紙幣偽造防止ホログラムは100%日本企業製...なぜか今頃になって指摘されている話

パスポートや紙幣(5千円札と1万円札)には偽造防止用のホログラムが付けられています。日本ではTOPPANがISO14298という国際規格のセキュリティ規格認定を取得しており、高い技術を持っています。

TOPPANは2019年の「ノージャパン」ブームの最中に釜山やソウル市が立案した「戦犯企業と定義された企業の製品を市が購入しない努力義務を課す条例」の「戦犯企業リスト」に入っています(韓国政府が把握している戦犯企業273社の中には入っていない模様?)。
この条例では、すでに使用済みの製品に関しては「戦犯企業の製品」ステッカーを貼るなどの話も出ていました。

しかし今現在、この条例の実効がどうなっているのかよく分かりません。所詮「努力義務」。条例可決というパフォーマンスのためだけのものだった可能性も否定できません。なんせ、凸版のホログラムが無いとパスポートも紙幣も発行できないので。まさかパスポートと紙幣に「戦犯企業の製品」ステッカーを貼って回るわけにもいかないでしょう。

パスポートのホログラムに関しては確か2019年当時に一部で報道されていたと思います。曖昧な記憶ですが。
その時、日本のネットでは「紙幣もだぞ」とツッコミが入っていたはずです。韓国は(都合の良いことに)今まで把握していなかったようです。なぜか今になって騒いでいます。

 



ニューシースの記事からです。

5万ウォン・1万ウォン札偽造防止ホログラム...知ってみれば日本産だった


(前略)

2019年に国内で製作された電子パスポートの表紙がTOPPANの製品で作られているという点が知られ批判があったが、貨幣に使われているホログラムまでTOPPANが製造したことが知られ議論が起きる見通しだ。

国会企画財政委員会所属のコ・ヨンジン議員が造幣公社から受け取った資料によると、5万ウォン札、1万ウォン札、5000ウォン札に使われているホログラム資材は100%日本のTOPPANから輸入されていることが分かった。

この5年間、ホログラム収入のために支払われた予算は228億ウォンで、年平均45億ウォンに上ることが分かった。

造幣公社は毎年120億ウォン規模の予算を投入し、貨幣やパスポートなどに使われる素材の国産化開発に向け技術開発や研究を行ってきた。

ホログラムの国産化のために支援された研究開発義業も2009年および2014年に試みられて以来、品質が良くないという理由で中断された状態だ。

造幣公社側は「ホログラム国産化のために努力をしているが、偽変造防止のための韓国銀行の高い銀行券品質要求水準に符合せず日本産を輸入するほかはない」という立場だ。

(後略)



ニューシース「5만원·1만원권 위조방지 홀로그램…알고 보니 일본산이었네(5万ウォン・1万ウォン札偽造防止ホログラム...知ってみれば日本産だった)」より一部抜粋

日本だから気に食わないんでしょうね。わざわざ金額まで出して。
国産だったら韓国企業が得られたであろう利益を「掠め取られている」と、よく分からない剝奪意識を持っているように受け取れてしまいます。

調べてみたところ、2021年の年初と去年の9月頃に偽造防止ホログラム関連のネット記事がありました。どちらも蔚山科学技術院エネルギー科学工学科教授のイ・ジンソクさんという人の研究開発に関するものです。どこか海外の大学に居たらしいのですけど、自身の研究内容は韓国内で競争力があると考え、2019年にAMHOLOというスタートアップ企業を設立。2021年の記事で「新しい源泉技術が出てきた」と紹介されています。
今年に入ってから関連報道は無いようです。もしかしたら、次の新紙幣発行のタイミングで国産に切り替えるというような話も出て来るかもしれませんね。