主要国の経済成長率展望値が上方修正される中、韓国は「据え置き」という話

OECDとADBが経済成長展望の修正値を発表しましたが、日本を含む主要国を上方修正したのに対し、韓国はそれぞれ1.5%(OECD)、1.3%(ADB)に据え置きました。
特にOECDは日本の展望値を1.3%→1.8%と0.5%上方修正しており、これによって日本と韓国の成長率展望値は通貨危機以来初めて逆転したそうです。

 



聯合ニュースの記事からです。

OECDに続き、ADBも韓国の成長展望値「据え置き」...日本より低成長予告(総合)


(前略)

20日、企画財政部によるとアジア開発銀行(ADB)は同日発表した「2023年アジア経済展望補充」で、韓国の今年の経済成長率を1.3%と見通した。7月に発表した展望と同じ数値だ。

ADBは韓国経済が輸出増加など上方要因があるが、高金利による民間消費・投資制約とグローバル需要減少などの下方要因も混在していると説明した。一部の肯定的な指標もあるが、対内外不確実性が依然として残っており、景気反騰を楽観することは難しいという趣旨と解釈される。

回復信号が明確に現れず、来年の成長率展望値も従来と同じ2.2%に維持された。

これに先立ち経済開発機構(OECD)も前日発表した中間経済展望で、韓国の成長展望値を従来の1.5%に維持した。

(中略)

韓国の成長展望値が足踏みしている間、米国と日本、フランスなどの主要国の成長率展望値は上方修正された。特にOECDの日本の成長展望値は従来の1.3%より0.5%ポイント上がった1.8%に調整され、韓国を追い越した。

(中略)

ADBは今年、韓国の消費者物価上昇率を従来より0.2%ポイント下げた3.3%と見通した。OECDの展望値もやはり従来と同じ3.4%だった。

(中略)

中間財の輸入と製造業の比重が高い韓国経済の特性上、原油価格の上昇が物価に及ぼす波及効果は相対的にさらに大きいものと分析される。

経済成長率の展望値が足踏み状態で物価まで上がれば、下半期の景気反騰にも制約が避けられないものと見られる。政府が公言した「上低下高」景気回復も当初の期待には及ばないという意味だ。



聯合ニュース「OECD 이어 ADB도 한국 성장전망치 '제자리'…日보다 저성장 예고(종합)(OECDに続き、ADBも韓国の成長展望値「据え置き」...日本より低成長予告(総合))」より一部抜粋

「不確実性」ってつまり「中国」と「エネルギー価格高騰」ですからね、中国依存度を下げていないんですから当然な気がしますけど。

日本が上方修正されたのはインバウンドではないかと思います。
処理水放流後、中国人観光客の減少を心配する声が一部ありましたけど、日本国内の観光業への影響は今のところ「限定的」だそうです。
むしろ、日本国内で中国人観光客向けに中国人が経営していた店や個人タクシーが打撃を受けているとか。
また、団体旅行で日本に来る中産層ではなく、個人旅行で来る富裕層を獲得するチャンスと見る向きもあるようです。

具体的な数字は処理水が放流後の9月以降の訪日観光客数の推移が出るまで分かりませんが、思っていた以上に観光業界の脱中国は進んでいたようです。