韓国総理の解任決議案とイ・ジェミョン氏の逮捕同意案が同日に採択されることになった話

韓国の国務総理であるハン・ドクスさんと野党・共に民主党の党代表であるイ・ジェミョンさんにそれぞれ「国務総理解任決議案」と「逮捕同意案」が提出されました。21日の国会で同時採択されるものと思われます。

イ・ジェミョンさんの逮捕同意案は今年の2月にも提出されていて、その際は否決されています。ただ反対派が賛成派を圧倒していたわけではなく、賛成139票・反対138票・無効11票・棄権9票との結果です。可決に必要な票数は149票だったので結局は否決になりましたが相当危ない状況でした。
当時、共に民主党の全議員が投票に参加していました。つまり相当数の離反者が居たことになります。
今回も同様の事態、あるいはより多くの賛成票が集まる可能性を考慮してか、イ・ジェミョンさんはすでに入院しています。処理水放流への抗議として、2週間ほど前から行っていた断食パフォーマンスによる体調悪化のためです。ただ入院中も点滴のみで絶食を続けるという意味不明のアピールをしています。(ちなみに共に民主党は全議員の決議で断食中断を要請したそうです)

ただの迷惑だと思うんですけどねぇ…。政治家なんだから政治で何とかしてくださいって私なら思いますけど。まあ、他国の政治家ですから、どうでもいいと言えばいいですが。

 



聯合ニュースの記事からです。

イ・ジェミョン逮捕案、ハン・ドクス解任案、明後日同時採決...与野党の思惑交差


(前略)

法務部は19日午前、ユン・ソンニョル大統領の裁可を経て国会にイ代表逮捕同意案を送った。先立って前日には民主党がハン首相の解任決議案を国会に提出した。

国会法上、国会議員逮捕同意案と国務総理解任決議案は各々国会提出後の初めての本会議で報告され「報告後24時間以後、72時間以内」に無記名表決に付されなければならない。

(中略)

両案件とも在籍議員の過半数出席で過半数賛成により可決される。

167議席の巨大野党である民主党は票の取りまとめさえできれば望む方向の結果を得ることができるが、内部事情は簡単ではない。

(中略)

イ代表の断食期間長期化で親イ・ジェミョン系を中心に「否決世論」が浮上しているが、非イ・ジェミョン系は否決された場合再び「防弾論争*1」に包まれかねないとし、イ代表が議員に直接「可決」を要請しなければならないと主張している。

与党である国民の力は「逮捕同意案賛成、解任決議案反対」投票を党論として採択する可能性が高い。

ただ、党の一部ではハン首相解任決議案に対しては最初から表決に不参加でなければならないという意見もある。

民主党のハン首相解任要求はイ代表の司法リスクから世論の視線をそらそうとする政治攻勢が明らかなだけに表決に参加する理由がないということだ。

(後略)



聯合ニュース「이재명 체포안·한총리 해임안, 모레 동시표결…여야 셈법 교차(イ・ジェミョン逮捕案、ハン・ドクス解任案、明後日同時採決...与野党の思惑交差)」より一部抜粋

別の記事に書かれていたことですが、ハン・ドクスさんの解任決議案の提出にあたって共に民主党の院内代表が、大統領制と議院内閣制を区別できていないことが浮き彫りになり、一部で話題になっていました。
日本でよく聞く「内閣総辞職」「議会解散→総選挙」これは議院内閣制でしかあり得ない制度です。議院内閣制を採択している国は、日本以外で身近(?)なところだと英国ですね。これは政権交代のための装置です。首相に任期は無いですから。

一方で韓国は5年任期の大統領制です。そのため内閣総辞職という制度は無いのですけど、共に民主党院内代表の人(MBCの元記者だそうです)が16日に解任決議案を提出する意向を発表した際、「内閣総辞職」も要求していてさすがに失笑を買っていました。
大統領に議会解散権は無いのですから、どう考えてもパワーバランスおかしいでしょう。
前職が記者だったこともあり、日本の政治ニュース関連で聞きかじった用語を使ったのでしょうか?前提条件として「内閣総辞職」と「議会解散」が二者択一ということを知らなかったのでしょうね。韓国は二者択一どころか、どちらも選べる政治制度ではありません。


*1:断食を逮捕を避けるための「弾避け」パフォーマンスだという非難。