英語辞典で「Korea」を検索すると「中国の属国だった」...是正を要請するという話

英語辞書で「Korea」と検索してみたら「中国の属国だった」との「歪曲された」記述がなされていたとして毎度おなじみVANKが是正を促す書簡を送るそうです。
後述しますが対象の辞書の中のCollinsの記述を読んでみたところ、とても「歪曲された」内容とは思えません。歴史的事実を客観的に数行にまとめてあると感じます。それでもこれを「歪曲」と呼び、是正を促すのは、こうした「事実」が韓国の体面を傷つけると考えるからなんでしょうかね。

 



SBSの記事からです。

英語辞典に「Korea」と検索してみると..「中国の属国だった」


(前略)

最近、サイバー外交使節団バンクが、コリンズ、アメリカンヘリテージなど世界有数の英語辞典に韓国を入力して検索した結果、15個中11個の辞典が倒壊を日本海と単独表記していました。

(中略)

何よりこれらの辞典は韓国の歴史を深刻に歪曲しています。

「1876年に港を開放し、日本と朝鮮が貿易を始める前まで韓国は中国の属国だった」と説明する一方、「Korea」の韓国語名が朝鮮という誤った情報を提供しています。

バンクは誤った情報を提供する英語辞典と百科事典出版社に正しい資料を提供する一方、講義と共に是正要請書を送る計画です。



SBS「[뉴스딱] 영어사전에 'Korea' 검색해보니.."중국 속국이었다"(英語辞典に「Korea」と検索してみると..「中国の属国だった」)」より一部抜粋

VANKが提供するという「正しい資料」のソースが気になるところですが...まさかとは思いますが、現代の「大韓民国(Republic of Korea)」のことではなく「高麗」のことを書くよう促すわけじゃないですよね...?

どっちかよくわかりませんが、以下は「大韓民国 = Korea」のつもりでいきます。
記事で名指しされているCollinsの「Korea」には以下の記述があります。一部抜粋します。

 

an isolated tributary state of Manchu China for three centuries until the opening of ports to Japanese trade in 1876; became officially independent of China in 1895 and declared an empire in 1897;
(1876年に日本貿易で開港するまで3世紀にわたって中国満州の孤立した属国だった。1895年に中国から正式に独立し、1897年に帝国を宣言した。)

気に食わないと言っているのはこの部分です。「tributary state」には「属国」以外にも「進貢国」という意味もあります。
どうですか?「歪曲」されていますでしょうか?1895年の正式独立は下関条約で日本が清に認めさせたという経緯が抜けている部分が「歪曲」と言えばそうかもしれません。

もう一つ、記事内で言われている「韓国語名が朝鮮」という話ですが、これは勘違いの可能性が高いと思います。
私が見つけたのはMerriam-Websterの次のような記述です。
「... or Japanese Chosen former country coextensive with the Korea Peninsula ...」
これは「日本語の『朝鮮』は朝鮮半島にあった旧国家」と、日本語に対する言及です。これを誤解したのだと思います。(韓国語でも朝鮮のことを「チョソン(조선)」と言いますから、仮に韓国語の説明であってもあながち間違いでもないでしょう)

それより私が色々当たっていて気になったのはMacmillan dictionaryです。
単に「Korea」で検索すると「North Korea」が優先して出てきます。韓国を出そうと思うと「South Korea」で検索しないといけません。こっちの方がどうかと思いますが?