韓国の6月の人口動向が発表され、出生率が0.7人と集計されました。
基本的に出生率は下半期は低くなる傾向があるので、このままだと第2四半期の出生率が0.6台に突入する可能性があります。
プレシアンの記事からです。
第2四半期の合計出生率は0.7人...0.6人台突入か
(前略)
統計庁が30日発表した「6月人口動向」資料によると、第2四半期の合計出生率は前年同期比0.05人減の0.7人と集計された。
これは該当統計集計が始まった2009年以後、第2四半期基準で歴代最も低い記録だ。最近になって出生時関連統計は常に歴代最低を更新する傾向を見せている。
(中略)
これを考慮すると現在の傾向が続く場合、今年の年間合計出生率は昨年の水準を更新する可能性がある。通常、出生児童は1年を半分に分ける場合、前半期に多く後半期になるほど減少する傾向がある。
昨年の四半期別出生児童は0.87人(第1四半期)、0.75人、0.80人、0.70人だった。今年は0.81人、0.70人だ。昨年のように第2四半期連続下落した。このため0.7人台まで割り込むのではないかと言う懸念が提起されている。
(中略)
今年に入って6月末までの総出生児数は12万343人だった。これは1年前の12万8488人より8145人(-6.3%)減少した結果だ。
このうち6月の出生児数は1万8615人で前年同月比300人(-1.6%)減少した。これで月別出生児数は91カ月連続で減少している。
(中略)
6月の死者数は2万6820人だった。前年同月比1900人(7.6%)増加した。
6月の死亡者数が出生児数(1万8615人)を8205人上回り、韓国の人口は自然減少した。月別基準の韓国人口は2019年11月から44カ月連続減少している。
(中略)
今後、人口増加を期待することも難しそうだ。婚姻件数が明確な増加傾向を見せていないためだ。
今年6月の婚姻件数は1万6053件で前年同月比7.8%増加した。
ただ、四半期基準で見れば第2四半期の結婚件数は4万7740人を記録し、昨年第2四半期(4万7733人)と大きな変化は見られなかった。
プレシアン「2분기 합계출산율 0.7명…0.6명대 진입하나(第2四半期の合計出生率は0.7人...0.6人台突入か)」より一部抜粋
保健福祉部は低出生率の反騰に成功したヨーロッパ諸国...フランス、スウェーデン、ドイツなどを参考に低出産政策の海外研究を進めることにしたそうです(参考)。
今更感がありますが、出生率の統計データが2009年からしか無いそうですし、この分野は色々と遅れていたのでしょう。それにしても減少ペースが尋常じゃありません。1.0を下回ったのが2018年(0.98)ですから。
ところで、脳内で分泌されるホルモンの中にドーパミンとオキシトシンというのがありまして、この2つは相互関係にあるのだそうです。
ドーパミンは「報酬系」と呼ばれるもので、快楽を刺激します。これによって意欲、集中力を高める効果が得られます。
オキシトシンは「愛情系」と呼ばれるもので、相手との信頼関係(社会的行動)を強める作用があります。
この二つの相互作用として、オキシトシンの分泌がドーパミンの分泌を促すことが分かっています。
さらに、ドーパミンは恋愛にも関係します。これはマウス実験ですが、ドーパミン分泌量の多い個体は異性に対して積極的アプローチするのだそうです。ドーパミンは何かを達成した「報酬」として分泌されるものですから、要するに「成功体験」として自信に繋がるのではないでしょうか?
で、完全な私見ではありますが、以上のことを踏まえると、韓国のみならず日本の少子化(ひいては未婚率の高さ)でも同じことが言えるかと思います。
「社会的報酬が足りてないんじゃない?」疑惑。
社会的報酬と言うのはお金に限らないんだそうです。脳内ではお金も社会的報酬(例えばSNSの「いいね」などの承認欲求)も区別されず満たされれば同じようにドーパミンが分泌されるそうですよ。