IMD国際競争力評価で台湾に抜かれた韓国...1人あたりGDPも2022年に抜かれるとの分析が出た話

「韓国が台湾に国家競争力で劣る」という分析記事が出ました。
日本を抜く抜く言っていましたがその前に追い付かれてしまったと。さらに、韓国の国際競争力が伸びたというより、他国の競争力が低下したから相対的に韓国は伸びたように見えるだけ、との厳しい見方も示されています。

 



アジア経済の記事からです。

「台湾に押された韓国1人あたりGDP、国家競争力も劣る」


(前略)

24日、保健研究院の「最近の韓国経済の地位変化に関する議論」報告書によると、今年の韓国の1人あたりGDP国内総生産)がイタリアを上回る反面、台湾には追い越されるという見通しだ。

報告書はIMF国際通貨基金)の調査を引用して韓国の1人あたりGDPが欧州の先進国イタリアを追い越し、2027年にも相対的に高い水準を維持するものと予想した。

(中略)

反面、台湾の場合は韓国を2022年に追い越すと見通されているが、この場合、韓国はシンガポール、香港、台湾など80年代のアジア4頭のうちで1人あたりGDPが最も低い水準だ。

(中略)

スイスIMD(国際経営開発大学院)が発表する国際競争力評価を基準にすると、韓国は台湾に比べて大きく劣る。韓国の国家競争力順位は2016年、2017年には29位、2020年、2021年には23位に落ちたが全体的に20位圏の中下位から横ばいとなっている。
反面、台湾の場合、2015年以後に下落傾向を見せ2019年以後は7位圏まで上がり、急速な上昇傾向を見せている。

2019〜2022年の期間中に20個の細部項目で競争力順位を比較した結果、韓国は経済成果部門の「国際投資」、政府効率性部門の「財政」、「租税政策」、企業効率性部門の「労働市場」などで順位が下落したことが分かった。
反面、台湾は大部分の細部項目で競争力が上昇または横ばいであることが明らかに成り相対的に優越な推移を見せた。

(中略)

報告書は韓国の経済的地位は事実上停滞したが、イタリア、スペインなど一部先進国で下落傾向が現れ、上昇傾向のような錯視現象が発生する可能性があることに留意する必要があると指摘した。
最近、韓国経済がスペイン、イタリアなど主要先進国を追い越したり対等な水準に達している現象は韓国経済の順位が上昇したと言うよりは、これらの国の順位が下落して現れた現象と見るのが妥当という主張だ。

(中略)

イ・テヨル保健研究院専任研究委員は「我が国の競争力向上のためには計20ヶ所の細部項目の中で下落傾向を示した4項目(国際投資、財政、租税政策、労働市場)の改善に注目する必要があるだろう」と強調した。
彼は「国債投資と関連しては、より積極的な海外資本誘致に努力する必要があり、財政と租税政策と関連しては財政健全性の向上と合理的な租税負担体系準備に努力する必要がある」と話した。
また「労働市場と関連して、韓国は伝統的に弱点として指摘されている労使関係と共に人材誘致や頭脳流出問題においても積極的に改善策を用意する必要があるだろう」と付け加えた。



アジア経済「"대만에 밀린 한국 1인당 GDP, 국가경쟁력도 밀린다"(「台湾に押された韓国1人あたりGDP、国家競争力も劣る」)」より一部抜粋

これは日本も他人事ではなくて、IMDの国家競争力順位(世界競争力年鑑と訳されたりもする)では日本は34位です。韓国よりも低いです。ちなみに今年の1位はハンガリーです。

まあ、この競争力順位と1人あたりGDPに相関関係があるのかどうかは疑問ですけど。

以下、いくつかコメントを紹介します。現時点でコメント数は432件。反応は「おすすめ:27 いいね:20 感動:12 怒り:1060 悲しい:7」です。

 

「ユン*1をとっておいて発展すると思った事自体が国家的側面からちょっと足りてないんだよ。
 兄ちゃんが言うよ〜。5年間、韓半島に戦争が起こらなければ改善するのだ。チッチッ
 2をとった人*2はそれとしても、なんで他の人たちまで一緒くたにならないといけないのか悔しい T T」(共感637 非共感34)
 
「台湾の平均賃金は低い。大卒初任給で100になるのか?
 TSMCなどをはじめとする企業利潤が大きくて少ない人口で分けると1人あたりGDPは私たちより多いのに、実際に反映される賃金は私たちよりはるかに少ない。
 1人あたりGDPが高ければどうなるか、企業は満腹で国民は発展途上国より少し余裕がある程度?
 もちろん物価も安いので自国で暮らす分には楽だけど、海外旅行に行ってみると韓国人の金遣いと台湾人の金遣いは違わざるを得ない。
 しかも台湾は事業のほとんどが完成品があまりない。
 TSMCも考えてみれば一種の半導体下請け業者」(共感283 非共感26)
 
「近頃はとんと嬉しい便りが聞こえてこないね。何でも後退する便りだけだね。ユン・ソンニョルが国を正常に戻すと言っていたけど、まさにこれを言っているのか。寂しいな」(共感246 非共感10)

都市国家と比較するとみんなそうです。
 北欧諸国1人あたりGDPがいくら高くても5千万以上のドイツ、フランス、英国と比較しません。
 購買力指数ppまで考慮すれば韓国がはるかに良いです。
 私たちは強大国の間にいるからであって、ヨーロッパの真ん中にいたらドイツ、フランス、英国に次ぐ強豪国です。
 特に最近の文化影響力はアジア1位です。
 単純に生産性基準で国力を評価してはいけません」(共感191 非共感14)

海外でのお金の使い方についてデータを出しておきます。これは訪日観光客の消費動向(コロナ以前の2019年データ)を元にしています。
訪日1回目の1人あたり平均支出額は韓国人が63,281円、台湾人が101,239円となっています。確かに「韓国人と台湾人の金遣いは違わざるを得ない」んでしょうね。



*1:原文「굥」

*2:原文「2찍」。候補者番号2番のユンさんのことと思われる。