韓国の人口減少速度、14世紀ペスト流行時の欧州を超えるという話

韓国の第3四半期における合計特殊出生率は0.7でした。
これを1世代毎の人口減少の自然減(生まれた子供の数が亡くなった人の数を下回ることで人口が自然に減少すること)に当てはめると、両親2人から子供0.7人しか生まれないので、20人が7人に減ることを意味します。小学校1クラスを30人とすると、次の代は1クラス10.5人にまで減るということです。

この減少のスピードをニューヨークタイムズのコラムニストが分析し、14世紀に欧州で猛威を振るったペストによる人口減少を「凌駕する」としました。

 



ヘラルド経済の記事からです。

「韓国、ペストより早く『崩壊』...北に侵略される可能性も」


韓国の人口減少がペストが蔓延した14世紀の欧州より早い速度だという米ニューヨークタイムズ(NYT)コラムニストの分析が出た。

NYTコラムニストのロス・ダウサートは2日(現地時間)「韓国は消滅するのか」と題したコラムで、最近発表された韓国の第3四半期の出生率統計に触れ、このように分析した。

(中略 ※韓国の合計特殊出生率は2021年0.81人、2022年0.78人、2023年第3四半期基準0.7人と毎年最低値を更新中)

14世紀、欧州のペスト死亡に関する正確な統計はないが、学界では人口10人中5~6人が死亡した地域が少なくないと見ている。当時の欧州人口を約8000万人と見ると、死亡者は5000万人に迫るものと推定できる。

単純比較出来るものではないが、韓国の出生率がそれだけ極端に低いという点を比喩したものと思われる。

ダウサートは「(自身の思考実験ほど)急激な下落まではいかなくとも、2060年代後半に韓国の人口が3500万人以下の水準に下がれば韓国社会は危険になりかねない」と警告した。

(中略)

ダウサートは韓国の少子化の原因として、生徒たちを塾に追い込む残忍な入試競争文化がよく取り上げられていると説明した。また、保守的な韓国社会に対するフェミニストたちの反乱と、それに反発して現れた男性たちの反フェミニズムが男女間の激しい対立を起こし、インターネットゲーム文化などが若い男性を理性より仮想の存在に陥れたのが婚姻率の下落に繋がった可能性がある、と言及した。

ダウサートはただし「1960~70年代に人口が増え続け過剰現象が来ると誤って予測したように、今のような少子化現象が持続しないこともありうる」と付け加えた。人類の出生率克服能力が過小評価されているということだ。

(後略)



ヘラルド経済「"韓 흑사병보다 더 빨리 '붕괴'…北에 침략당할 수도"(「韓国、ペストより早く『崩壊』...北に侵略される可能性も」)」より一部抜粋

コメント欄を見ると、基本的に政治家を責めている論調です。
それと記事で指摘されているように「競争社会」「金銭的負担」を理由に挙げているものも多く見られます。
韓国の教育事情を見ていると、「子供に学力を付けさせること」が目的というより、「有名塾に通わせている」「カリスマ講師に学ばせている」「私教育にこれだけお金を掛けている」...と、「親の努力(地位?)」を誇示している側面も相当あるように見えてしまうのは錯覚でしょうか?

なにはともあれ、思考実験による予測が外れることを願います。
日本も他人事ではありませんからね。韓国の施策から何らかの打開のヒントが得られればいいんですが...。