実政治勢力は、一時は謝罪し、一時はそれを否定しながらも『我々に何の過ちがあるのか。『一度謝ったというのに何をしきりに謝るのか』という集団もある」とし「戦後ドイツが欧州諸国に取った態度を日本は少し学ぶ必要がある」と指摘した。

特に「日本の政治勢力の一部は軍国主義を追求する傾向もないとは言えないだろう。国内的必要から不必要に対外的緊張関係も作り出す場合もある」と日本の右傾化を批判した。また「国と国との関係、国民との関係のためにも(韓日)関係は正常化し、未来志向的に進まなければならない」としながらも「現実的に特定の政治権力が国と国民の利益により合致するよう意思決定し、行動する必要がある」と付け加えた。

(中略)

また「徴用問題関連判決の強制執行問題は(日本が)相手国の現実的問題を少し認める必要がある」とし「韓国は立法、司法、行政が明確に分離してすでに行われた判決を執行しないというのは事実上不可能だ。この前提の下で問題の解決点を探さなければならない」と述べた。

産経新聞>記者は、さらに日本と安保協力を強化する必要があるのか、過去に日本を「軍事的に敵性国家」と表現したことがあるが、依然として同じ考えなのかを問うと、イ候補は改めて日本の保守勢力の問題を指摘した。イ候補は「安保協力も十分に可能だが、過去の歴史と独島、右傾化などを見ると我々としては当然心配するほかない」とし「2〜3年前、いわゆる『輸出規制』という方式で韓国に対する一種の経済攻撃を試みたのも事実」と述べた。

中国<人民網>の記者は、韓中関係をより強固なものにする案は何かと尋ねた。イ・ジェミョン候補は「半島国家は強力な国防力を含む国力、その基礎の上に国家リーダーが明確な意志を持って自主的な外交、バランスの取れた外交をしていく時に繁盛する」と述べた。続いて「われわれは韓米同盟を深化·発展させなければならず、近くて経済交易規模が大きくなる中国との関係も軽視しにくい」とし「中国とは戦略的協力パートナーという関係を引き続き発展させていかなければならない状況」と述べた。
大韓民国外交の原則は国益中心の実用的外交を基調とすべきだ。そのため選択を強要されるのではなく、選択できる状況を絶えず作っていくことが、韓国外交の方向でなければならない」

(後略)



オーマイニュース[영상] 이재명 "일본, 전후 독일을 좀 배울 필요가 있다"(イ・ジェミョン「日本、戦後ドイツに学ぶ必要がある」)」より一部抜粋

以下はこの記事についていたコメントの一つです。「いいね」が二番目に多かったもので378です。

イ・ジェミョン候補の正確な指摘だ。日本政治支配勢力(正確には日本の極右政治勢力)は、自分たちの政治的目的のために韓国に挑発するものだ。したがって、私たちがしなければならないことは、日本の極右政治勢力と日本国民や良心勢力は分離して対処する必要があり、人類普遍的な情緒に基づいて日本極右勢力の態度変化を国際社会に訴え、良い方向に牽引することができるしかない。韓国との関係悪化が日本に決して利益をもたらさないという認識を確実に植える必要があるということだ。今、韓国は日本を管理しなければならない。


「日本はドイツに学べー」「日本はいまだ朝鮮半島への侵略の野心がー」「日本の極右がー」「アベガー」...こうしたモノの考え方が韓国人のアイデンティティである以上、「話せば分かる」や「分かって貰えないのは日本の誠実さが足りないから」は通用しないと思うんですよねぇ...。

 

リンゴが嫌いな人に如何に梨よりリンゴが素晴らしいかを力説したところで理解して貰えないのと同じで、何をしても「日本の謝罪が足りない」「日本の大陸侵略の野心」を前提に「日本」を見ている人には通じません。
それを理解した上で韓国とのお付き合いを考えていくためにも日本人は基礎情報として、これが韓国の基本的価値観で国のアイデンティティに直結する考え方だってことを知っておかないとダメかと思います。
バカにしてるんじゃないですよ。「これが韓国という国だ」ってちゃんと認めようって話です。