北朝鮮が言う「平和」とは、果たして我々が思う「平和」なのだろうか?という話

「平和」という言葉はよく使われます。
しかしこの言葉、自由民主主義陣営・資本主義経済と共産主義勢力・社会主義経済のように、イデオロギーが異なる場合、その意味が変わってくるそうです。
北朝鮮や従北勢力が言う「平和」とはどういう意味か?それは韓国が言う「平和」と相容れるものなのか?というコラムがありましたので紹介します。

 



ペンアンドマイクの記事からです。

[ユ・ドンヨルコラム]北韓および従北勢力が語る平和とは?


北韓と従北勢力は韓半島問題に言及する時、必ず「平和」を掲げる。北韓の統一三原則(自主、平和統一、民族大団結)にも登場する。北韓の対南路線の一つである「終戦宣言と平和協定締結」や2018年に採択された板門店宣言(4.27)と平壌共同宣言(9.19)でも「韓半島北韓朝鮮半島と表現)の恒久的な平和体制構築」などが登場する。

しかし果たして北韓や従北勢力が真に韓国が念願する韓半島の平和を目指すのか?彼らが言う平和の概念を知っていればこれは詐欺劇えあることが確認できる。

一般的な意味で平和とは、戦争や武力衝突の無い平穏な状態を意味する。共産主義者たちも平和に対する上記のような辞書的定義に同意するが解釈が違う。共産主義者たちは資本主義社会とは、労働者を抑圧し搾取する矛盾闘争の社会であるため資本主義社会が存在する限り、真の平和は成し遂げられないと主張する。したがって労働者の階級革命を通じて資本主義体制を転覆し、社会主義(究極的に共産主義)を建設してこそ真の平和が構築されると主張する。これが共産主義者の平和観だ。したがって共産主義者たちが言う平和とは、まさに階級暴力革命を意味する。

北韓も平和を基本的に共産主義者の解釈と同じ脈絡で理解している。北韓の平和観を見てみよう。北韓には平和的情勢が造成されているが、韓国に非平和的情勢が造成されており、韓半島朝鮮半島と称する)に平和が構築されないということだ。米国が韓国を政治・軍事的に強みとして植民地統治しており、可哀そうな韓国労働者階級と人民が苦痛を受けており、平和造成も出来ず統一も出来ないということだ。したがって、在韓米軍を撤収させ、米国に従属する韓国の植民地政権を打倒して「民族解放(人民)民主主義革命」を達成し、共産主義社会を建設してこそ真の平和が達成されるということだ。従北勢力もこのような北韓の平和論をろ過なく受け入れている。

まとめてみると、北韓や従北勢力が言う平和とは」在韓米軍の撤収、国家保安法廃止、対共捜査機関の解体、良心の囚人の釈放」などで韓国革命を達成した後、北韓社会主義(究極的に共産主義)を建設することだと言える。北韓が平和統一案として掲げる連邦制統一案も現政権と行うというのではなく、韓国内部の革命(米軍撤退、韓国政権打倒)が達成され樹立される韓国の容共政権*1(人民政権)と連邦制を行うというのであり、決して平和統一案ではない。

北韓と従北勢力は韓国政府が北韓路線に同調しなければ「それなら戦争しようということか」と反問し、「戦争か平和か選択せよ」と言い、韓国政府と自由民主勢力(保守愛国勢力)を戦争勢力と罵倒し平和攻勢を頻繁に提起している。

しかし解放後、韓半島で戦争と戦争危機を高め、平和を脅かしていた集団は北韓のキム氏集団(金日成金正日金正恩)であって大韓民国や米国では決してない。北韓はいわゆる「全韓半島赤化統一」のため1950年の6・25南侵戦争をはじめ大統領府奇襲(1968年)、KAL拉致(1969年)、パク大統領暗殺未遂(1974年)、板門店斧蛮行(1976年)、アウン山爆破(1987年)、KAL858機爆破(1987年)、イ・ハンヨン暗殺(1997年)、天安艦爆沈(2010年)、延坪島砲撃(2010年)、6.25サイバー攻撃(2013年)など、8万件余りの各種テロ挑発を行ってきた。今も核とミサイルで韓国国民と国際社会を脅かしている。

にもかかわらず北韓は米国と韓国政府が北侵戦争を図り、平和を破壊していると扇動し、韓半島に平和体制を構築するとして「平和」を論じている。盗人猛々しいともいえる。

1970年代、自由ベトナムベトナム)と共産ベトナム(越盟+ベトコン)が激しく戦争を繰り広げた当時、米国は共産ベトナムと平和協定締結を試みた。その結果、1973年1月27日、パリで米国、自由ベトナムと共産ベトナムが戦争終結を宣言し、いわゆる平和協定を締結した。以後、同年3月27日、自由ベトナムから米軍を完全に撤収させた。その結果、果たしてベトナムに平和が造成されたのか?

米軍撤退後、共産ベトナムは総攻勢を繰り広げ55日後の1975年4月30日に自由ベトナムの首都サイゴンを陥落させ、結局ベトナムは赤かした。パリ平和協定は平和協定ではなく戦争協定、共産化協定に転落した。共産主義勢力、特に北韓のような首領絶対主義の暴圧体制との終戦宣言や平和協定は戦争協定、赤化宣言になりうるという歴史的教訓を直視しなければならない。

今後、韓国政府が北韓と対話を再開し、韓半島平和体制の構築について議論するなら、北韓に平和に対する明確な概念定義を求め、合意された平和概念に基づいて合意文を採択しなければならないだろう。これまで韓国政府が北韓のキム氏政権と合意した7.4共同声明(1972年)、南北基本合意書(1991年)、6.15共同宣言(2000年)、10.4宣言(2007年)、板門店宣言平壌共同宣言(2018)が共通して失敗に終わった背景には、当時の政府が宣言文に言及された「平和」という用語に対する明確な解釈が無く、政治的に妥協した結果だ。このような合意文は結局、北韓の平和詐欺劇に同調したに等しい。

我々は北韓と従北勢力および偽進歩勢力の持続的な平和攻勢に巻き込まれず、自由民主主義に基づいた平和概念を学習し、彼らの扇動攻勢に巻き込まれてはならない。



ペンアンドマイク「[유동열 칼럼] 북한 및 종북세력이 말하는 평화란?([ユ・ドンヨルコラム]北韓および従北勢力が語る平和とは?)」より一部抜粋

概念用語の意味定義付けは大事ですね。

*1:共産主義を受容する政権。⇔反共政権