ピークの見えない韓国、続々と防疫措置を緩和している話

日本では21日にまん延防止等重点措置がすべての県で解除されることが決まりました。この後どうなるかは分かりませんけど、とりあえず一区切りという感じです。
一方、韓国では一日のコロナ確定者が連日過去最高を記録しており、あれよあれよで50万人。まだピークアウトの兆しが見えていません。
それにも関わらず、韓国政府は今月23日頃に「ピーク」を迎える、との予想のもと、早期の防疫緩和を始めています。何か焦っているように感じるのは気の所為でしょうか?

 



東亜日報の記事からです。

[社説]確診者が増えるほど緩くなる防疫、果たしてこれが正常なのか


今日午前に発表される0時基準のコロナ19日の確診者は初めて50万人を超えるものと見られる。この1週間、人口比1日平均の確診者規模も年明けの米国や英国のピーク当時より2倍以上多い。西欧圏ではオミクロン以前から患者が殺到し、自然免疫が一部形成された状況だったことを考慮しても韓国の確診患者の急増の勢いは憂慮される水準だ。

医療体系の負担は日々大きくなっている。重症患者の規模が連日過去最多を記録し重病患者の病室不足が懸念されている中、一線の病院はコロナ19検査、確定診断、治療まで受け持ち過負荷がかかっている。風邪薬やタイレノールさえ手に入らず困っている在宅治療者が少なくない。増えつつある死亡者に火葬施設が耐え切れず、やむを得ず5、6日葬を行う事例まで出ている。

それにもかかわらず、政府は持続的に防疫措置を緩和している。今月に入って防疫パスを全面的に中止し、私的な集まりの制限を緩和したのに続き、キム·ブギョム首相は昨日、1級感染病に指定されている「コロナ19」の等級緩和の可能性をほのめかした。21日からはワクチン接種を完了した海外入国者に対して隔離措置を免除する。距離を置く措置をさらに緩める案も議論されている。英国やフランスなどが流行のピーク後、防疫緩和を開始したのとは裏腹に、韓国はピーク前の扉を開けている。

政府は23日ごろから確定患者の増加傾向に歯止めがかかると見ている。しかし、早期防疫緩和、ステルス·オミクロンの拡散、大統領選挙遊説をはじめ、大型集会の波及効果などの変数が多く、頂点は遅れ最大確定者の規模は予想より大きくなる可能性がある。精巧な対策なしに性急に防疫の手綱を緩めれば、患者と市民の苦痛だけが増すということを政府が知っているのか疑問だ。



東亜日報「[사설]확진자 늘수록 더 푸는 방역, 과연 이게 정상인가([社説]確診者が増えるほど緩くなる防疫、果たしてこれが正常なのか)」より

韓国で「1級感染症」に指定されているコロナは自己負担無し、全額国庫負担での治療となっています。日本と同じですね。
これが「1級感染症」から外れると、通常の健康保険での治療となり自己負担が発生します。
今でさえ、薬局で買える抗原検査(自己診断キット)で陽性が出たとしても、特に症状がなければ「隔離などで不便だ」との理由でPCR検査を受けない人が居ると言います。

政府が「風邪のようなもの」と言い、さらに「治療に自己負担が生じる」となったら、症状が出ていても「寝てれば治る」で病院に行かなくなるのではないでしょうか?
そうなれば当然、PCR検査もしませんから結果的に感染者数は減るでしょう。

しかし、それが果たして「防疫」なのでしょうか?もちろん、日本もどこかのタイミングで今後のコロナの扱いを考えていかないといけないとは思いますけれども、それは「感染者数過去最高」を記録した時では無いと思います。